鼻を濡らしたい

餌によって来る子犬
鼻は犬にとって大事な器官。急所とも言われており、鼻を触ると嫌がる犬も多いものです。

愛犬がガラス窓に鼻をくっつけたときなどに、湿った鼻がガラスに擦り付けられたあとが白っぽく残ってしまうことはないでしょうか。犬の鼻はいつもわずかに湿っており、それが正常な状態なのです。

人間よりも10倍から30倍も嗅覚が優れていると言われる犬の嗅覚、犬が自分の鼻を舐めるしぐさには、さらに自分の鼻を湿らせて情報をたくさん取り入れたいという心理があるようです。

食べものが食べたい!

食事やおやつを準備する飼い主。犬はその気配を察知すると、自分の鼻をまるで舌なめずりするように舐めています。

先述した通り、鼻は犬にとってにおいを嗅ぐ大事な器官です。その鼻を舐めて湿らすことで、においの分子がさらに吸着しやすくなり嗅覚が敏感になると言われています。「食事に何が出てくるのか、もっと嗅いで知りたい!」という愛犬のワクワク感が、鼻をペロペロと舐める行為につながっているのかもしれません。

「早く食べたい!」という犬の気持ちの表れで、我慢できない! 早く食べたい! という気持ちが先行して、よだれをぬぐっていることもあります。

これから活動をはじめようとしている

散歩や遊び、寝起きなど、「さぁ活動をはじめるぞ!」というときに鼻先をペロリと舐める犬も多いです。これは嗅覚でさまざまな情報を得る犬ならではの習性です。

とくに寝起きの場合は寝ている間に鼻が乾いてしまいますので、舐めることで活動に備え、嗅覚を研ぎ澄まそうとしているのです。

カーミングシグナル

鼻をなめるプードル
カーミングシグナルとは、動物のボディランゲージのこと。鼻をペロリと舐める理由には犬の気持ちが現れていることがあります。

気持ちを落ち着かせようとしている

犬は、自分や相手の気持ちを落ち着かせようとして自分の鼻を舐めることがあります。

たとえば、動物病院に連れて行ったとき、緊張のあまり犬がそわそわしていることはありませんか。「何をされるかわからない、怖い」という自分の気持ちを落ち着かせるために、鼻をぺろりと舐めるのです。また、シャンプーが苦手な犬は、シャンプーのにおいがしただけでも、鼻をぺろりと舐めることがあります。

また、自分だけでなく、相手を落ち着かせるために舐めていることもあります。怒っている飼い主や吠えてくる犬に対して、自分の鼻を舐めて見せるのです。飼い主は、「怒っているのに、ばかにしているの?」と感じるかもしれませんが、これは飼い主に対しての「落ち着いてよ」というメッセージなのです。

攻撃の意志がないことを相手に伝えている

舌を出しながら吠えたり噛んだりするような行為はできません。ですから、舌を出すことは攻撃をする意志がないことを相手に伝えるためだとも言われています。ドッグランなどで知り合いの犬に会った際、口を開けてしっぽを振り、自分の鼻を舐めているのは「敵意がないよ」と相手の犬に伝えるためです。

鼻水をぬぐいたい

手をなめるビーグル
生理現象として鼻の中に刺激があると、犬でも鼻水が出てくるときがあります。また、水を飲んだときに鼻に水が入ったり、ほこりを吸い込んだりしたときにも鼻水が出ます。そういう鼻水をぬぐおうと、自分の鼻を舐めていることがあります。

ただし、鼻水を垂らす量が多いときは注意が必要。アレルギーや歯周病などの原因となっている場合があります。放っておかず、動物病院に相談するのがいいでしょう。

ストレスや興奮により鼻水が一時的にでる

カーミングシグナルの一つとして、ストレスや緊張を感じたときに鼻水を出す場合があります。

人間は汗腺から汗を流しますが、犬は体温調節を舌や肉球で行うため、体から汗を流すことはありません。しかし人間が緊張すると冷や汗を流すのと同じで、犬も緊張すると血液量が増え、粘液量は増加します。それが鼻水として大量に出てきてしまうというわけです。

自分の鼻をベロベロと舐めているときは、ストレスや緊張を感じているのかもしれません。様子を観察し、ストレスの原因をできる限り取り除いてあげましょう。

アレルギーや感染症で鼻水が出る

人と同じでアレルギーやウイルス・細菌などの感染症にかかり、鼻水を出していることがあります。犬は垂れてくる鼻水が気になって、鼻を舐めるのです。

また、犬特有の伝染病も存在するため、いつもよりくしゃみを続けていたり、色のついた鼻水がでたりしている時は病院に連れて行きましょう。どろっとした黄色い鼻水は鼻炎や副鼻腔炎にかかっている場合があります。

もしアレルギー症状で鼻水が出ている場合は、部屋に空気清浄機を設置し、散歩から戻ったときにブラッシングや体拭きタオルで花粉などの原因を取り除いてから室内に入れるなど対策をしてあげましょう。

急な温度変化によるもの

季節によっては外気と室内に温度差が生じることがあります。そんな日は、犬が散歩から帰った際、気温の変化を突然感じて鼻水やくしゃみを起こすことがあります。とくに冬の寒い地域に住んでいる犬に症状が出やすいそうです。

出てくる鼻水はさらさらで透明なことが多いです。色のついた鼻水が出る、大量に出てなかなか止まらないなどの場合は。病院で相談してみるといいでしょう。

もし犬のハウスが夜間寒い場所や風が吹き込む場所にある場合は、寒さ対策をしっかりとしてあげましょう。

歯周病から歯や鼻に不快感がある

歯周病により歯痛や鼻腔炎の症状がある場合も、口元や鼻を舐めるケースがあります。

もし犬が歯や口の中を気にするそぶりを見せ、鼻づまり・色のついた鼻水・鼻血などの症状が出ている場合は注意が必要です。動物病院で相談をしてみましょう。

歯周病は中年から高齢の犬によくみられる症状です。歯石が付着して歯周病になるので、若い頃から口腔ケアはしっかりとしておきましょう。

まとめ

シャワーを浴びる犬
いかがでしたか。

鼻を舐めることは、犬にとっての準備運動のようなものだったり、気持ちを落ち着かせるための行動だったりすることをお伝えしました。飼い主が叱っているときに犬が自分の鼻を舐めたら、「落ち着いて」というメッセージ。愛犬が鼻をペロリとしたら、今のは「何の意味だったかな」と想像してみるのも楽しいのではないでしょうか。

ただし、鼻水が大量に出ているとなると、具合が悪くて舐めていることもあります。よく観察して、いつもよりも鼻を舐めている回数が多かったり、鼻水に色がついていたりする場合は、動物病院に相談してみましょう。
 執筆者プロフィール
フリーランスの編集者・ライター
教育や動物、地域情報などを中心に取材・執筆を行う
保健所から引き取った愛犬「ソルト」が大好き

サイトURL:https://yukidog-office.com/index.html
Twitter URL:https://twitter.com/yukie_iy

犬のブリーダーについて

魅力たっぷりの犬をあなたも迎えてみませんか? 

おすすめは、ブリーダーとお客様を直接つなぐマッチングサイトです。国内最大のブリーダーズサイト「みんなのブリーダー」なら、優良ブリーダーから健康的な子犬を迎えることができます。

いつでもどこでも自分のペースで探せるのがインターネットの魅力。「みんなのブリーダー」では写真や動画、地域などさまざまな条件で理想の犬を探せるほか、多数の成約者の口コミが揃っています。気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

※みんなのブリーダーに移動します