猫は留守番が得意? それとも苦手?

猫は留守番が得意な生きものです。野性で生活していた時代から単独行動で、1匹で過ごすことに抵抗がありません。「犬は人につき、猫は家につく」ということわざがあるように、猫はなわばりから出ることを嫌うため、いろいろな場所に出かけるよりも留守番しているほうがストレスが少ないようです。
また、猫の睡眠時間は1日平均で14時間以上。ほとんど寝て過ごしているので、1日家を空けたくらいでは、「しばらく飼い主見てないな」程度にしか思わないでしょう。

そのような理由から、2日間程度なら連れて出かけたりペットホテルに預けたりするよりも、慣れた家で留守番させたほうが猫のストレスが少ないようです。

ただし、生後3カ月未満の子猫の場合は別。まだ生活リズムが安定しておらず体調を崩しやすいため、長時間にわたる留守番は危険です。安心して留守番させられるようになるのは生後5~6カ月だと言われています。仕事などで頻繁に家を空ける人が猫を飼う場合、生後5~6カ月以降の子猫や、成猫を迎えると比較的安心して留守番してもらえます。

猫に留守番させるときの注意点

十分な食事と水の用意

食事はいつもの容器に十分に入れておきましょう。変質を防ぐため水分量の多いフードは避け、ドライフードのみを与えてください。
自動給餌器(オートフィーダー)を使うのも便利です。タイマーをセットしておくと、決められた時間に決められた量を排出してくれるもので、仕事の時間が不規則だったり、留守にする時間が長かったりする家庭で重宝されています。愛猫が置き餌だと食べ過ぎの心配がある場合などは、導入を検討してみてもいいのではないでしょうか。
電池式のものが多いので、留守中の電池切れには気を付けてくださいね。

水も自動給水器があると、いつでも新鮮な水を飲めるので安心です。自動給水器がなければ、水を何カ所かに分けて置いておきましょう。万が一、ひっくり返してしまうことも考えて、少なくとも3カ所以上には置いておきたいですね。

予備トイレの用意

猫はきれい好きで、トイレが汚れていると使うのを嫌がることがあります。トイレ以外の場所で用を足してしまったり、排泄を我慢して膀胱炎などの病気になったりすることも。
出かける前はトイレを掃除し、できれば砂も交換しておきましょう。トイレの数は「飼っている猫の数+1」が適切と言われていますが、家が広い場合や留守番の機会が多い場合、「飼っている猫の数+2」でもいいかもしれませんね。

システムトイレを導入するのもいいでしょう。システムトイレは猫がおしっこをしたら猫砂やチップを透過し、トイレの下に敷かれたマットが吸収するというものです。においが少なく、おしっこの処理は週に1回程度でいいので、忙しい家庭や留守の多い家庭におすすめです。

温度の管理

防犯の都合上、家を空けるときはドアや窓を閉め切って戸締りすることになるでしょう。室温の管理には気を配ってください。

猫は寒暖差を感じるセンサーが弱く、自分で気付かないうちに脱水症状や熱中症を起こす可能性があります。電気代は気になるかもしれませんが、夏はエアコンをつけっぱなしにして出かけましょう。最近のエアコンは温度の変化がなければ運転を抑えるので、思っているより電気代はかからないかもしれませんよ。26~28℃に設定し、遮光カーテンや凍らせたペットボトルなどのグッズを併用するといいですね。

冬は毛布やベッドなどを用意しておけばいいでしょう。ただし、ヒーターや電気カーペットはコードを噛むイタズラや低温やけどの危険性があるので、気を付けてください。

猫が安全に留守番できるか、部屋をチェック

部屋が複数あり、猫が自由に部屋を出入りしている場合は、猫がひとつの部屋に閉じ込められることがないよう、ドアストッパーをつけておきます。また、入られたくない部屋には鍵をかけるなどの対策をしてください。

猫が出入りする部屋は、猫が誤飲しそうなものやイタズラしそうなものはあらかじめ片づけ、危険なものがないか再度チェックしてください。棚の上には猫に落とされて困るものは置かず、ゴミ箱はあさられる心配があるので、フタつきが望ましいです。

2日以上外出する場合は

2日以上家を留守にする場合は、人の手を借りましょう。猫は家から離れることにストレスを感じることが多いので、できれば預けるのではなく、家に来て世話をしてもらうことをおすすめします。状況や予算に応じて友人知人やペットシッターに依頼してください。

誰にも依頼できないときのために、ペットホテルも事前に調べておいたほうがいいでしょう。事前に連絡すれば、設備を見学させてくれるホテルもあるようです。

最近増加する猫の「分離不安」って?

愛着のある人や場所から離れるときに不安を感じることを、「分離不安」といいます。人間でも幼児期はよくあることですが、これまでは犬に対してよく使われる言葉でした。
リーダーに従って集団生活を行う犬は、リーダーたる飼い主と離れるとストレスを感じ、吠えたりものを壊したりといった問題行動を起こすことがあります。ひどくなると「分離不安障害」といって、体調不良や自傷行為につながることも。

単独行動する猫の場合、これまで分離不安は関係ないものと思われていました。しかし、完全室内飼いが増えて飼い主以外と接する機会が少なくなり、子猫のころから構われ過ぎた結果、分離不安を感じる猫が増えているそうです。猫の分離不安を予防・改善するためには、猫を構いすぎないこと、短時間の外出を繰り返して慣らすこと、外出前後に声をかけないことなどが挙げられます。相性があるので一概には言えませんが、多頭飼いするのも効果があるようです。

まとめ

猫は1~2日程度であれば、問題なく留守番ができます。猫を飼っているからという理由で外泊ができないわけではありません。猫に単独で家で留守番させるのは2日程度にし、飼い主は猫が安全に快適に留守番ができるよう環境を整えておきましょう。

帰宅したら、さみしい思いをさせた分、思い切り猫をかわいがってくださいね。「2日ぶりに会ったのにそっけない!」などということもあるかもしれませんが、猫だって内心は喜んでいる……はず!
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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