「チンチラ」ってなに?

ペルシャは毛色や模様のバリエーションが豊富で、大きく分けて7種類。チンチラペルシャはそのなかで、「シルバー&ゴールデン」部門に属しています。独立した猫種ではなく、ペルシャの毛色の一種です。

被毛はダブルコートで、アンダーコートはシルバーかゴールド。オーバーコートの毛先にのみ濃い色がついているのが特徴です。
目の色はグリーンもしくはブルーグリーンで、他の毛色のペルシャに比べ、アイラインがくっきりしています。

ペルシャのなかで同じくオーバーコートに色がついたものに「シェーデッド」がいますが、シェーデッドが毛先1/3まで色がついているのに対し、チンチラペルシャは1/8までしか許されていません。そのため、全体的に明るい毛色がチンチラペルシャの特徴です。

チンチラペルシャの名は、チリ固有のネズミの一種である「チンチラ」と、ふわふわの毛並みや色合いが似ていることからつけられました。

チンチラペルシャの体

チンチラペルシャの平均的な体重は、ペルシャと同じ3~6kg程度です。まるまるとしたフォルムから太っているように見られがちですが、毛量の多さやもともとの体型が原因。
ボディタイプは、胴や足が短めで太く、顔が丸くて全体的にどっしりした「コビータイプ」に当たります。

しかしながら、運動にあまり積極的でなく、結果的に肥満になりやすい傾向があります。食事の量や内容には気を配ってください。

チンチラペルシャの性格

ペルシャと同様に、おっとりして物静かです。

基本的にはなでられたり抱っこされたりといったスキンシップをあまり好みませんが、チンチラペルシャの気が向いたときだけは甘えてくれることも。猫の「ツンデレ」な性格が好きな人にはうってつけのタイプです。

ほとんど鳴き声を上げず、鳴いても声は小さめ。集合住宅でも飼いやすい猫種です。

チンチラペルシャ(シルバー)の特徴

チンチラシルバーが誕生したのは1882年のイギリスで、1500年以上前からいたと言われるペルシャにしては最近のこと。
メインはホワイトで毛の半分以上に色が入ったスモークと、シルバーで縞模様のペルシャとの交配を繰り返し、縞模様を少なくすることで作出されました。

最初に生まれたシルバーの猫は「シルバーラムキン(銀の子羊)」と名づけられ、その後のチンチラの基礎となります。シルバーラムキンは17年の天寿をまっとうしたあと、はく製となってイギリスの自然史博物館に展示されているそうです。

チンチラシルバーが広く認知されるようになったのは、1971年公開の映画『007』に出演したことがきっかけ。黒幕とされる人物が抱いていた、気位の高そうなチンチラが観客の心をつかみました。

チンチラペルシャ(ゴールデン)の特徴

人気のチンチラシルバーですが、1920年代になってゴールドの猫が生まれます。ゴールドの猫は「ブラウニー」と呼ばれ、純血種として認められず、キャットショーの出陳資格も得られませんでした。
ただし、柔らかな毛並みと美しいゴールドのブラウニーは、ペットとしては多くの人に愛される猫になります。

そのうち、ゴールドの美しい毛色に魅力を感じたアメリカのブリーダーが開発に取り組み、1970年代には新種の「チンチラゴールド」として認められました。現在では最も美しいペルシャ猫のタイプと言われるまでになっています。

生まれたときから濃い色のチンチラゴールデンもいますが、たいていは毛並みが完成するまでに2~3年の時間がかかります。

チンチラペルシャの飼い方ポイント

長毛種のチンチラペルシャは、被毛の状態を健やかに保つために毎日のブラッシングが欠かせません。

細く柔らかいアンダーコートは毛玉になりやすく、放置すると通気性が悪くなって皮膚病や熱中症などの原因となります。ブラッシングは皮膚の血行が促進され、美しい毛が生える効果もあるので、定期的に行いましょう。

ブラッシングは抜け毛を飲み込みすぎて起こる毛球症の予防にもつながります。しっかりケアしましょう。

遺伝で発生する多発性嚢胞腫

チンチラペルシャがかかりやすい病気のひとつとして、ペルシャをはじめとする長毛種に好発する「多発性嚢胞腎」という遺伝性疾患が挙げられます。親猫のどちらかが発症していると、ほぼ半分の確率で子猫へと遺伝する病気です。

腎臓に3個以上の嚢胞ができ、大きくなることで正常な腎臓組織が少なくなるため、腎不全を引き起こします。食欲不振による体重の減少、嘔吐、下痢、高血圧などが主な症状です。

嚢胞は子猫のころから徐々に大きくなっていきます。現時点では対処療法のみが治療法となるので、定期的な診断による状態のチェックが必要です。

腎不全の症状がみられる際には、抗生物質の投与など状態に合わせた投薬治療を行うことになります。

ほかにかかりやすい病気

また、チンチラペルシャは体質的に「尿結石」ができやすい傾向もあります。放置すると尿毒症に進行してしまうおそれがあるので、普段からキレイな水を飲めるように工夫し、おしっこの量・色の変化に注意しましょう。

まとめ

美しい毛並みが特徴のチンチラペルシャ。シルバー・ゴールドの美しい毛並みを維持するためには、マメなブラッシングなどケアが必要です。また、基本的に物静かな性格を持っていて、あまり鳴き声をあげないため室内で飼いやすい猫と言われています。食事の量や、かかりやすい病気に気をつけながら育てることがポイントです。
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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