猫がフードを食べない理由はさまざま

猫は急にフードを食べなくなってしまうことが多々あります。
たいていはそのとき食べる気分ではなかったり、あとで食べようと思って口をつけなかったりといった問題のない場合がほとんど。もともと猫は一度にフードを平らげることが少なく、好きなときに好きな量だけ食べるいわゆる「ムラ食い」をするので、放っておいても大丈夫なことが多いです。

しかし、なかには体調を崩すまで一切食べないというような頑固な猫もいるため、注意が必要。また、見向きもしないとき、食べる量が目に見えて減っているときは何か理由があるかもしれません。

いつもと違う! フードを変えたから食べない

「いつもと違う高くておいしいエサにしてあげよう!」という飼い主の気持ちは、残念ながら猫に届かないときがあります。

猫は危険な食べものを避けるため、慣れて安心できるもの以外をなかなか口にしません。特に、生後6カ月までの間に食べたもの以外を警戒しがちです。飼い主にとってはおいしそうなフードでも、猫にとってはそうではない可能性があります。

このような理由で猫がフードを食べなくなったときは、手にとって猫の口に持っていって食べさせてみましょう。慣れない食べものを警戒しますが、飼い主の手からだと食べる場合があります。それでも食べないときは、いつもあげているフードに新しいフードを少量混ぜて、少しずつ量を増やしていってください。

また、好奇心旺盛で警戒心が薄い子猫の時期にさまざまな食べものをあげていると、どんなエサにも対応しやすい猫に育ちます。生後6カ月くらいから猫の好き嫌いが始まると言われているので、それまでにたくさんの味や食感に慣らしましょう。

この味好きじゃないんだけど!

猫は食べものにうるさいと言われていて、味や食感にこだわりを持つことが多いようです。
フードが皿にいっぱいなのに、飼い主にエサをねだりに来るようなら、好き嫌いが原因で食べない可能性が高いです。

子猫のうちにいろいろな味や触感に慣らすのが大切ですが、それでも好き嫌いがある猫もいるでしょう。ご機嫌を取り過ぎるのもよくありませんが、食べさせる工夫はしたいものです。猫の好みを把握し、それを考慮しつつフードを食べさせましょう。

魚は猫の好物だと思われていますが、実際には肉のほうが食いつきがいいようです。魚系のフードを食べない場合は肉系のフードを与えてみてください。
食わず嫌いの場合もあるので、飼い主がいくつか手で口に運んであげると、「意外においしい」と気づいてくれることもあります。

いつも同じフードで飽きちゃった!

いつも同じフードをあげていると、猫も飽きて食べなくなることがあります。その場合は変化をつけてみましょう。

匂いの強いウェットフードを少量フードに載せたり、猫用のスープなどをかけたりすると、味や匂いが変わって食べることがあります。フードを温めたり、お湯で少しふやかしてみるのもいいでしょう。

一度食べなくなったフードでも、今後絶対に食べないというわけではありません。猫が飽きないように、何種類かフードを用意して、ローテーションにするといいかもしれませんね。

猫の食べものは匂いが重要なので、なるべく密閉容器で保存して香りが飛ばないようにしてください。密閉容器に猫用のジャーキーやにぼしなどを一緒に入れておくと、匂いが移っていつものフードが特別なフードになります。猫がフードを食べないときに試してみてはいかがでしょう。

おうち以外で刺激物を食べた可能性

人の食べものやゴミを口に入れると、初めて感じる刺激に戸惑って、しばらく何も口に入れなくなってしまうことがあります。猫は口の中の刺激に敏感なので、「次もまた刺激のあるものだったら嫌だな」と警戒しているのです。この場合はしばらくたって猫の口の中が落ち着くとまた食べるようになります。

しかし、猫が嘔吐してぐったりしたり、けいれんやふらつきなどの症状があるときは、中毒を起こしている可能性も。様子を見て、おかしいと感じたら動物病院に相談してください。
外で生活する猫に多いので、飼い猫を外に出している人は特に注意しましょう。

24時間以上食べないときは病院へ!

猫の食欲不振はだいたいが半日程度で終わり、その後は普通に食べるようになります。猫の食欲不振で病院に連れて行く目安は、「24時間まったくエサを口にしない」だと考えてください。

口内にトラブルがある、誤飲しておなかが苦しい、高齢で食欲が落ちたなど、さまざまな可能性があります。水も飲めていなければ、脱水の危険もあるでしょう。なにか重大な病気が原因となっている場合もあるので、猫が食べなくなったときは「いつものこと」と思わずに、まずはよく様子を観察することが重要です。発熱や嘔吐があるときはすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

食べないのに脂肪肝!?

猫の肝臓の疾患に、脂肪肝(肝リピドーシス)というものがあります。文字通り肝臓に脂肪がたまって機能に支障がある状態で、原因はさまざまですが、そのなかのひとつに「絶食」があります。

エサを食べないことでエネルギーが不足すると、猫の体は蓄えてある体脂肪を分解してエネルギー源にします。分解された大量の体脂肪は肝臓で分解され、その結果、脂肪肝になってしまうことがあります。
やせた猫の場合はそう心配することはありませんが、肥満の猫の絶食は気を付けてください。肝臓は問題が起きてもなかなか症状に現れない臓器ですが、早ければ絶食1日で異常をきたすことがあります。猫にダイエットさせる場合でも、飼い主判断で安易に絶食はさせないようにしましょう。
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まとめ

猫は変化を嫌う動物で、フードではなく皿を替えたことで食べなくなった場合もあるそうです。だからといって、フードに飽きたという理由でも猫は食べなくなることが……。わがままなところは猫の魅力でもあります。ある程度は仕方ないと諦めて、猫のために努力することを楽しんでください。

誤飲や中毒、病気などが原因で食欲不振になっている場合もあるので、フードを食べないときは念のため様子を見て、動物病院に相談できる体制は整えておきましょう。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。
 監修者プロフィール
獣医師・トリマー・ドッグトレーナー / ペットスペース&アニマルクリニックまりも病院長
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています。

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