マッサージから始めよう。猫にやさしい4ステップ歯磨き

歯磨きを習慣づけるには子猫のうちから慣れさせるとスムーズですが、成猫になってからでもステップを踏めば何らかの形で歯のケアができるようになります。

いきなり歯ブラシで磨こうとすると嫌がる子が多いものです。歯ブラシは最終ゴール。指で触れることから始め、猫の受け入れ具合を見ながら、少しずつ少しずつ、慣らしていきましょう。

注意
嫌がるからといって押さえつけて無理矢理歯ブラシを入れるのは避けてくださいね。猫が歯磨き嫌いになってしまいます。

ステップ1:まずは指でマッサージ

まずは、口を触られることに慣らしましょう。

猫がリラックスしていることが重要です。猫が熟睡しているときなどに、奥歯のあたりを上から優しくなでます。「ナデナデ」の延長で何気なく触ると気付かれにくいですよ。

もし、猫が嫌がったらすぐに止めてください。しばらく様子を見て、猫が落ち着いたようなら再度トライしてみましょう。猫の性格によってまちまちですが、何週間もかかることもあります。根気よく繰り返していると、徐々に受け入れるようになるのであきらめないことがポイントです。
猫が口を触られることに抵抗しなくなったら、今度は唇をどかして歯に触れてみましょう。

口の中に指を入れて、歯や歯ぐきを触らせてもらえるようになったら次のステップに進みます。

ステップ2:指で磨く

次はいよいよ「磨き」です。磨きといっても歯ブラシではなく、指を使います。デンタルペースト(歯磨き粉)をほんの少し指先につけて、歯を1本1本円をかくように優しくこすり、可能であれば裏側も行ってください。

歯磨きのきっかけとして指歯ブラシはいい方法ですが、難点は細かい場所が磨きづらいこと。可能なら、次のステップの綿棒での歯磨きにもチャレンジしてみてくださいね。

◇人間用のデンタルペーストは使わないで!
デンタルペーストは必ずペット用を使いましょう。人間用は猫に害を与える場合があります。特に、人間用のペーストによく配合されているキシリトールは犬にとっては毒となるもので、口にすると低血糖を引き起こすことが報告されています。猫にも同様の恐れがあるため、決して与えないように注意してください。

ステップ3:綿棒で磨く

はじめは綿棒を口に入れること自体を嫌がるかもしれないので、愛猫の好きなフードの匂いや汁を染み込ませてから行ってみましょう。
歯磨き前にタオルなどで猫の体をくるんでおくと、落ち着いた状態を保てることもあります。(タオルを上からかけようとすると怖がる子もいますので、無理にする必要はありません)

方法は、綿棒を歯の1本1本にあてて、指磨きのときと同じように優しくこすります。このとき、歯ぐきに当たらないように気を付けてくださいね。直接当たると傷ついてしまいます。綿棒磨きに慣れたようなら、今度はデンタルペーストをつけて磨いてみましょう。

ステップ4:歯ブラシで磨く

綿棒磨きがクリアできたらようやく最後のステップです! 歯垢除去に最も効果的なグッズはなんといっても歯ブラシ。できることなら歯ブラシでケアできるようにしてあげたいですね。

しかし、歯ブラシを急に見せると猫が怖がるかもしれません。歯ブラシでじゃらしたり、毛をなでたりして、普段から歯ブラシに触れさせておきましょう。歯ブラシに好きなフードの汁をつけてもよいですね。口に近づけたとき、不慣れゆえに怖がることがないよう少しずつ慣らしておくことが大切です。

まず、歯磨き前に歯ブラシを水で濡らしましょう。乾いたままの歯ブラシは歯ぐきを傷つけてしまうのです。次に、デンタルペーストを少量つけたら、歯ブラシを横向きにして歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)の近くに水平よりやや斜めの角度で当てます。水平方向に小刻みに動かして磨いていきましょう。

ブラシを当てる角度がきつすぎると、歯ぐきを傷つけることがあるので注意しましょう。綿棒と同様に、歯ぐきに歯ブラシが直接当たらないように気を付けてください。

歯磨きのポイントは「臼歯」

歯のケアで最も重要な場所は奥歯、つまり臼歯です。ほかの歯よりもずっと複雑な形をしているうえ、よく使うので歯垢がたまりやすいのです。ここを重点的に磨きましょう。

唾液腺の分泌口がある上あごの一番大きな臼歯は、特に歯石がたまりやすいので、丁寧に磨く必要があります。唾液に含まれるカルシウムやリンが歯石をつくりやすくしてしまうのだそう。(私も先日、歯医者さんから「唾液腺のある場所は特に注意して磨いてください」と注意されたところです)

