【犬の病気】ブルセラ症が疑われる症状に関しての獣医師さんへの相談内容

ブルセラ症が疑われる症状に関しての獣医師さんへの相談内容をご紹介します。
※グループサイト『だいじょうぶ?マイペット』からの提供記事になります。

相談内容:ブルセラ症

飼い主からの相談

相談者:岡山県 sachiさん
ブルセラ症について詳しく教えていただけないでしょうか。
レンタル犬がブルセラ症という病気に集団感染しているというニュースを聞き、質問があり投稿いたしました。
犬の症状などについて3つ
1.イヌブルセラ症の症状は流産、精巣炎や胎盤炎だそうですが、避妊や去勢している犬はどのような症状がでるのでしょうか?潜伏しているだけということもあるのでしょうか?
2.イヌブルセラ症に感染すると治りにくいと報道されていましたが、万が一気づかない場合や抗生物質が効かない場合、上記以外の症状はあらわれるのでしょうか?
3.治りにくいと報道されていましたが、何%ぐらいが完治するのでしょうか?自然に治っていると書いてあったサイトもありましたが、治療をおこなわなくても治る確率はどのくらいなのでしょうか?
感染経路について(犬→犬 感染する場合は確立なども教えてください。)
4.主な感染経路は交尾だと伺いましたが、感染犬の尿などでも感染するとも伺いました。マーキングなどの少量でも感染する可能性はあるのでしょうか?
埃の中で6週間、土や水の中で10週間生存すると書いてありましたが、マーキングの際、植物や電柱に尿がかかると思います。その尿で感染するのでしょうか?乾いている場合なども感染するのでしょうか?
5.小水がコンクリートに流れたとき、(人間は)濡れていたらまず踏まないと思いますが、濡れている状態で犬がビチャビチャと歩いたりした場合、感染する可能性はあるのでしょうか?
6.便で感染することはあるのでしょうか?
専門外かもしれませんが・・・
7.犬から人間へ感染する経路は、流産時のほかにも尿などからでも感染すると伺いましたが、感染した犬を飼っている場合、尿、便などはどのようにすればよいのでしょうか?
水中でも10週間も生存するものをトイレに流すのも、ゴミとして出すのも危険なような気がするのですが、実際にはどのように処理されているのでしょうか?
いくつもあり申し訳ございませんが、不安ばかりが残る病気なので教えて頂けないでしょうか。
よろしくお願いいたします。

井上 平太先生(井上動物病院 動物取扱業登録第56-104号)からの回答

1 
 一般的にほとんどの場合に無症状です。潜在的にはかなりの感染犬が飼育されております。動物園展示動物での感染例もございました。
 オスの場合には無精子症による不妊・精巣炎・精巣上体炎など
 メスの場合には妊娠末期での流産・死産・胎盤炎など
 雌雄ともに潜伏しているだけの割合が一番多いと思われます。
2
 犬がブルセラに感染しても上記以外には判り易い症状が発現しにくいのが実情です。
3
 何%という治癒率の易学的調査は結果が出ておりません。
 治療しなければ通常は何年も菌を排出し続けます。
 感染確立は研究されておりません。病気の性質上これからもおそらくはっきりさせる事は難しいでしょう。
 抗生剤の投与を数ヶ月にわたって行わないと治癒致しませんが、それでも再発する事が間々ございます。
去勢や避妊も治療の一環として勧められます。
 飼育環境によっては飼育の継続を断念すべき場合もございます。
4
 ご質問の内容の全てで感染の可能性がございます。しかし、もともと非常に感染しにくい菌なので可能性がありえるとしか申せません。最大の感染は交尾と輸血だと思います。
 今後の調査を待たなければいけませんが、疫学的調査を行うととんでもない数の感染犬が報告される事になるかもしれません。
5
 ありえます。犬は足をなめてその口で外陰部もなめますし人の口もなめますし・・・
6
 流産時の汚物・血液・尿・精液・乳汁など全ての体液で可能性がございます。便での感染の可能性は低いです。もちろん便中には非常に低いですが感染犬の血液が混入している可能性があるわけですので完全否定はできません。
7
 管内の保健所の指示に従ってください。そもそも感染が発覚した場合には速やかに獣医師の指示に従って頂かなくてはいけません。人の感染の場合には医師の指示に従ってください。
最後に
 犬のブルセラ(ブルセラ・カニス)は非常に感染力が弱く、人でも犬でも重篤な症状はまれです。決してパニックを起こしてはいけません。
 通常の生活で人が感染する可能性は非常に低いと言えます。
 しかし、繁殖従事者や獣医師などは生殖器や胎盤などとの接触の比率が高いので注意が必要です。
 今まであまりにも、ないがしろにされていた病気ですので、これから新事実が発覚する事もあろうかと思います。今述べてきた事は現在での事実のみです。

