預かりボランティアになる条件

ケージの中のビーグル
預かりボランティアにも条件があります。
募集ページを見てみると、里親条件と同じくらい項目がずらりと並び、同じくらい厳しそうなイメージを抱きます。実際はどうなのでしょうか。
団体によって違いはありますが、多くの団体が共通して求める条件を、里親条件と比較しながらまとめます。
  • ペット飼育可の住宅に住んでいる。室内飼いができる。(里親も同じです)
  • 面談、自宅の環境調査に応じられる。(里親も同じです)
  • 家族全員が保護犬・猫に理解がある。ボランティア活動に賛同している。(里親も家族全員の同意が必要です)
  • 犬・猫の飼育経験がある。(里親は飼育経験がなくても応募できます)
  • 脱走防止対策の徹底(里親も同じです)
  • 預かりっ子の写真や動画を、日々の様子とともに団体へ報告、ブログなどのSNSへもアップする(里親も、トライアル中はまめな報告が必要で、譲渡後も定期的な報告を求める団体も多くあります)

他にも、「譲渡会などのイベントに参加できる」などがあります。
里親条件と大きく違う点が一点、預かりボランティアは単身暮らしでもOKとしているところが多いです。

預かる期間や費用

犬用グッズ

期間

預かる期間は、ざっくりとわけると「長期」と「短期」があり、どちらか希望がある場合は団体へ伝えます。
長期は基本、里親さんが決まるまでの期間をいい、短期は数泊から1カ月くらいとさまざまです。

かかる費用

ケージやクレート、リードなど、基本の飼養グッズは、預かりさんが持っている前提で話が進んでいくことが多いので、ないものがあれば団体に相談してください。
自腹での購入が必要な場合もありますが、団体所有のものを借りられることもあります。

医療費については、団体負担としているところが多いです。
預かりさんが立て替えで支払い、あとから団体へ請求するという仕組みです。
受診前、治療前には必ず相談しましょう。

フードやトイレシート、シャンプーなど消耗品は、預かりさん負担としているところがほとんどです。
詳細についてやわからないことは面談の際に必ず確認しておきましょう。

預かりボランティアに聞く10の質問

犬の手と人の手
預かりボランティアの仕事の魅力、やりがいなどについて、ペットライフ編集部からの質問に筆者がお答えする形でお伝えします。

質問者:ペットライフ編集部
回答者:同記事ライター ボランティア歴7年
Q1、どうして預かりボランティアをしようと思ったの?
 それまでは引き出し*、譲渡会や啓蒙イベントの企画など、預かり以外のボランティアを、保護団体側のスタッフとして行っていました。
本格的に預かりを始めたのは、愛犬が亡くなってからです。
次の子を迎える気持ちには到底なれませんでしたが、飼育グッズも、時間もありましたし、犬にふれながら幸せのお手伝いをしてみようと考えました。


*引き出しとは…保健所や動物愛護センターに収容された犬・猫を、手続きを行い施設から出すこと

Q2、犬の名前はどうしているの?
A 預かりボランティアが決めています。
犬を保護し、預かりさん宅へ届けるまでに、たくさんのスタッフがかかわる場合がありますが、それでも、私が所属している団体では、預かりさんに敬意を表し、預かりさんに名付け親になってもらっています。

Q3、預かり期間のしつけはボランティアさんそれぞれに任されているの?
A 預かり歴の長い方、経験豊富な方はそうなります。団体も信頼していますから。預かりをするのが初めての方にお願いする場合や、やや難しそうな子を抱えた場合などは、みんなで一緒に考えます。

Q4、預かる子はどんな子が多いの? どの子を預かるか選べるの?
A 基本的に、どの子をどこの預かりさんへ預けるか、団体がマッチングを行うところが多いと思います。選べませんが、相談は可能で、無理だと思ったときに断ることはできます。

Q5、保護犬は育てにくくないの?
A 育てにくいと思ったことはありません。そもそも「育てる」という感覚はないからかもしれません。
雨風しのげるあたたかいお家と、ご飯とお散歩と安心を提供してあげようとだけ考えています。

Q6、医療費、餌代などの経費は全て自腹?
A 私が所属している団体では、フードやトイレシートなど、日々の消耗品は自腹です。医療費は団体に請求できます。団体は、支援者からの寄付金で賄っています。

Q7、預かりボランティアの家の居心地が良すぎて、譲渡先になじめないなんてことはあるの?
A それはないと思います。譲渡先になじめないことがあっても、それは別の理由で、譲渡前のトライアル期間でわかることだと思います。

Q8、どんなところが大変?
A 私の預かり経験は多くなく、扱いやすいいい子ばかりに恵まれてきたのもあり、大変だと思ったことは一度もないです。

Q9、どういうところにやりがいを感じるの?
A 愛犬と面影重なるかわいい子たちのお世話ができ、幸せになるのを見届けられるところです。

Q10、新しい飼い主さんのもとへ送り出すときってどんな気持ち?
A 大切な娘を嫁にだす、息子を婿にだす、実家の母の気持ちです。

預かりっ子のトライアルと正式譲渡

なでられる犬
預かりさんや団体が発信する里親募集ページを見た希望者からの問い合わせは、団体へ入ります。
保護団体は希望者さんとのやりとりを繰り返し、候補者を決め、預かりさんに相談をします。

預かりっ子についてのさまざまな決定権は所有権を持つ団体にあるのですが、それでも、ほとんどの団体が、当犬の性格や状態を一番把握している、預かりさんの希望を汲んでくれると、経験上感じています。

候補者が決まれば、環境調査とお見合いです。
距離的に可能であれば、団体スタッフ同行の元、預かりさん本人が環境調査を行い、トライアル開始日に連れて行くことも可能です。

トライアル中は、次の新しい子を預かるのはNGとしている団体が多いのですが、これは、トライアル中止になり戻ってくる可能性がなきにしもあらずだからです。

めでたく正式譲渡となりますと、次の子がやってきます。

まとめ

散歩中のプードル
預かりボランティアは、行政施設に登録をするか、どこかの団体に所属して初めて、活動ができます。
そこでまずは、どこに所属するか考えることになると思いますが、団体の活動や方針を支持できるところ、共感でき、信頼できるところに所属することをおすすめします。

私は、過去に支援をしていた団体で保護活動をしています。
もし、支援している団体がボランティアスタッフを募っていたら、ぜひ、問い合わせをしてみてください。
 執筆者プロフィール
No dog No life

特に牧羊犬が大好きです。
一番の関心事は「シニアわんことの暮らし」。
「人と動物の共生」「ワンヘルス」にも関心があり勉強中です。

動物愛護フェスティバル実行委員。
某県の災害時動物救護ボランティアチームに所属。
某県の動物愛護センターの登録ボランティア(おうちに帰れなかった犬たちの保護と譲渡のお手伝い)もしています。

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