歯磨きの注意点

・猫がすでに歯肉炎や歯周病にかかっている場合、治療して健康な状態になってから歯磨きを始めましょう。完治前に歯磨きすると、症状を悪化させる恐れがあります。歯磨きを始めてよいタイミングを判断できないときは、病院で確認してもらいましょう。

・歯ブラシは猫専用のものを使いましょう。人間用を使う場合は、乳児用のヘッドの小さなものや毛先のソフトなものを選びましょう。

・猫の歯や歯ぐきは非常に繊細です。強くと磨くと傷つけてしまううえ、歯垢もとれません。優しくソフトに磨きましょう。

・歯ブラシのヘッドを横向きにして歯にあてましょう。縦向きは歯ぐきを傷つける可能性があるのでおすすめできません。

・歯磨きのとき、猫のヒゲを引っ張ることのないよう気を付けましょう。ヒゲは敏感なパーツ。うっかり引っ張ると猫が歯磨きを嫌がる原因になることもあります。

口に触ることも難しい場合

猫がどうしても口を触らせてくれない場合は、磨き不要のケア用品を使う方法もあります。

・液体歯磨き
磨かなくても口腔ケアができる「歯磨き液」です。なかには、口腔内を清潔に保つだけでなく、歯垢を分解するとされる成分を配合した製品もあります。種類も豊富で、液体タイプとジェルタイプがあるほか、使用方法もさまざま。垂らして使用するタイプ、指でつけるタイプ、スプレータイプなどがあります。スプレータイプは口の奥までしっかり噴射できるというメリットがありますが、「シュッ」という音や噴射の勢いを怖がる子もいますので、猫が受け入れやすいタイプの製品を選びましょう。

・オーラルケア用フード、おやつ
食事と歯磨きを両立できる、オーラルケア用のフードやおやつも便利です。適度な硬さがあり、何度も噛むことで歯垢を落とせるように設計されています。歯磨きのあとのご褒美用のおやつとして使ってもよいでしょう。ただ、これだけですと咀嚼に使った歯の表面しかきれいになりませんので、できれば液体歯磨きと併用することをおすすめします。

猫に虫歯はないけど、歯周病になりやすい?

実は猫は歯周病になりやすい生き物。3歳以上の猫の80%以上に発生すると言われているほどで、猫にとって歯周病はどの子でもなりうる病気です。

歯周病は、歯肉や歯槽骨(歯を根元で支える骨)など歯をとりまく組織の疾患のことで、主に
歯肉炎…初期に発症する状態
歯周炎…歯肉炎が進行すると歯周炎になる
に分けられます。

炎症が起きる原因は歯垢や歯石に潜む細菌とされており、歯茎が縮んで歯がぐらついたり、ひどくなると歯の土台である骨が溶けたり、あごの骨に穴が開いたりしてしまうことも。これは相当な痛さで、食事もできなくなってしまいます。

◇猫に虫歯はない?
虫歯は、口腔内のpHが酸性に傾くことによって歯を溶かすことによって起こります。しかし、猫の口腔内は人と違ってアルカリ性のため、虫歯になることはほとんどないと言われています。

1週間に1度は歯磨きをしよう

猫の歯磨きは毎日が理想ですが、最低でも1週間に1度は歯磨きしたいところです。

なぜなら歯周病の原因は歯垢だからです。歯垢は、歯の間や表面に残った食べかすに細菌が繁殖したもので、たった1㎎の歯垢に1億もの歯周病菌がいる(※)のだとか。

歯垢を放置したままにすると、およそ1週間で石灰化し歯石になります。歯石の表面はざらざらしているので、一度歯石ができるとその表面にさらに歯垢がたまることになり、悪循環に陥ります。

歯石は硬いので、飼い主さんで除去するのは難しいでしょう。一般的には動物病院で取り除いてもらうことになりますが、歯石除去には麻酔が必要。麻酔のリスクを考えると、歯石になる前に除去しておきたいですよね。歯磨きはぜひ習慣にしたいところです。

猫の飼い主さんに聞きました!「歯磨きの頻度はどれくらい?」

猫の飼い主さんたちは、普段どのくらいの頻度で猫に歯磨きをさせているのでしょう? 生の声を集めてみました!

