できれば叱りたくない! 飼い主さんができること

叱る前に
基本的に猫は単独行動する動物。人間のように相手を気遣うようなことがないので、行動をコントロールするのはなかなか難しいものです。「きちんとしつけないと!」と躍起になると飼い主さん自身も疲れてしまうので、ある程度は許容する考えも必要です。どうしてもされたら困ることだけに絞ってしつけをしていきましょう。

基本の考え方
まず、イタズラされる前に対策を打っておきましょう。普段から猫の行動を観察すると、どんな場面でイタズラするか猫の行動パターンが見えてきますよね。イタズラされて困るものは猫の手の届かないところにしまっておくなど、事前に対処して叱る回数を減らしましょう。

ただし、爪とぎやマーキングは猫の本能的な行動なので止めさせることはできません。無理にやめさせると猫がストレスをためてしまいます。猫専用の爪とぎ器を与える、傷つけられて困る壁やソファにはシートやカバーをかける、爪とぎ防止スプレーをかけておくなど傷つけられないような環境づくりをしましょう。

猫に伝わる、上手な叱り方のポイント

1.叱るときの言葉を決める

大目に見てあげたいとは言っても、されて困ることをされたらきちんと猫を叱ることも必要です。叱るときのポイントはいかに猫がわかりやすいように伝えるかになります。

猫は人間の言葉がまったく理解できないわけではありません。動物の知性の指標とも言われる「脳化指数」は、犬が1.2、猫が1.0で大差ありません。犬は人の言葉を80種類くらい覚えられると言われているので、猫も同じくらい覚えることは可能なのかもしれませんね。

しかし、猫の基本心理はとてもシンプル。「安全か危険か」を軸に生きているので複雑なニュアンスはわかりません。まず、毎回違う言葉で叱るのではなく、叱るときに使う言葉を統一するようにしましょう。たとえば、毎回悪いことをしたときの言葉を「コラ!」と決めれば、猫は「コラ!」と言われたら「これは悪いことなんだ」とわかるようになります。

2.怒鳴らない

猫は大きな声が苦手です。怒鳴られると飼い主さんが苦手な存在になるので、猫に避けられるようになってしまいます。猫に嫌われないためにも、激しい口調では叱らないようにしましょう。

3.毎回同じトーンで叱る

猫は言葉を理解できるとは言っても、あくまでも「音声」として認識しているに過ぎないので、たとえば、諭すようにやさしく言う「コラ!」と、怖い雰囲気で言う「コラ!」は同じ言葉だと認識することができません。あくまでも声の大きさ、声の調子は変えず、同じスタンスで叱るようにしましょう。

4.叱るシーンも一貫性を持つ

猫が同じイタズラをしているにもかかわらず「前回は叱ったのに今回は叱らない」など叱り方に一貫性がないと、猫は混乱してしまいます。「ダメなことはダメ」だというスタンスを崩さないでください。

5.叱るタイミングを逃さない

叱るタイミングは、イタズラをした直後がベストです。時間が経ってから叱ったとしても、なぜ叱られているか猫にはまったくわかってもらえないので効果がないのです。

6.猫の名前は呼ばないこと

叱るときに「コラ!〇〇〇(猫の名前)!」など、猫の名前を呼ぶのはご法度です。名前を一緒に呼んでしまうと、名前を呼ばれることそのものを、猫が「叱られること」だと誤解することがあるためです。

猫のしつけには「天罰」が効く

一般的に、猫は自由気ままなのでなにかを覚えさせるのは難しいと言われています。叱り方次第では、猫から嫌われたり、怖がられたりすることも……。そこで、叱る以外におすすめしたいしつけ方法が「天罰を与える」方法です。猫のしつけに有効と言われています。

「天罰」とは言っても、実際に罰を与えるのは飼い主さんです。ここで重要なのは、くれぐれも飼い主さんが罰を与えていると猫に悟られないようにすることです。たとえば、猫がイタズラしているときに、うしろから猫が嫌いな水をかけて驚かせます。このように、「よくわからないけど、その行動をすると嫌なことが起こる」と学習させて、猫がイタズラしないように仕向けていくのです。

天罰には次のような方法があります。
・霧吹きや水鉄砲を使って猫に水をかける(猫は水が嫌い)
・「パン」と手を叩くなど、大きな音を出す(猫は大きな音が苦手)

絶対にやってはいけないこと

叩く、怒鳴る、押さえつける、狭い場所に閉じ込める……などの行為は猫に苦痛や恐怖を与えるだけで逆効果です。それどころか、恐怖や驚きから飼い主さんに不信感を持ってしまいます。猫との信頼関係が崩れる原因にもなるので絶対に止めましょう。

まとめ

ともに暮らすパートナーですから、猫とは仲よく暮らしたいですよね。むやみやたらに叱ることは、猫が理解できないだけでなく猫との信頼関係を崩す一因にもなります。叱る場合は、猫が理解しやすいよう一貫した態度でしつけをしていきましょう。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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