猫の多頭飼いを始める前に知っておきたいこと

猫を飼っている人なら、一度は多頭飼いを考えたことがありますよね。同じ猫といっても性格は千差万別。動きや柄の違いも楽しいし、1匹だけ飼っているのとは違った楽しみがあります。

しかし、猫は群れをつくらず単独行動をとる動物です。基本的にはほかの猫と慣れ合わず、気ままに暮らすことを好みます。場合によっては、常に誰かがそばにいることがストレスになることも。

猫も飼い主も快適に暮らすために、多頭飼いでは押さえておきたいポイントがあります。

考えておきたい猫同士の相性

何より重要なのは猫同士の相性です。

先住猫がいる場合は、できるだけ先住猫の性格に合わせた猫を選びましょう。とはいえ、新しく迎える猫の性格はわからないため、猫の種類や特性で性格の傾向を判断するしかありません。一般的に長毛種や大型の猫はおっとりした性格の傾向があります。反対に短毛種やスリムな体型の猫は活発な性格になることが多い模様。多頭飼いするならできれば似た気質の猫を迎えるのがコツです。

年齢なら、先住猫が成猫なら子猫を迎えるのがいいでしょう。先住猫がまだ子猫なら、子猫でも成猫でも大丈夫です。先住猫が7歳以上の老猫の場合は、新たに猫を迎えるのは諦めたほうが無難です。ストレスで体調を崩すこともあるのでやめましょう。

性別については去勢手術済みなら特に問題ないと言われていますが、もし気になるなら異性で飼うのがいいですね。同性だと縄張り争いや嫉妬などでトラブルになることがあります。しかし、異性で飼うのがおすすめなのは、避妊去勢済みの場合に限ります。猫の繁殖力は強く、単純計算で2匹が3年で2,000頭にまで増えます。多頭飼育崩壊を招かないためにも、避妊去勢を徹底しましょう。
きょうだい同士は仲よくやっていけることが多いので、はじめからきょうだいで迎えるのもおすすめです。

考えておきたい生活環境

猫は基本的には単独行動を好むため、それぞれの猫のプライバシーを確保できるスペースを用意しなければなりません。

目安として、多頭飼いの飼育頭数の上限は「自由に出入りできる部屋の数-1」だとされています。もっと多くても不可能ではありませんが、猫同士が快適に暮らす理想の数といっていいでしょう。たとえば3LDKなら3匹、2Kなら1匹です。キャットタワーを用意して、猫が個別に休めるスペースを増やすのも効果的ですね。

猫はきれい好きで、トイレの確保も重要。猫のトイレの数は「飼育頭数+1」と言われています。トイレにはこだわりが強い猫が多いので、なるべく多く用意しておきたいですね。ただしやみくもに増やすと掃除が大変なのでご注意を。

飼育費用も考えておかなければならないポイントです。フードや猫砂の使用量が増えますし、場合によっては猫それぞれにこだわりがあって別のものを用意しなければならないかもしれません。病院代も倍になります。

実際に新入り猫を迎えることになったら

いよいよ先住猫と新入り猫を対面させることになったら、まずは飼い主が見守りつつケージ越しにしましょう。
新入り猫をケージに入れ、先住猫と対面させます。初対面はまず例外なくお互い威嚇し合うので、「相性が悪い」と決めつけず、根気よくケージ越しに対面させてください。少しずつ対面時間を延ばしていけば、あるときからお互いを認められるようになります。最低でも2週間は様子を見ましょう。
威嚇せずに過ごせるようになったら自由にさせますが、しばらくは留守番中はケージに入れておいたほうがいいでしょう。

飼い主は先住猫と新入り猫がお互いのにおいを覚えられるよう、においのついたものを交換してあげます。お互いの猫砂を少量混ぜたり、体をなでたタオルや毛布を交換したり、「なんだこのにおい」→「でも特に何も起こらない」→「安心」というプロセスを繰り返し、慣れさせてください。

あまり飼い主に興味がないタイプに見えていたとしても、新入り猫がくると先住猫は「飼い主をとられた」と感じます。飼い主は何をするにも先住猫を優先させてください。ごはんをあげるのも抱っこするのも、ブラッシングも先住猫が先です。先住猫に新入りが来ても自分への愛情が変わりないことを確信させましょう。

どうしても猫同士が仲よくならないときは

どうしても猫同士の相性が悪く、仲よくなれないこともあります。
顔を合わせるとすぐケンカになったり、どちらかがストレスで体調を崩したりすれば、無理に仲よくさせることはできませんよね。この場合は生活する部屋を分けるなどして、先住猫と新入り猫が干渉せずに暮らせる配慮が必要です。

夢見ていた多頭飼い生活とは違うかもしれませんが、猫の幸せを第一に考えましょう。同じ家に暮らしていればお互いの気配が感じられるため、何かのきっかけでうまく暮らしてうけるようになる可能性も残されています。

多頭飼いを始める前に、どうしても猫同士が仲よくなれない場合があることも考えておいてください。はじめから「仲よく」というよりは、「同じ空間でケンカしなければいい」というくらいにゆったり考えましょう。

まとめ

もともと単独行動する動物なだけに、猫の多頭飼いは安易に考えると飼い主にも猫にもストレスになることがあります。先住猫と新入り猫が慣れるには時間がかかることを念頭においたうえで、多頭飼いを始めましょう。
必ず先住猫を優先して、お互いが休めるパーソナルスペースの確保をお忘れなく。猫を飼うならいずれ多頭飼いを、と考えているなら、初めからきょうだい猫を迎えると、互いに気兼ねなく暮らせるのでおすすめです。

猫の多頭飼いは焦らずゆっくり、環境を整えて臨んでください。猫に囲まれた幸せな毎日が訪れるといいですね!
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