猫はなぜビニール袋が好きなの?

ビニールに乗る猫
そもそも猫はどうしてビニール袋に夢中になってしまうのか、気になるところですよね。どうやら猫の本能と関連性があるようです。

狭いところに入るのが好き

猫はビニール袋のような狭い場所に入り込み、身を落ち着けることを好みます。これは野生で暮らしていたころの名残で、外敵から身を守るために茂みのような狭い場所に隠れていたことに由来する行動です。ビニール袋の他に、紙袋やダンボールの中に入り込む猫も多いですが、これも猫の本能なのです。

カシャカシャなるのが好き

ビニール袋を擦るとカシャカシャ、ガサガサ音がしますよね。このような音は、たまらなく猫の興味を引くものです。夢中になってビニールと格闘したり、舐めたりするのは、まさにビニール袋をおもちゃにして遊んでいるのです。

フワフワと形が変わるところが狩猟本能をくすぐる

柔らかく自由自在に形を変えるビニール袋。その生き物のような動きに、狩猟本能がくすぐられるのでは……という説もあります。袋の中に入ったり、じゃれついたりすることでフワフワ形が変わることが、刺激的でおもしろいと感じるのでしょうか。

注意したいケース~こんな理由でビニール袋に執着していることもある~

ビニールで遊ぶ猫
「ビニール袋を好むのは猫の本能」と説明しました。しかし、状況によって、猫がビニールで遊ぶのはストレス行動の表れと見なされるケースもあります。
以下のようなポイントに当てはまっていないか、注意してみましょう。

飼い主の気を引くきっかけを求めている

寂しがりやで甘えん坊な性格の猫は、飼い主さんに構ってほしくてわざとビニール袋で遊んでいることがあります。その姿に飼い主さんが反応すると、「ビニール袋で遊ぶ=構ってもらえる」の図式が猫の中で成り立ってしまい、袋へ執着してしまうケースがあるのです。
違うおもちゃを使って一緒に遊ぶ時間を増やし、日頃からまめにコミュニケーションを取るなど、猫の意識がビニール袋にいかないようにする必要があるでしょう。

ストレスや体調不良から異食行動をしてしまうこともある

引っ越しや模様替え、同居猫との折り合いが悪い、飼い主とのコミュニケーションが足りていない……そんなことが積み重なることでストレスが溜まり、ビニール袋を舐めたり、かじったり、食べてしまったりする猫もいます。ストレスだけでなく、おなかの中に寄生虫がいる、消化器系に問題が生じている、栄養が足りていないといった理由でも食べられない物を口に入れ、結果的に異食行動につながっていくこともあります。そのような場合はストレスの原因を解明し、対策を講じる必要があります。

猫をビニール袋で遊ばせるのは危険!

寝転がる猫
ビニール袋の中に入ったり、じゃれついたりして遊ぶ猫の姿は可愛いもの。しかし、ビニール袋による思わぬ事故やトラブルの可能性も指摘されています。

絡まったり飲み込んだりするトラブルが多発している

私たち人間にとっては何てことのない物であっても、体の小さな猫にとっては脅威になることがあります。非常に便利なビニール袋ですが、柔らかく破れやすい(食いちぎりやすい)、絡まりやすいという危険性も。思わぬ事故を防ぐためには、猫の目線に立って考えることが大切です。

トラブル①ビニール袋の持ち手などが絡まって窒息してしまう

大人しく袋の中に入っているだけであればさほど心配ありませんが、猫がじゃれついて遊んでいるようなときは要注意。興奮して遊びに熱中するあまり、ビニール袋の持ち手が首に絡まり、窒息してしまう恐ろしいケースも報告されています。

トラブル②ビニール袋が取れなくなってパニックに陥り、ケガしてしまう

猫がビニール袋に入ったり、頭から被って遊んだりしているうちに、袋が取れなくなってしまうケースです。パニックを起こして暴れるようなことになれば、首が締まってしまったり、そのまま周囲の家具などにぶつかってケガをしたりする危険性があります。

ビニール袋の一部をかじって食べてしまう

猫がビニール袋をかじるのは、異食行動の一つとして考えられています。まれにビニール袋の欠片や、丸まって小さくなった袋を飲み込んでしまうと、胃の中に残って胃炎を起こしたり、小腸で詰まって「腸閉塞」になってしまったりするケースもあります。

飲み込んだビニールが少量であれば、排便とともに自然に出てくることもあるため、排泄物を観察してみましょう。ただし、猫が急に吐いた、元気がなくなった、食欲が不振になったといった症状が見られるときには、動物病院に行くことをおすすめします。

猫をビニール袋のトラブルから守る方法

紙袋の中の猫
猫にとってのビニール袋とは、ほどよいおもちゃになることがあります。しかし、先ほども説明したとおり、猫の身を危険にさらす脅威にもなり得るものなのです。
思いがけないトラブルから猫を守るために、以下のようなポイントを必ずチェックしましょう。

ビニール袋で遊ばせるときは目を離さないようにする

飼い主さんが目の前で見守れる状況であれば、ビニール袋で遊ばせることはとくに悪いことではありません(ただし、齧って飲み込まないよう注意は必要)。
遊びはじめたら、そのまま目を離さないでおきましょう。もし体に引っかかって暴れるようなことがあれば、すかさず救助します。

ビニール袋を隠す、嫌な臭いをつける

思わぬトラブルを防ぐためには、そもそも猫の目の届くところにビニール袋を放置しないことが一番です。猫が欲しがる場合でも、家事や仕事中で飼い主さんが見守ることが出来ない状況であれば、ビニール袋は猫から遠ざけておくのが無難です。

猫が遊びの最中にビニールを噛んでしまうような場合は、やめさせる必要があります。ビニール袋への執着が強い場合は、猫が嫌がる臭いのするスプレーを振りかけておく方法もあるので、一度試してみるといいでしょう。

ビニール袋を段ボールや紙袋で代用する

猫はビニール袋と同様に、段ボールや紙袋も大好き。中に入って遊ぶことを好む猫に対しては、体に絡まったり窒息したりする危険性の低いもので代用するのがおすすめです。

とはいえ、段ボールや紙袋にも誤飲の危険性はあります。遊んでいるうちに、段ボールや紙袋の紙片をやはり齧って飲み込んでしまうケースも。遊んだり爪とぎをしたりしてボロボロになった段ボールや紙袋は誤飲の危険が高いため、新しいものと交換しましょう。

猫が気に入って離さないようであれば、ボロボロになった部分をビニールテープで補強して使う方法をおすすめします。

まとめ

トンネルのおもちゃに入る猫
以上、猫がビニール袋を好む理由と、意外な危険性について解説しました。
ちょっと遊ばせるためのおもちゃとしては、安価で手軽に手に入るビニール袋はとても魅力的。中に猫が入った状態の“見た目の可愛らしさ”もありますよね。しかし、ビニール遊びには少なからずリスクがあることを理解しておきましょう。
安全に猫を遊ばせたいとお考えの方は、ぜひ記事で紹介したような紙袋や段ボールでの代用も試してみてくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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