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相談内容:犬のブルセラ症に関して

飼い主からの相談

相談者:三重県 plaliceさん
こんにちは。お世話になります。
大阪府ブルセラ病感染犬等救援本部が設置された件について
質問させていただきます。
今回、ブルセラ症に感染した犬達約120匹あまりが殺処分されると
会議で決まったとのことですが、
ブルセラ症に感染した犬達は、本当に今後飼育が不可能なのでしょうか。
これ以上の感染の拡大を恐れての殺処分、とのことですが
治療、感染に関して、いろいろな意見があるようで、よくわかりません。
先生方は、全頭殺処分の必要性があるとお考えでしょうか。
治療をすれば、感染の可能性はかなり低くなる、との意見がありますが
それでもムリなのでしょうか。
なんとか全頭治療をしながら今後も飼育続けていくには
どうしたらよいでしょうか。

是松 壮一郎先生(アイ動物病院)からの回答

こんにちは、plaliceさん
今回の大阪のブルセラ症への大量感染が見つかってしまった事例ですが、獣医師にも、一般の方にもそれぞれの思いもあると思いますし、行政で問題に対処されている方々もいろんなケースを想定しての決断であったのだと思います。
ご存知のように、ブルセラ症は人畜共通伝染病であり、また、ブルセラ属に属する細菌によって人への感染の可能性があります。特に羊、山羊に感染するブルセラ属菌(Brucella melitensis)は人への病原性も強いとされます。一方、犬のブルセラ属菌(Brucella canis)は人への病原性は低いと言われるものの、海外では感染例が報告されています。
>>治療をすれば、感染の可能性はかなり低くなる、との意見がありますが
>>それでもムリなのでしょうか。
ブルセラ属菌は細胞内寄生性といって、動物の身体の細胞の中で増殖するため、抗生物質等で、症状の緩和は可能ですが、それでもブルセラ属菌の完全な殺滅はきわめて難しいです。
今回のように、120頭の感染犬を、感染の危険をおかして治療しながら飼育すること、里親にそれらの負担と責任を持ってもらうこと、感染犬が里親の元で、更なる感染を広げるリスクをおかすこと、これらを総合的に行政が判断しての苦渋の決断と、わたしは受け取りました。
外界との接触を一切断った状態で、120頭もの感染犬を保護、飼育出来る施設が自分たちにあれば……そう思います。
わたしとしてもこの場で、できるだけ多くの獣医師の意見が聞けるといいと思います。

北森 隆士先生(北森ペット病院)からの回答

法律論から言えば、家畜はブルセラ確認で、直ちに
廃棄ですが、犬は、そのようになっていないのでは
ないかと思います(間違っていたら、他の先生訂正
してください)。
治療に関しては、犬では、完治させずらいというのが
実情のようです。
>治療をすれば、感染の可能性はかなり低くなる、との意見がありますがそれでもムリなのでしょうか。
治療をして、オスは去勢をすれば、ある程度は
感染の可能性は低くなると思いますが、その
感染率の低下を数値化できるかどうかが問題なのです。
問題は、公衆衛生上のことですから・・・・。
>なんとか全頭治療をしながら今後も飼育続けていくには
>どうしたらよいでしょうか。
少なくとも、そんなに簡単にヒトに感染するもの
ではなさそうですから、(だからこそ愛護団体が
保護できるのでしょうが)、もっとも合理的な解
決法は、獣医細菌学・・医学者でも良いのですが、
の研究の徒が、無駄死にさせないために、最新の
治療法を研究するために飼育することだと思います。
全てはむりかもしれませんが、1頭でも
という使命感のある研究者が現れることを
期待しています。
(無論、法律論がそれを許すならという前提です)

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相談内容:妊娠しない

飼い主からの相談

相談者:大阪府 コウジさん
2歳になる柴犬の雌がいてます。
これは、何度かけても妊娠しないからと、ブリーダーさんより譲り受けたものです。
でも、どうしても、この子に子供を産ませてあげたいのですが、何か方法はないのでしょうか?
ブリーダーさんが何度かけてもかからないと言うことは
排卵日を読み間違えているだけとは考えられないものでしょうか?
本当に妊娠しないのかどうか、調べる検査方法とかはないのでしょうか?
毎日一緒にいてますと、どうしても諦めることが出来ません、どうぞよろしくお願いいたします

伊東 彰仁先生(イトウペットクリニック)からの回答

ちゃんと発情がきて、出血も見られているのでしたら、まず初めにブルセラ症の検査を受けるべきです。これは放置すれば、人間にも感染して、ケースによれば脊髄の病気に発展することもありますから。犬にはほとんどの場合が不妊症症状しか見られません。
同時に排卵しているか確認するため、発情が始まったら膣垢(スメア)検査を開始するといいと思います。
発情がはっきりしなかったり、なかったりする場合、ホルモン検査を行うか、人工的に発情を来させるのも方法の一つです。

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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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