仕事にも活かせる!専門的なペットの資格

まずは、ペットにかかわる仕事に就くときに活かせる専門資格を解説します。「総合系」、「しつけ系」、「お世話系」、「技術系」、「専門系」、「医療・福祉系」とジャンルも多岐にわたりますので、自分の興味に合ったものを探してみてくださいね。

総合系 

本を読むポメラニアン
ペットに関する幅広く深い知識が求められる資格です。トリマーや動物看護士、ペットシッターやブリーダーなど、ペット業界で働きたい人全般におすすめの資格です。意外にも集合住宅の管理や不動産、観光業界で働く方が、ペット関連のトラブルを防ぐために資格取得を目指すケースもあるようです。
  • 「JKC愛犬飼育管理士」/ジャパンケネルクラブ」
ジャパンケネルクラブ公認の資格です。JKC主催の講習会に参加し、同じ市に行う筆記試験に合格することで取得することが可能です。資格を取得する際にはJKCに入会し会員となる必要があります。
  • 「愛玩動物飼養管理士」/日本愛玩動物協会」
1級と2級があり、日本愛玩動物協会に受験の申し込みをした後、協会から届いた教材で各自学習を行い、1回のスクーリングと課題の提出を行うことが受験資格となります。

しつけ系

ペットシッターやドッグトレーナー、しつけ教室の開業を目指せる資格です。プロとしてではなくとも、家庭で愛犬のしつけにも活かせるものばかりです。

インストラクター

  • 「JAHA認定家庭犬しつけインストラクター」/日本動物病院協会
飼い主にしつけやトレーニングを教える指導者として必要な知識とスキルを学びます。ベーシックコースを修了したのち、インストラクター養成コースのカリキュラムを受講することが受験条件。

トレーナー

  • 「ドッグトレーナーライセンス」/ドッグトレーナー協会
ABCの3段階のライセンスを発行。いずでもスクーリング・認定試験の両方が必要だが、現在はオンラインで行っている。
  • 「家庭犬トレーナー」/日本ペット技能検定協会
協会が認定する専門講座で学習したのち、筆記試験を受けます。2級では基本的なトレーニング法の知識や技能が求められ、1級では飼い主にトレーニングの重要性を教育し啓蒙する、よりプロフェッショナルなスキルが求められます。

お世話系

猫のケアをする人
飼い主に替わってペットのお世話をする「ペットシッター」の需要が高まる中、注目されている資格の一つです。ペットシッターとして独立開業するための登録条件としては、「半年以上の実務経験」のほかに、「環境省が認める資格の取得」または「動物系専門学校卒」であることが必要です。

ペットシッター

  • 「ペットシッター士」/日本ペットシッター協会
通信講座、通学、カルチャースクール講習と3つのコースから選んで学び、認定試験(筆記)を受けます。
  • 「認定ペットシッター」/ペットシッタースクール
通学、オンライン通学、通信、オンライン通信など4つのコースから選んでカリキュラムを受講します。

技術系

トリミングされる犬
プロのトリマーを目指す人向けの資格です。プロとして活躍するためには、技術と専門知識だけでなく飼い主から支持されるセンスも問われます。

トリマー

  • 「JKC公認トリマー」/ジャパンケネルクラブ
「C級」、「B級」、「A級」、「教士」、「師範」の5レベルに分かれた公認資格です。養成機関での講習を受けるほか、トリミングサロンでの実務経験を経て独学で取得する方法があります。トリマー資格としての認知度が高く、人気があります。
  • 「公認トリマー」/全日本動物専門教育協会
「初級」「中級」「上級」があり、指定校の学科・実技の修了が受験資格となります。トリミング競技会なども行い、多くのライセンスを発行する団体であるだけに、信頼度の高い資格といえます。

専門系 

ドッグショー
警察犬、盲導犬の訓練士のほか、ドッグショーで活躍するハンドラーやスチュワードなどの専門家を養成する資格・検定です。作業犬の仕事は、人間や犬の命にかかわることから、資格取得までのハードルは高く、受験者には専門機関での経験などが求められることもあります。

ハンドラー・スチュワード

  • 「公認ハンドラー」「公認スチュワード」/ジャパンケネルクラブ
ハンドラーの場合は、「C級」、「B級」、「A級」、「教士」、「師範」の5つのレベルが、スチュワードの場合は、「サブスチュワード」「スチュワード」「チーフスチュワード」の3つのがレベルがあります。
  • 「ハンドラー」/全日本動物専門教育協会
「初級」「中級」「上級」があり、指定校の学科・実技の修了が必要とされます。ドッグショーでのハンドリングや被毛のお手入れを学べるため、トリマーやペットシッター、ペットショップといったさまざまな業種に活かせる資格です。

