犬の骨折の種類

一言で骨折と言っても、骨の折れ方にはさまざまなケースがあります。

・きれいにポキッと折れる
・粉砕されたように骨が壊れる
・折れた骨が内臓や血管に刺さる
・折れた骨が体の外に出ている


骨折は単純に骨が折れるだけではなく、体のほかの部分に影響を及ぼすことも。折れた骨の具合によって、体に現れる症状も異なります。

犬の骨折が疑われるときの症状

骨が折れただけなら動きに異常が見られたり、折れた部位を痛がって吠えたりします。

折れた骨が内臓を傷つけた場合はひどい出血をする可能性があり、傷ついた臓器によっては全身の機能に異常が現れるでしょう。また、脊椎を骨折した場合は麻痺や痙攣など神経症状が現れ、尾が折れたときは排便機能に異常が出ることもあります。

愛犬に、あまり動かなくなった・動きがおかしい・なでられるのを嫌がるといった様子がみられる場合、思い当たることはありませんか? すみやかに動物病院に行きましょう。

折れた部分以外にも影響がある?

犬は体の不調を伝えることができないので、飼い主がふだんと違った様子がないか観察することが重要です。骨折が疑われる場合で、以下のような症状が出ている際は注意が必要してください。

・跳ねるように歩く
・3本の足だけを使って歩く
・激しい痛み
・発熱
・腫れる
・出血する
・体の麻痺やけいれん、失神
・失禁や排便トラブル

骨折の治療法と費用は?

犬の新陳代謝はとても活発で、骨が折れたら自分で治そうとする自然治癒力が働きます。

しかし、自然治癒に任せていると、「骨がずれた状態で癒着して曲がってしまう」「内臓を傷付ける状態で固着する」など、骨が不完全な再生をする場合もあります。

正しい形で治癒するように、治療や補助をしてあげることが大切です。

犬の骨折の治療法

治療は次のいずれかの方法をとりますが、必ず動物病院で行ってもらってください。

・添え木などを添えて、ギブスや包帯で固定する
・折れた骨をボルトやプレートなどでつなぎ合わせて固定する


基本的に治療は「体の外で固定する」か「体の中で固定する」か、どちらかの方法をとります。体の中で骨を固定したり、骨をつなぎ合わせたりする場合は入院し、麻酔をして手術することになります。

骨のつなぎ方はいろいろな方法があり、骨折した箇所、犬の年齢や体力、持病の有り無しなどによって異なります。獣医師と相談して愛犬にベストな治療方針を決めましょう。

治療内容や病院によって異なる費用

動物病院の治療費は、人間の医療のように決まっていません。費用は治療内容や病院によって大きく異なります。

獣医師の診療料金は、独占禁止法により、獣医師団体(獣医師会等)が基準料金を決めたり、獣医師同士が協定して料金を設定したりすることが禁じられています。つまり、現行法のもとでは獣医師は各自が料金を設定し、競争できる体制を維持しなければならないことになっております。

出典:引用元:日本獣医師会
このため動物病院に直接確認するのが費用を知る確かな方法です。治療方法にもよりますが、目安としてはおよそ10~30万円、手術をして入院した場合は50万円を超えるケースもあります。

日ごろから愛犬用に貯金をしたり、ペット保険などへ加入したり、何かあったときのための準備をしておいたほうがいいでしょう。

骨折の原因と予防策

「転倒」「落下」「交通事故」が骨折の主な原因です。

小型犬の場合は、ソファや椅子、階段などから飛び降りた着地の衝撃でも骨折することがあります。また、フローリングで滑ってしまって体勢が崩れたときも骨折の危険があります。

交通事故はもちろん、人や自転車への接触でも骨折する可能性がありますし、遊びや競技の訓練で疲労骨折するといったケースもあります。

骨折の予防策

・椅子やソファに登らせない
・階段に柵を設ける
・フローリングを滑らないように加工する
・散歩中にリードは離さない
・栄養バランスのよい食事をする
・過度な運動は避ける


以上のような予防策で、わんちゃんの落下や転倒を防いであげてください。また、骨を強くするためにバランスのよい食事も必須です。ペットフードの表示をよく見て、栄養に偏りのない食事を続けましょう。

まとめ

日本では室内飼いの小型犬が増えています。部屋の中の飼養環境を整え、栄養バランスの取れた食事をとることで骨折のリスクは低減します。日々の気遣いで骨折を予防し、もし骨折した時や異変に気付いたときはすぐに動物病院に行って適切な処置を受けるようにしましょう。
 執筆者プロフィール
ドッグシッター/小動物看護士です。二人の娘に振り回されながら、記事を書いています。ミシンで子供達の服や布雑貨を作るのが趣味。ダルメシアンを多頭飼いするのが夢です。
 監修者プロフィール
獣医師・トリマー・ドッグトレーナー / ペットスペース&アニマルクリニックまりも病院長
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています。

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