不定期(数カ月に数回程度)「ペット用の歯みがきシートが便利!」

我が家の猫たちは、歯磨きをしようとすると暴れてしまいます^^;なので、リラックスしていて眠そうなときを見計らって顔のマッサージをし、そのついでにさりげなく歯も拭くようにしています。歯ブラシは絶対に嫌! って感じなので人差し指にペット用の歯磨きシートを巻き付けていますがそれだと意外と拭かせてくれます^^
(ネコママ 9カ月のキジトラ・メス、9カ月のキジシロ・メス、2カ月のキジトラ・オス)

不定期(数カ月に数回程度)「歯磨きが嫌いな猫には工夫が必要」

うちの猫は歯磨きが嫌いでなかなか歯磨きをさせてくれません。代わりに、噛むことで歯磨き効果を狙える「歯磨き用おやつ」を使用しています。フレーバーも何種類もあるので飽きないと思います。その他、噛むことで歯磨き効果が期待できるメッシュ生地で出来たボールや、飲み水に混ぜるタイプのマウスクリーナーなども使用しています。
(rag☆rag☆cat 1歳1カ月のラグドール・オス)

月に3~4回「子猫の頃に慣れなせておくとよい?!」

我が家の猫は生後3カ月頃から歯磨きを始めました。子猫のうちに始めたおかげか、まったく嫌がりません。犬猫用の歯磨き粉のモルトフレーバーの味が好きらしく、「歯磨き粉を舐めている隙に歯磨きされている」という感じです。歯磨きの頻度は食事内容に合わせて変えています。歯垢となって溜まりやすいウェットフードを与えていたころは、歯磨きの頻度は2日に1回にしていました。現在は療法食(ドライフード)のみなので、歯周病リスクは低いと思い月3~4回程度、気付いたときにしています。
(ランママ 1歳1カ月のスコティッシュフォールド・オス)

週に1~2回「出来る範囲でやっています」

うちの猫は、歯磨きが大嫌いなので週1、2回が限界です。歯周病が心配ですが、強引にやってトラウマになっても困るので、今は出来る範囲にとどめています。最初は指にガーゼを巻いて磨くことから始めましたが、細かいところは届きづらいので、歯ブラシに変えて試しているところです。「1回2分以内に終わらす」と決め、うまく磨けなくても無理して続けないようにしています。奥歯まできれいに磨くには、まだまだ程遠いので、猫の歯磨きの動画を見ながら試行錯誤しています。
(emi 2歳のキジトラ・メス)

毎日「もともと歯茎に炎症が起きていたので、毎日歯みがきしています」

基本毎日です。動物愛護センターから引き取り後初めて動物病院に行った時に「歯茎が少し炎症を起こしている」と診断されたので、炎症が酷くならないよう最低1日1回は歯磨きをしています。歯ブラシでのケアは難しそうに感じたので歯みがきシートにしました。指に巻いて口に入れて磨くのですが、結構噛まれます(^_^;)1枚だと痛いので2枚くらい重ねて使っています。前歯あたりなら噛まれずにササッと磨くことは可能です!
(しおえもん 2歳の雑種・オス)

まとめ

猫の歯磨きはなかなか難しいものですが、歯の健康を守ことは体の健康にもつながります。愛猫が歯周病になってつらい思いをする前に、飼い主さんが予防できることはしてあげましょう。
突然歯ブラシを目の当たりにしては猫も驚くので、歯磨きが苦手な猫には口周りのマッサージから始めてみてください。指や綿棒を使って歯に触れられることに少しずつ慣れさせましょう。ぜひ今日からチャレンジしてみてくださいね!

※厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患の症状・原因・進行」より
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-001.html

参考文献 東京農工大学 名誉教授・公益財団法人 動物臨床医学研究所 理事・公益社団法人 日本獣医師会 会長著(2012)『イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科 イヌ・ネコからフェレット・ウサギ・ハムスター・小鳥・カメまで』山根義久監修, パイインターナショナル.

石野 孝監修,(2013)『決定版 うちの猫の長生き大辞典』学研パブリッシング

ワンちゃんネコちゃんのデンタルケア(グループサイト)

歯磨きが苦手な猫ちゃんにも! 簡単デンタルケアグッズをご紹介♪

猫のブリーダーについて

魅力たっぷりの猫をあなたも迎えてみませんか? 

おすすめは、ブリーダーとお客様を直接つなぐマッチングサイトです。国内最大のブリーダーズサイト「みんなの子猫ブリーダー」なら、優良ブリーダーから健康的な子猫を迎えることができます。

いつでもどこでも自分のペースで探せるのがインターネットの魅力。「みんなの子猫ブリーダー」では写真や動画、地域などさまざまな条件で理想の猫を探せるほか、多数の成約者の口コミが揃っています。気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

※みんなの子猫ブリーダーに移動します