子犬をシャンプーする方法

≪子犬のシャンプー・10のポイント≫

・シャンプーを始めるタイミングは、新しい家の環境に慣れ、体調が安定したら
・頻度は月1~2回くらい
・お風呂場やシャワーなどにまずは慣れさせる
・シャンプー前にはブラッシングを
・適温は36~37度くらい
・シャワーを使う際には、子犬がびっくりしないように注意(特に、顔まわり)
・体を濡らす、シャンプーをつける順番:体→顔
・体を流す順番:顔→体
・ドライヤーは体から30cmほど離して、毛の根元から風を当てる
・流し残し、乾かし残しのないように

上記のポイントを、それぞれ詳しく説明していきます。

子犬をシャンプーするのはいつから?

愛犬の皮膚を清潔に保つために行うシャンプー。子犬を迎えたときには、いつからはじめていけばよいのでしょうか?

シャンプーをはじめる時期は、新しい家の環境に慣れ、体調が安定したときがいいでしょう。生後2カ月ころに受けるワクチン接種日から、大体1~2週間後がひとつの目安です。頻度は月1~2回くらいで、犬の毛質によって回数は異なります。

子犬をシャンプーする際に気をつけたいこと

まだ幼い子犬は、人間社会の環境に慣れていないため、音や環境の変化に敏感です。シャンプーの前段階で体を濡らすとき、シャワーのしぶきに驚いたり水圧に恐怖を感じたりしてしまうケースもあります。

いったん恐怖心を覚えてしまうと、シャンプーを行うどころかお風呂場に近づくことさえ嫌になってしまうかもしれません。特に、神経質な性格の子犬は、不慣れなことをされるだけで心身ともに疲れやすく、ストレスを抱えがちです。

ですので、子犬のシャンプーは段階的に慣らしていくことがとても大切です。まずは、お風呂場で愛犬を遊ばせ、環境に慣れさせましょう。段々と環境に慣れはじめた様子なら、その後はシャワー・お湯・ドライヤーと、何日間か時間をかけて段階的に進めていきます。

シャンプーを行う6つの手順

では、子犬にシャンプーをする方法について、手順を追いながらご紹介していきましょう。

1.シャンプー前の準備

シャンプー前には、ブラッシングを行いましょう。毛のもつれや毛玉をほぐし、事前に汚れを落としておくとシャンプーがしやすくなります。毛玉を残したままシャンプーすると、シャンプー後に毛玉が固まってほぐれにくくなってしまいます。

また、シャンプーの際は、愛犬の耳にシャンプー液がに入らないように十分に注意しましょう。

シャンプー液やタオルなど、シャンプーに必要な用品は事前に手元へ用意します。
子犬の心理的な負担を考え、できるだけスピーディにシャンプーを終わらせるためには、ささいな準備も有効的なものです。

2.愛犬の体を濡らす

シャワーの適温は36~37度くらい。冷たく感じる冬季には、若干高めの温度にします。愛犬にかける前に、お湯加減は自分の手でしっかり確認しておきましょう。シャワーをする際は、音や水圧を怖がる犬もいるので、できるだけ怖がらせないように配慮を。

★体を濡らすとき、シャンプー液をつける順番は「体が先」★
犬にとって、顔まわりは敏感な部分。犬が負担に感じる時間をできるだけ短くすることは、上手にシャンプーするポイントです。
体を濡らす際、顔まわりは最後にして、お尻や足元など頭から遠い箇所よりスタートしていきましょう。

顔まわりを濡らす際、お湯を含ませたガーゼやスポンジを使うと穏やかに濡らすことができます。シャワーを直接使う場合は、子犬がびっくりしないように配慮しましょう。耳・鼻・口などにお湯が入らないように、うしろからそっとかけていきます。

3.シャンプー液をつけ、洗っていく

シャンプー液を体につける順番やポイントは、体を濡らすときと同様です。子犬の皮膚は刺激に弱いため、シャンプー液は子犬用を薄めて使います(あらかじめ、商品の説明書きを確認してください)。

スポンジやネットを使い、シャンプー液を泡立てたら、背中・足元など犬が嫌がりにくい部分から洗いはじめます。洗い方のポイントは、毛をもまず、爪を立てずに優しくなでるように。指の腹でマッサージをしていくような感じです。手足・お尻・尻尾は、汚れの多い部分なのでしっかり洗いましょう。肉球の間も忘れずに。

