犬も「やきもち」をやくの?

しょんぼりするパグ
人間は、自分の好きな相手が別の誰かと仲良くしていると嫉妬します。それは犬たちだって同じです。大好きな飼い主が別の誰かと仲良くしていると、嫉妬するのです。

やきもちの対象はさまざま。新しく家族に向かえた子犬や散歩中に飼い主がかまう別の犬。飼い主の恋人や家族、赤ちゃん。時にはテレビやスマートフォンなどの機器類に対してさえ、飼い主の愛情を独り占めされたと感じて嫉妬する場合があります。

なぜ犬は「やきもちをやく」のでしょうか。これはもともと犬が群れを作って生活をし、社会的なつながりを育んできた名残で、集団の中に新しく表れた存在に、順位がかき乱されることを恐れているとも言われています。

犬がやきもちをやいたらどんな行動をするの?

実際に犬がやきもちをやいたらどのような行動を起こすのでしょうか。「やきもちをやく」なんてかわいい姿にも思えますが、時には吠えたり噛んだりするといった問題行動につながることもあります。家族で新しい変化がある場合は、犬の行動にも変化がないか、よく観察してあげましょう。

甘える

飼い主の関心を自分に取り戻そうと、甘えるしぐさを見せる犬がいます。たとえば、飼い主をじっと見つめたり、やきもちの対象である別の子犬や赤ちゃんの間に割って入ったりします。また、飼い主の手や足などを舐めて気を引いたり、自分のお気に入りのおもちゃを持ってきたりする子もいるようです。
犬は賢い動物なので、これまでの自分の行動のなかで、飼い主がいい反応を見せた場面を覚えていると、同じ行動を繰り返すことで飼い主の気を引こうとします。

これはすべて「自分を見て!」という愛犬からのシグナルです。

甘えてやきもちを訴えてくる姿はかわいらしいものですが、犬は不安を感じています。飼い主と犬の関係が変わらないことを伝えてあげましょう。

落ち込む

飼い主が自分以外のものに夢中になると犬はふて寝したり、ほかの部屋に移動したり、時には不機嫌そうなそぶりを見せることがあります。

これも嫉妬心を抱いている犬が起こす行動の一つです。飼い主にとっては「犬が眠いのかな」「興味がないのかな」と変化に気が付かないことがあるので、よく観察してあげましょう。

また、犬が落ち込みすぎて食欲をなくし、嘔吐や下痢を起こす場合があります。たかがやきもちと気楽に構えすぎず、体調に変化が生じた場合は病院に相談しましょう。

攻撃行動

犬の「こっちを見て!」という気持ちが先走り、飼い主ややきもちをやく相手に吠えたり唸ったり、興奮が加速すると噛みついて、ものを壊してしまうこともあります。

これはかなり困った行動ですが、ここで飼い主が反応し、叱ったり犬に近づいたりすると「いたずらをすればかまってもらえる」という誤ったメッセージを犬に伝えてしまいます。そんな行動を起こしても飼い主にはかまってもらえないということを示しましょう。そのためにも、過度な反応をしないように気を付けてください。

こういう行動が起こった場合は、愛犬が何にやきもちを抱いているのか、その原因をよく観察し、不安を取り除いてあげてください。

そのほかの問題行動

上記以外にもやきもちをやいて行き場のない気持ちを、犬は行動で示します。自分自身にストレスを向けて、足などを噛む自傷行為を行ったり、粗相してしまったりするケースです。

このような場合に、叱ったりするのは逆効果です。一つひとつの行動を愛犬からのメッセージだと感じ、少しずつ環境に慣れていけるように配慮してあげましょう。

犬がやきもちをやいたときの対処法は?

甘える柴犬
では、実際に犬がやきもちをやく前にできる対処法や、行動を起こした後にするべきこととしては、どのようなことがあるのでしょうか。

先住犬を優先する

多頭飼いの開始や結婚・出産などにより新しい家族が増えた場合、犬は飼い主の関心が自分から離れていくのではないかと不安を覚えることがあります。まずは食事などの場面で先住犬を優先し、集団の中で愛犬の順位が変わらないことを示してあげましょう。

やきもちの相手が犬の場合は、先住犬を優先することで、先住犬である愛犬の立場を守り、不安を軽減させてあげることができます。

人間の家族が増えた場合は赤ちゃんと犬を長時間同じ部屋で過ごさせるのではなく、少しずつ近づけてあげましょう。急激な変化を避けて徐々にならしていけば、愛犬にも相手を受け入れる余裕が生まれます。

大声で叱らない

粗相や吠える、噛むなどの場面では、飼い主が大声で叱ると、犬との信頼関係が崩れたり、飼い主に注目してもらえたと誤って学習したりしてしまいます。

粗相では、犬を叱らず、静かにその場を片付ける。吠える、噛むなどの問題行動は、無視して犬が落ち着くのを待つか、これ以上犬が興奮しないように静かに叱るようにしましょう。


粗相や吠える、噛むなどの場面では、飼い主が大声で叱ると、犬との信頼関係が崩れたり、飼い主に注目してもらえたと誤って学習したりしてしまいます。

吠えているのに、飼い主の注目が自分に集まらないことがわかれば、犬は問題行動をすることで飼い主の関心を引こうとはしなくなります。もちろん、行動をやめたら褒めてあげるなど、愛犬に時間を割いてあげることは大切です。

犬のストレスを発散させる

やきもちをやく状況は犬にとってストレスがたまります。放っておくと、問題行動が悪化する原因にもなります。

犬がストレスを発散できるよう、散歩をしたり、一緒に遊んであげたり、ドッグランに連れて行ったりして、構ってあげる時間を作りましょう。そうすることで、生活に変化が生じて戸惑っていた愛犬もリラックスすることができます。

祖母の愛犬が ひ孫に嫉妬

私(筆者)の周囲でも、飼い犬がやきもちをやいたというエピソードがあります。

祖母には、かわいがっていたシーズー犬(当時10歳)がいました。ある日、親族一同が祖母の家に集まるきっかけがあり、どんどん人が集まる状況に祖母の愛犬は大興奮、喜んでいるように見えました。ただ、見知った親戚の顔が並ぶ中に、誕生したばかりのひ孫がいたのです。

祖母がまだ赤ちゃんのひ孫を「まあ、かわいい」と抱きあげたところ、祖母の愛犬はひ孫に吠え立てました。しばらくして祖母から赤ちゃんが離れると、犬は吠えるのをやめて祖母にお尻をつけて横になり、落ち着きを見せたのです。

新しくやってきた赤ちゃんに驚いただけかもしれませんが、ひょっとするとかわいいひ孫を褒める祖母に、集団の中で順位が変わるのではと不安を抱いたのかもしれません。

まとめ

こちらを見つめるシーズー
愛犬がやきもちをやいてくれる姿はかわいいものですが、犬にとってはストレスや不安につながります。また、愛犬が吠える、噛むなどの行動を起こせば、犬と一緒に生活するうえで見過ごせない問題となってきます。

飼い主にとっては、結婚や出産、多頭飼いデビューなど、新しい家族が増えるのは喜ばしい変化。家族の一員である愛犬にも一緒に喜んでもらえるように、飼い主が犬の気持ちに配慮した行動を取りたいものですね。優先的にお世話をしてあげる、一緒に遊んであげるなどして、いつまでも飼い主との関係性が変わらないことを示してあげてください。
 執筆者プロフィール
フリーランスの編集者・ライター
教育や動物、地域情報などを中心に取材・執筆を行う
保健所から引き取った愛犬「ソルト」が大好き

サイトURL:https://yukidog-office.com/index.html
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