犬が抱っこをせがむ理由は?

座っていたら膝に飛び乗ってきたり、外出前に足元にしがみついてきたり、犬が抱っこをせがんでくるシチュエーションはさまざまです。
そもそも、犬が飼い主に抱っこを求めてくることには、どんな理由があるのでしょうか?

飼い主に甘えているから

大好きな飼い主にくっついて、安心感を得たいときの行動です。
「お留守番から帰ったとき、一目散に飛びついてきた」、「クーンクーンと鳴きながら訴えてきた」。そんなときは、飼い主に対する甘えの気持ちを表しているのかも知れません。

歩きたくないから

「もう疲れて歩きたくない……」、「今は散歩したい気分じゃない!」。そんなワガママな気持ちから、抱っこをせがんでくることもあります。
体重がある犬の場合は、抱っこして歩く方も一苦労ですね。

寒いから

暖かい飼い主さんの腕の中で、ぬくぬく暖を取りたいときの行動です。
特にチワワトイプードルなどの小型犬は、あまり寒さに強くありません。犬がぶるぶると身体を震わせるようであれば、服を着せたり室温を上げたりして様子を見ましょう。

抱っこのあとにいいことがあると学習しているから

おとなしく抱っこされれば、犬にとっていいことがあると思い込んでの行動です。
「散歩やお出かけに行く前に犬を抱っこする」といった習慣がある場合は、これに当てはまるかも知れません。
外出の準備をしている飼い主を見て、あわてて抱っこをせがんでくるときは、「一緒に連れっていって!」という気持ちの表れです。

犬が抱っこを嫌がる理由は?

抱っこをせがむ犬とは反対に、抱っこを嫌がる犬もいます。愛犬がクンクン鳴いていたり、震えていたり噛んだりするときは、抱っこを嫌がっているサインです。
そこには一体どんな理由があるのでしょうか?

抱っこに慣れていないから

月齢が低い子犬や捨て犬など、人から抱っこされることに慣れていない犬の場合、居心地が悪く、抱っこを嫌がることがあります。
人に抱っこされると、犬の視点はいつもよりも高くなります。特に体の小さな子犬は、慣れない視点に恐怖を感じることもあるようです。

抱っこの仕方が下手だから

単純に飼い主の抱っこの仕方が犬にとって不愉快なパターンです。ぎゅっと力を入れて抱きしめたり、犬にとって不自然な体勢で抱き上げたりすると、犬が居心地の悪さを感じてしまいます。

抱っこのあとに嫌なことがあったから

「飼い主に抱っこされて楽しいお出かけかと思ったら……なんと行き先は病院だった!」、「抱っこのとき、誤って犬を落としてしまった……」など、犬のなかで「抱っこ=嫌なことをされる」といった構図が成り立ってしまっているパターンです。
犬は学習能力が高い動物のため、飼い主の雰囲気や行動を敏感に察知し、また同じことが繰り返されると思い込んでしまうのです。

犬に抱っこは必要?

「かわいい愛犬と触れ合いたいから」、「緊急時などは犬を抱いて移動するから」など、犬を抱っこする理由は大きく2つに分かれます。そもそも犬に抱っこは必要なものなのでしょうか?

「犬を甘やかすことを目的とした抱っこ」は、基本的に必要ありません。
犬とのコミュニケーションやスキンシップとして抱き上げる人もいますが、座っているときに膝の上に乗せたり、そばにおいてなでてあげたりすれば十分です。
抱き癖が付いてしまうのは、犬にとっても飼い主にとってもあまりいいことではありません。特に犬にせがまれてする抱っこは「甘やかし」につながります。

その一方で、犬を飼っていると抱っこして移動しなければいけない場面に遭遇することがあります。ペット同伴可のお店であっても、犬は抱っこかキャリーでの入店が義務付けられているケースも多いものです。
また、犬がケガをして歩けないときや、人混みの中での移動や災害時などで犬を歩かせられないときもあります。
もしものときのためにも、抱っこを慣れさせておく必要があるでしょう。

正しい抱っこの方法は?

犬を横抱きする人や縦抱きする人、はたまたおんぶする人(!)がいますが、正しい抱っこ方法はどれなのでしょうか?

犬の体に負担をかけないのは、犬の体を横にする抱き方です。
まず愛犬の脇の下からおなかに片方の腕をくぐらせて、もう片手で下半身を支えつつ、体に密着させます。そのまま力を入れすぎずにそっと優しく抱き上げましょう。
お尻が安定しないと犬も居心地が悪くなり、抱っこに恐怖を感じてしまうこともあります。なるべく自分の体に近づけて、犬を安心させるように抱っこしましょう。

子どもを抱くように犬を縦にして抱っこする人がいますが、これは犬の体に負担をかけてしまいます。腰やお尻に体重がかかり、安定感もよくありません。
また、前足2本だけを持ち、犬の体が伸びるように抱っこするのは、絶対にNGです。腰周りが伸びてしまうと、体を痛める原因になります。
ダックスフンドペキニーズなどの椎間板ヘルニアになりやすい犬は、特に注意してください。

人間と同じく、犬も地面から体が離れると不安を感じるもの。また、そもそも人に触られることが苦手な犬は、抱っこ自体にストレスを感じてしまいます。
前提として、子犬のうちから人に触られることに慣れさせておくことが大切です。

犬の抱っこに便利なグッズは?

犬を抱っこするときにおすすめなのが、犬用のだっこ紐です。これを使うと両手が空くので、公共交通機関での移動時や通院のときにも便利です。

犬用の抱っこ紐には、ショルダーバッグタイプ(スリングタイプ)とリュックタイプがあります。
ショルダーバッグタイプ(スリングタイプ)は、飼い主の肩に斜め掛けをして、体の前側にくる袋の部分に犬を入れて使います。
前抱きの形になるため、犬の様子を常に見ることができます。また、互いの体を密着させられるので、抱っこされている犬も安心です。
短時間の移動やお買い物時には便利ですが、犬の頭が外に出てしまう形になるため、公共交通機関での移動時には使えません。

リュックタイプは、背負えるキャリーバッグのような感覚で使えるグッズです。ちょっと体重がある犬の場合でも、飼い主の足腰に負担なく背負うことができます。
また、犬の体をすっぽり覆うようなフタ付きのタイプであれば、公共交通機関での移動時にも問題なく使用できます。
ただし、リュックタイプはショルダーやスリングのように小さく畳めないため、保管の際にがさばるのが気になる方もいるかも知れません。

飼い主にとっては便利な抱っこ紐ですが、形状によっては犬の体に負担がかかるものがあります。使用時の体勢に無理がないか、サイズは問題ないか、購入前に必ずチェックしましょう。

まとめ

以上、犬が抱っこをせがむ理由と、嫌がらずに抱っこする方法でした。
いざというときのために、子犬の頃から正しい方法で抱っこを慣れさせておくことは大切です。
また、抱っこ好きな犬でも、むやみに抱きすぎるのはNGです。愛犬とは適度な距離を保ってコミュニケーションをとってくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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