★耳や顔まわりを洗うポイント★
耳は、外側のみを洗います。耳の中までは、洗う必要がありません。耳の穴にお湯やシャンプー液が入らないよう、気を付けましょう。

また、顔まわりは、手やスポンジを使って優しく洗いましょう。もし、目にシャンプーが入ってしまったときは、すぐに洗い流します。

4.シャンプーを洗い流す

シャンプーを洗い流す際、体を濡らす・シャンプー液をつける順番とは反対の手順で進めていきます。

最初は、顔まわりから。シャンプー液をつける際と同様にして、敏感な顔まわりはやさしく洗い流しましょう。スポンジにお湯を含ませて洗い流してもOKです。シャワーを使う場合、シャワーヘッドは犬の体に密着させて使います。離して使うと、シャワーの音が大きくなったり、お湯が飛び散ったりして犬が驚いてしまいます。

洗い流す際には、シャンプーのぬるぬる感が残らなくなるまでしっかりと行いましょう。シャンプー液が被毛や皮膚に残ると、かゆみや炎症を起こす一因になります。

わきの下・お腹・股・足の裏(肉球の間など)は、洗い残しが起こりがちな箇所ですので、念入りに。

5.水気をよく切る

ドライヤーをかける際に、乾かし残しなく短時間で行うためには、シャンプーを洗い流したあとに体の水気をしっかり切っておくことが大切です。

水気は、体の上から下へ向かって、水気をよく切っていきます。長毛種の場合は、手で被毛を押さえるようにするとよいでしょう。その際には、力を入れすぎないように。

背中からお腹は撫でるように、耳・手足・尻尾は上から下へ向かって握りしぼる感じです。

水気を切ったあとは、子犬自身に身震いさせます。もし身震いしない場合は、子犬の耳に息を吹きかけると体をブルブルとさせるので、水気も飛びます。

6.ドライヤーをかける(体を乾かす)

体をしっかりと乾かすことは、とても大切です。特に、子犬は乾かし残しを避けたいところ。子犬は抵抗力が弱く、乾かし残しが原因で体が冷え、体調に異変が出ることもあります。

また、生乾きの部分には細菌などが繁殖しやすく、皮膚病にかかるおそれもあります。乾かしにくい、顔まわり・耳の裏・わきの下・指間などは、湿り気がないか、よく確かめましょう。

ドライヤーは、体から30cmほど離して風を当て、愛犬の被毛をブラシでとかしながら乾かしていきます。乾かす際には、熱風を目に直接当てないよう注意が必要です。ドライヤーは振らないようにしましょう。ドライヤーを横に振ると、風が均等にあたらず、生乾きの部分が出やすくなります。

毛の根元からしっかりと風を当て乾かしたあと、最後に冷風を当てて、毛の分かれ方を見ます。きれいに毛が散ったらしっかりと乾いている証拠です。乾かしたら、コーム(クシ)で毛並みを整えながら、乾かし残しや毛が絡まっている部分がないかチェックしましょう。


【タオルで拭くのもOK】
シャワー・シャンプー・ドライと、体を洗う際にかかる時間は長く、そして音や感覚の刺激も強いもの。子犬にとっては、心身への負担が多くかかります。

シャンプーをする際は、体調のよいタイミングにしましょう。下痢・嘔吐はみられないか、目・耳・皮膚などに異常はおきていないかなど、健康状態のチェックは欠かせませんね。

もしシャワーが難しい場合は無理に行わず、蒸しタオルや絞ったタオルで体を拭く程度でもOKです。その際にも、体をしっかりと乾かすことは忘れずに。


【慣れないうちは2人でも】
子犬を確実に乾かすためには、慣れていないとなかなか難しいものです。ひとりが子犬を抱き、もうひとりがブラシを使って役割分担する場合もあります。


★プロに任せるのもひとつの方法★
ペットをはじめて飼う方など、もし愛犬をシャンプーすることに不慣れなら、最初はプロのトリマーなどにシャンプーをお願いするのもよいでしょう。

まとめ

まだ経験の少ない子犬にとって、最初の体験はとても大切です。もし、最初のシャンプーで苦手意識を持ってしまうと、今後シャンプーを行う際にひと苦労するかもしれませんよね。
体を洗うことがよいものと感じれば、自宅でシャンプー行うようになったときにもスムーズにやりやすくなります。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。
 監修者プロフィール
獣医師・トリマー・ドッグトレーナー / ペットスペース&アニマルクリニックまりも病院長
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています。

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