訓練士

  • 「公認訓練士」/ジャパンケネルクラブ
技術と経験のレベルによって、訓練準士補、訓練士補、訓練練士、訓練教士、訓練範士、訓練師範、の6種類の公認訓練士資格を発行しています。
  • 「公認訓練士」/日本警察犬協会
「三等訓練士」から「一等訓練士長」まで5階級に分けられ、順次昇格していくしくみです。協会の関連機関からの推薦が必要となるため、一般的な資格取得とは流れが異なります。まずは協会の公認訓練士が経営する訓練所に入所することになります。
  • 「盲導犬訓訓練士」/日本盲導犬協会
盲導犬訓練研修生として協会で約1年間学んでから試験を受けることなります。さらに盲導犬ユーザーとなる方と盲導犬の歩行訓練なども行う必要があります。

医療・福祉系

医師に抱っこされる犬
動物病院など、ペットの医療や福祉にかかわる仕事に就く人を対象とした資格です。

動物介護士

高齢犬や猫を介護するための資格で、動物病院や動物の介護ホーム、ペットショップなどでの活躍が期待されています。
  • 「動物介護士」/日本能力開発推進協会
シニア期の動物に関する基礎知識、動物介護、病気についての専門的知識が必要です。認定教育機関での課題修了後、在宅にて受験可能。
  • 「ペット介護士」/がくぶん・動物看護士
通信講座受講後、認定される資格。健康管理、応急処置の方法、しつけ方、グルーミングまで幅広い知識と技能が身につきます。

動物看護師

動物病院を受診するペットの健康管理や獣医師のサポートを行うための資格です。看護や動物栄養学、動物のお手入れなど、幅広く実務的な知識が求められます。
動物看護師になるには、専門学校で動物看護学を学び、認定資格を受験するケースが多いです。
  • 「動物看護師統一認定試験」/動物看護師統一認定機構
公的な資格が存在しない動物看護師において、全国統一試験を実施しています。機構が認めた学校で学ぶことが受験の条件とされています。
  • 「動物看護師」/全日本動物専門教育協会
獣医師・飼い主・動物の間に立ち、現場で即戦力として活躍できる専門知識と技術、コミュニケーション力を身に着けます。指定校において学科・実技を修了し、受験する流れです。
  • 「AHT(アニマル・ヘルス・テクニシャン)」/日本動物衛生看護師協会
動物医療における看護職のライセンスをいち早くアメリカから導入。認定校を卒業することが受験条件です。

家庭犬の飼育に関する資格

お手をするポメラニアン
続いて、愛犬家におすすめの資格や検定をご紹介します。仕事や家事の合間に勉強できるレベルのものも多いため、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ペットとのよりよいパートナーシップを目指す検定

ペットのしつけやマナー、ペットフードなどに関する知識を問われます。家庭犬の飼育がテーマですが、筆記試験に加えて実技試験がある検定もあります。
  • 「JAHA家庭犬マナーチャレンジ」/日本動物病院協会
認定インストラクターのいるしつけ教室でチャレンジできるテスト。「ベーシック編」と「上級編」があり、実技試験もあります。合格すると合格証とステッカーがもらえます。
  • 「ペットフード/ペットマナー検定」/ペットフード協会
インターネットでできる試験。1時間程度で気軽に受験できるので、趣味でトライする人も多いようです。

ペットに関する知識(ニュースや雑学を含む)を広げる検定

動物の体の仕組みや飼育方法、法律・法令のことまで、ペットと暮らすための幅広い知識が求められます。
  • 「ペットオーナー検定」/日本愛玩動物協会
子どもから大人まで、クイズ感覚で取り組める検定。「犬」「猫」のコースがあり、雑学もあって楽しみながら挑戦できます。
  • 「ドッグ検定」/日本ペット技能検定協会
試験問題が郵送で送られてきます。犬の健康、歴史、トレーニング、など専門知識から豆知識までを問われます。2級、1級とあり、合格すると認定書やカードが授与されます。

ブリーダーは資格を持っているの?

ペットに関して幅広い知識が必要とされるブリーダーですが、ブリーダーになるための必須資格はありません。しかし、動物に関する幅広い専門的な知識を得るために「訓練士」や「動物看護師」、「愛玩動物飼養管理士」などの資格を取る人もいます。

まとめ

ペットにかかわるさまざまな資格をご紹介しました。ペットシッターに訓練士、動物看護師にオーナー検定と、非常に幅広いバリエーションがあることが分かりますね。
トリマーやトレーナーを職業として目指す場合は、専門学校などで学ぶケースが多いです。しかし多くの資格において、通信講座やオンライン講習が設けられており、だれでも気軽に学びやすくなってきています。就職や転職を考える人は、一つの選択肢としてチェックしてみるのもいいでしょう。

ペットにかかわる資格を取ることで、動物たちへの理解も愛情も深まることでしょう。気になる方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。