保護猫(犬)のトライアルとは

トライアルとは里親募集されている保護猫(犬)との相性を見るために、2週間~1ヵ月ほど一緒に暮らしてみる期間のことを言います。

トライアル期間中に、保護猫(犬)と家族、先住ペットとの相性を確かめ、この猫(犬)と一緒に暮らしていけるのか判断します。また里親応募側だけでなく、保護主や団体の方が、この人(家族)に任せて大丈夫なのかを見極める期間でもあるのです。

また、トライアルは中断可能ですが、環境に慣れるまで最低でも2週間はかかると言われています。その子らしさを見るためにも、トライアルはなるべく中断せずに、様子を見ることをおすすめします。

トライアル終了後、双方の認識が合致すれば書類を交わし正式譲渡、反対に合致しなかった場合は、保護猫(犬)は保護主さん宅やシェルターに帰ります。

トライアルまでの流れ

トライアルまでの流れはどの団体でもほとんど同じです。
  1. 気になった猫や犬に問い合わせ、または里親応募
    ※簡単なアンケートの記入や審査などがある場合があります。

  2. 保護主や保護団体とのやり取り

  3. (お見合い)
    ※トライアル前に、里親希望者が、応募した猫や犬と実際に会って触れ合ってみることを言います。場所は保護主さん宅やシェルター、里親希望者の家などさまざまです。

  4. トライアル開始
    飼育環境が整っているかなど条件が合えばトライアル開始となります。

我が家の保護猫トライアル体験記

現在、わたくし筆者宅では保護猫を1ヵ月トライアル中!(2019.11.9~12.7)
家に保護猫ちゃんが来て、約2週間が経ちました。トライアルにあたって準備したものや猫の様子をご紹介します。

我が家の状況

まず、我が家の状況をご紹介します。
家族構成私、夫
先住猫ましろ 5歳 メス
住まい賃貸 ペット可

先住猫ましろの性格は少々、臆病で慎重派。ごはん、おやつのとき以外はあまり甘えてこない猫らしい性格です。

トライアルに申し込んだ猫

1歳 メス(避妊済) 
外で餌やりさんからごはんをもらって生活していた子。出産をきっかけに保護され、子猫たちはすべて譲渡済。

トライアルにあたって用意したもの

トライアルをするにあたって用意したものはこちら
  • ケージ(3段のもの)
  • トイレ
  • 餌皿
  • ケージに取り付けられる給水器
  • ケージに取り付けられる爪とぎ
  • 猫ベッド(ダンボール)

今回は指定がなかったので用意していませんが、保護主さんから猫砂やごはんの指定があれば、それを用意しておきましょう。

【トライアル1日目】 不安でいっぱい

ついに我が家に猫ちゃんがやってきました。名前はスノーホワイトちゃん(以下すっち
保護主さんから性格や様子についてお話を聞いて、リビングに設置したケージへ。

人馴れしていないと聞いてましたが、初対面にも関わらず某人気ペーストおやつを私の手から食べてくれました!
初日の触れ合いはそれくらいして、かまわずそっとしておくことに。
↑初日で緊張している様子のすっち

ましろ(先住猫)はケージに近寄らず。

最初は部屋を分けたりケージに目隠しをしたりするのがセオリーですが、我が家はどちらも行いませんでした。猫の性格によるので、この辺は臨機応変に対応しましょう!

【トライアル2~3日目】 ましろが気になる

すっちは相変わらずベッドから出てきませんが、どうやらましろが気になるようで、姿を見つけると目で追い、鳴いて話しかけるように。ちなみに人間に対しては「無」です。

そんなすっちに対してましろは無反応……。
↑ましろを見ているすっち

すっちのにおいや存在に良いイメージを関連付けるために、2日目の朝からごはんをすっちのケージに近い場所であげることにしました。最初はケージから1mほどの距離から始めて、徐々に近づけていきます。

3日目の夜には、ケージを挟んですぐのところでも食べられるようになりました。
↑3日目の夜ごはんの距離

※この方法を試す場合は、猫のペースに合わせておこないましょう。最初はドア越しや目隠しを設置するなど相手の姿が見えないところから始めて、目隠しの撤去、距離を少しずつ近づけていく、と段階を踏んで試してください。

必ず1匹をケージに入れたり2匹の間にペットゲートなど柵を設置したりして行いましょう!
最終的にケージやゲートがなくても、気にせずごはんを食べられる状態を目指します。

一緒にごはんを食べられるものの、食べ終わるとましろはシャーっと威嚇。

【トライアル4~5日目】 ケージ開放

試しに部屋を限定してすっちを開放してみることに。けんかも起きず、思っていたより大丈夫そうです。

ごはんはケージの外で。20cmほどの距離でも食べれるようになりました。ごはんは当分、この距離を保ってあげることにします。
ましろは食事以外のとき、すっちが近寄ろうとすると唸って「これ以上近づくな」と警告してました。
↑一緒にごはんを食べる様子(向かって左下・ましろ、上・すっち)

夜はそのまますっちをリビングに放して寝てみることに。

【トライアル6日目】 初めてのあいさつ

特に問題なく朝を迎えました。そのため、すっちをケージに入れるのをやめて、リビングでフリーですごしてもらうことに。

朝、リビングの扉を開けるとましろとすっちーが鉢合わせ! ごはんの時間でテンションが高かったのか、ましろから鼻チューしにいきました。
へっぴり腰ながらもすっちがそれに応じて、初めてのあいさつ完了!

