ラグドールの歴史

ラグドールは1963年にアメリカで誕生しました。カリフォルニアに住むブリーダーのアン・ベイカーが、ペルシャバーマン、その子猫にバーミーズを交配させて生まれたのがラグドールです。

抱き上げるとぬいぐるみのようにだらんと脱力すること、抱かれたままおとなしくしていることから、英語で「ぬいぐるみ」を意味する「ラグドール」という猫種名がつきました。

アン・ベイカーは猫の血統管理機関にラグドールを登録せず、独自の組織を作りました。そこに属するブリーダー以外には「ラグドール」の名を使わせないという、フランチャイズ契約のようなことをおこなったのです。
結局は厳格なブリーディング規則に嫌気が差したブリーダーたちが組織を離れ、ラグドールは1970年代に猫の血統管理団体に登録されました。

日本でも人気が高く、透き通ったブルーの瞳とシルクのように滑らかなさわり心地のとりこになる人も少なくありません。

ラグドールの特徴

ラグドールの成長速度はほかの猫種に比べやや遅め。成猫になるまでに、3~4年の時間を要します。
大きな体は骨格がしっかりしていて筋肉質です。体重はオスで5~7kg、メスで4~6kgくらいが一般的。オスの場合、10kgを超えるほど大きくなることもあります。

ラグドールはおとなしい猫の代表と言っても過言ではありません。名前の通り抱っこしても嫌がらず、甘えん坊な性格が多いようです。なにかを追いかけたり走りまわったりということに興味を示さず、鳴き声も小さいので集合住宅でも飼いやすいでしょう。

また、ラグドールは懐の深い猫といわれています。小さな子どもにも寛容で、手荒に扱われても滅多に噛みついたり引っかいたりしません。ほかのペットとも仲よく暮らしていけるおおらかさを持っています。

ラグドールの毛色

さまざまな毛色を持つラグドールですが、実は生まれたばかりの子猫はみんな真っ白。数日で耳やしっぽが色づき始め、数カ月かけてだんだんと全身に毛色が出てきます。
毛色が完全に出るまでは約2年かかるといわれ、この変化の過程もラグドールを飼う楽しみのひとつです。

ラグドールの毛色は主に「カラーポイント」「ミテッド」「バイカラー」の3つに分類されます。

カラーポイント

ベースの色は薄く、顔、足、しっぽなどの末端部分に濃い色が入るのがカラーポイントです。
ブラウン系は「シールポイント」、グレー系は「ブルーポイント」、オレンジ系は「レッドポイント」と呼ばれます。

ミテッド

ミテッドはカラーポイントから派生したタイプで、顔や手足以外におなかまわりにも色がついています。手足の先が白く、まるで靴下を履いているようにみえるのが特徴です。

バイカラー

バイカラーはカラーポイントやミテッドとは逆に、顔の中心が白く、額から両頬にかけてハの字に色が入ります。いわゆる「ハチワレ」と呼ばれている柄ですね。
鼻筋が通り端整な顔立ちで、日本では一番人気があります。

ラグドールの注意すべき病気

肥大性心筋症

ラグドールは遺伝性疾患の少ない猫種ですが、肥大性心筋症の発症は比較的多いようです。

肥大性心筋症は、心臓の筋肉が厚くなることで心室が狭くなり、体に十分な血液を送れなくなる病気で、ペルシャやメインクーン、ラグドールなど大型で長毛種の猫に多くみられます。どの年齢でも発症する可能性はありますが、生後6カ月~4歳のオスが発症しやすいようです。

呼吸が荒い、口呼吸をする、片方あるいは両方の足が突然使えなくなったなどの症状があれば、すぐに病院へ連れて行きましょう。ただし、このような症状が出た時点で、かなり病状が進行している可能性があります。

この病気は遺伝性のため、残念ながら予防はできず、完治する治療法もありません。定期的な検査を受けて早期発見し、病気が進行しないよう努めるしかないのです。

尿結石

ラグドールに限ったことではありませんが、猫に多い尿結石や毛球症にも気を付けたいですね。

尿結石は腎臓、尿管、膀胱、尿道に結晶や結石ができる病気です。メスよりもオスのほうがかかりやすく、肥満の猫にもよくみられます。

症状は頻尿、血尿、尿量の減少などがあり、トイレでうずくまっていたり、オシッコをするときに痛くて鳴いたりするのも病気のサイン。軽度であれば薬で結石を溶かして治療できますが、場合によっては手術が必要なこともあります。異常を感じたら早めに病院に連れて行きましょう。

予防のためには、太らないよう適度に運動させたり、水をたくさん飲ませたりする工夫が必要です。

毛球症は普段の毛繕いで飲み込んでしまう毛玉が上手く排出されず、体内に溜まってしまう病気です。

ラグドールは長毛種なので特に注意しなくてはなりません。毎日ブラッシングをしてあげることで、飲み込む毛量はかなり減らせます。また、毛玉の排出を促すフードを選んであげるといいでしょう。
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ラグドールの飼い方

ラグドールの魅力はなんといっても手触りのよいフワフワの被毛ですね。美しい毛並みを維持し、毛球症を防ぐため、毎日のブラッシングは欠かせません。
スキンシップが大好きな猫なので、ブラッシングも喜んで受け入れてくれるでしょう。シャンプーは月1回程度してあげると滑らかな毛並みを保てますよ。

食事は先述の毛玉対策フードと合わせ、筋肉質な体をつくるために高たんぱくのフードを与えましょう。ラグドールは食欲旺盛でたくさん食べてくれますが、運動量が少なく太りやすいので、あげすぎには注意してください。

ラグドールの値段

ラグドールは人気の猫種で国内のブリーダーも多く、手に入りやすい猫です。ブリーダーから直接購入する場合、20万円前後が相場とされています。

まとめ

まさに愛玩猫といった風貌と気質。おとなしくて優しい性格のラグドールなら、初めて猫を飼う方でも手を焼くことはないでしょう。シルクのような手触りの毛並みは、ずっとなでていたくなるほど魅力的ですよ。
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 執筆者プロフィール
“人と関わる仕事”、“愛犬・猫家”、“自称二流料理家”、“Mrchildren大好き”と、色々勝手に掲げてやっております。“フリーライター”として文章の勉強も兼ねて皆様にわかりやすく楽しい文章を提供できればと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

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