あいさつはしたものの、壁際など追い詰められた場所にいるときにすっちが近づくと、ましろは唸ります。
↑2匹の心の距離?約1.5m(上・ましろ、下・すっち)

【トライアル7日目】 初めてのお留守番

2匹で初めてのお留守番です。すっちはフリーのままにしました。

帰宅するといつも通りましろがお出迎え。
すっちの様子も変わりなかったので、2匹で上手にお留守番してくれたみたいです。

そして夜ごはんのあと驚きの光景が! なんと2匹が追いかけっこを始めたのです! 前日までまったくそんな素振りがなかったので、最初見たときは、ましろがいじめている!?と身構えてしまいました。

【トライアル8~9日目】追いかけっこが日課

遊ぶようになってからましろが威嚇する回数は急激に減り、ごはんやおやつを取られそうになったら怒る程度に。

ましろがすっちにちょっかいを出したり、すっちが物陰に隠れてましろを驚かしたりと、片方がやられっぱなしにならないバランスを保っています。寝る前の追いかけっこが日課のようになりました。
↑2匹の心の距離② だいぶ縮まりました。(上・ましろ、お家の中・すっち)

【トライアル10日目~現在】 威嚇が0に

完全にリラックスとはいきませんが、すっちがいることになれてきた様子。威嚇はしなくなりました。
すっちはまだましろに対して遠慮気味ですが、「ぷるる!」と鳴いてましろを追いかけたり、ちょんちょんと触って遊びに誘ってみたりと、だんだんすっちらしさが垣間見えるようになってきました。
ましろと遊ぶのが楽しいのか、ちょっかいを出す回数は増加中です。

ちなみにすっちはましろに威嚇したり唸ったりは一度もしていません

すっちの人馴れ具合ですが、まだ少し怖いみたいです。ごはんの催促のときは足にすりすりしてくれますが、触ろうとすると逃げます。もふもふできるようになるまで、もう少し時間がかかりそうです。
↑2匹でごはん待ち(上・ましろ、下・すっち)

トライアル中に意識したこと

ましろに対して気を付けたこと

  1. 何事も一番(最優先)
  2. 逃げ場を作る
  3. 飼い主を独占できる時間を確保

上記に関しては2週間たった今でも気を付けています。正式譲渡となった場合も続けるでしょう。「縄張りも飼い主も盗られた!」とましろが思わないように、文字通り「猫可愛がり」しています。

すっちに対して気を付けたこと

  1. すっちのペースに合わせる
  2. かまわない
  3. ケージの中にいるときに嫌なことをしない
  4. 隠れられる隙間をふさぐ(ケージから出すとき)
  5. 近寄ってきたときは動かない


家に慣れてきた現在、すっちに対して行っているのは1と2のみです。声掛けはしますが、基本的にすっちにはかまわないようにしています。

「一緒に遊んで仲良し作戦」も決行しましたが、おもちゃを人が持っているとわかると怖がって遊ばないのです……。「そのネズミがぶら下がってる棒で私に何する気なの!?」という目で見られます。悲しい。

トライアルの結果は……!?

↑寝室にて、私の上で一緒に寝る2匹(上・すっち、下・ましろ)
トライアルは1カ月の予定でしたが、3週間目に連絡をして正式にうちの子になってもらいました!

トライアルから正式譲渡までの流れは以下の通りです。
  1. トライアル初日、誓約書を記入
    誓約書には次のようなことが盛り込まれていました。
    ・譲受する猫の数と性別
    ・終生飼育、完全室内飼いをすること
    ・毎年のワクチン接種
    ・もしやむを得ない状況で猫を手放さなければいけない場合は保護団体に連絡すること
    ・譲渡人の許可なく猫を他人に譲渡しないこと
    ・定期的に写真付きで近況報告をすること
    内容に問題なければ、氏名、住所、連絡先、勤務先などを記入し、押印します。

  2. トライアル
    トライアル中は週1回程度、写真付きで、すっちの様子を伝えていました。

  3. 保護主さんに正式にうちの子として迎えたいことを連絡

  4. 保護主さんに譲渡に関する書類を郵送してもらう
    届いた書類:①初日に書いた誓約書のコピー
          ②ワクチン証明書
          ③猫エイズ猫白血病の検査結果
          ④譲渡にかかる費用の金額と振込先

  5. 指定口座へ振り込み、正式譲渡

決め手

すっちをうちの子として迎えることにした決め手は、やはり先住猫であるましろとの相性です。威嚇の有無はもちろん、けんかはしないか、ストレスで体調を崩さないかなどを観察し、慎重に判断しました。その結果、2匹とも大きなけんかもなく、体調も問題なかったので引き取りを決定!

今回、トライアルがうまくいったのはすっちのおかげだと思っています。外で暮らしていたからなのか、すっちはましろとの距離の取り方がとても上手でした。威嚇されたら姿勢を低くして退散し、慎重にましろとの距離を縮めていました。ぐいぐい来られるのが苦手なましろには、すっちの控えめな態度が合っていたようです。

まとめ

↑ご機嫌すっち
正式に譲渡していただくことができて、安心しました。2匹は追いかけっこしたり、当たらない猫パンチを繰り出しあってみたりと仲良くやっています。ちなみ名前は「澄(すみ)」にしました。変わらずすっちと呼んでいます。この記事が多頭飼いや保護猫を検討している方の参考になれば幸いです。
 執筆者プロフィール
元ペットショップ店員。2匹の白猫と暮らしています。ペットのフードやおやつを試食するのが好きです。

ハグーについて

ハグー」は、なんらかの事情から飼えなくなってしまったペットや飼い主がいない動物と、里親になりたい人をつなぐ里親マッチングサイトです。
ハグー」では、犬や猫、小動物など、さまざまなペットの里親募集情報が寄せられています。
新たにペットの飼育や購入をお考え方は、ぜひ「ハグー」で里親になるという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

※ハグーに移動します