①往診とは

往診とは「医師が患者の家に行って診察すること」です。ペットの場合は「獣医師が飼い主の家に行ってペットの診察をする」ということですね。

往診用の車に機材や薬などが積んであり、診察、治療をしてくれます。高齢で移動がストレスになってしまう場合や一人で車に乗せられない大型犬など通院が難しいときなど、とても助かりますね。

最近は往診専門の動物病院も増えているようです。

料金

往診料がかかることが多く、通常の動物病院にいったときよりも料金が割高になるケースが多いようです。自宅と病院との距離によって往診料が変わることがほとんどですが、だいたい1,000~5,000円ほど。なかには往診料無料という病院も。

自宅と病院の距離が遠くなればなるほど往診料は上がっていくことが多いので、費用を抑えたい方はできるだけ近い病院にお願いするのがいいでしょう。

上記の往診料に加えて、診察、検査、投薬などの費用がかかります。

今回、私(筆者)が利用した病院の往診料は3,000円~でした。

予約方法

予約方法は病院によって違います。私が利用した病院は電話とファックスでの予約が可能でした。メールに対応している病院もありますが、急ぎの場合は電話での予約のほうがスムーズでしょう。

②往診を頼んだ理由と往診レポ

今回、体調を崩してしまったのは、最近、引き取って家族になった猫(以下:すっち)です。元野良猫であまり人馴れしていません。

体調を崩す数日前、爪切りをしてみようとすっちを抱き上げてみたことがありました。すっちは一瞬フリーズしてその後、大暴れ。手をざっくり引っ掻かれてしまったのです……。

家に来て1カ月ちょっと。まだ早かったと反省するとともに、抱っこや捕獲は厳しいと悟りました。

そんな出来事があったので、病院に連れて行くのは無理だと判断し、今回、往診をお願いしてみることにしました。
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12月3日

朝のトイレチェックで、すっちのトイレに粘膜血便を発見!うんちはなく、粘膜だけ出したようです。しかし様子はいつもと変わらず元気なので、とりあえずごはんをあげることにしました。

食欲も問題なく、大丈夫そうです。しかし、30分ほど経ったころ、頻繁にトイレへ。2~3分に一回トイレに入っては、ほんの少量の血尿をしていました。

すっちは普段、ケージ内にあるすっちのトイレしか使用しません。しかしこのときは、いつもは使用しない先住猫のトイレも使用していたので、よっぽど残尿感があったのかな?と思います。

↓そのときのおしっこ。赤丸のところが血尿です。
頭に浮かんだのは「膀胱炎」。すっちはメスなので、尿路結石よりも膀胱炎の可能性が高いだろうと思いました。

仕事を休むことも考えました。しかし家をでる10分前くらいには少しおさまり、普通のおしっこをしていたので、心配ですが仕事に行くことに。

帰宅後、おしっこに問題はなく、一安心。しかし、治ったわけではないので、往診対応の病院を探し、予約を取ることにしました。

電話では以下のことを伝えました。
  • ペットの種類
  • 症状
  • いつからか
  • 希望の訪問日と時間
  • 住所
  • 駐車場について
  • 人馴れしていない

幸い、次の日の夜に予約が取れたので、よかったです。

12月4日

朝一のトイレチェック。血尿はありませんでした。おしっこの量も問題なく、ピークは過ぎたようです。
悪化しなくてよかったと安心しました。

先に帰宅した夫から連絡があり、すっちがうんちをしたとのこと。粘膜もなく血もついていない、普通のうんちのようです。とりあえず先生に見せたいので、とっておくことにしました。

↓おしっこもしていたようで、写真ではわかりにくいですが肉眼で見ると、うっすらピンクをしています。量は通常のときと同じくらいです。
診てもらうのにケージに入ってもらったほうがいいだろうと、ごはんはケージであげました。

いつもと様子が違うので、少々戸惑っていましたが、食欲には勝てずケージIN。そっと扉を閉めて、先生の到着を待ちます。

途中、先住猫に向かって「助けてー」と鳴いていました。

先生到着

時間になり、先生が到着!第一印象は「なんだか気難しそう」。しかし、実際はまったくそんなことはなく、豪快でさっぱりとした人でした。

先生の予想もメス猫なので膀胱炎だろうとのこと。人馴れしていないので、抱っこはできませんが、なんとか触ることはできます。

先生がケージに手を入れ、触診。すっちは「シャー」と威嚇し、尻尾を太くしていました。

診察の結果
  • メス猫なので結石は考えにくい
  • たぶん膀胱炎
  • 触診した感じも石はなさそう
  • 便も見た限り大丈夫そう、一応検便はしましょう
  • もっと詳しく検査してほしいなら、鎮静剤打ちます
とのことでした。

今回は膀胱炎に効く注射を打って、様子を見ることに。

ちなみに検便の結果は問題ありませんでした。

今回かかった費用は往診料、診察料、検便、薬(注射)で約8,000円
思っていたより安く済んで、びっくりです。

12月14日

頻尿&血尿が再発してしまいました。注射からまだ2週間経っていません。急いで先生に電話をかけ、次の日来てもらうことにしました。

とりあえず、尿のトラブルには飲水量を増やすことが大事だ!とごはんに水をかけて与えたり、水飲み場を増やしたりとできることをやりました。
結石だったらということも考え、結石の療法食も用意。

明日まで頑張ってくれーと見守ることしかできません。

今回も普段は使わない先住猫のトイレに入っていました。鳴きながらトイレから出ていたので、痛かったのかもしれません。

↓先住猫のトレイに入る様子。真剣な面持ち。
残尿感から力んでしまうのか、少量の血尿と一緒にうんちも少し出てしまうようでした。
前回よりも血尿の色が濃く、猫砂に血の粘膜のようなものが付着するほど。

12月15日

11時

先生到着!2週間経ってないのに何でかなと先生も首をひねっていました。
今回はしっかり診てもらいたかったので、鎮静剤を使用してエコーなどの検査をしてもらいます。

鎮静剤を打って5分経つとおとなしくなりました。10~20分くらいで効き目が出るということだったので、効くのが早すぎて若干不安になりました。

↓鎮静剤で眠っています。画像では伝わりませんが、体にまったく力が入っておらず、ぐでんぐでんです。
エコーの結果、結石はないとのこと。ただ膀胱の壁がかなり厚くなっているので、炎症がひどいようです。膀胱を圧迫しておしっこをだし、尿検査。かなり赤く、小さな血の塊も出てきました。

尿検査の結果は細菌性膀胱炎。結石や結晶はなく、たくさんの細菌と血が見られたようです。pHも6.6と正常ですとのことでした。

ちなみに、猫の正常なおしっこはpH6.5前後と言われています。ただし、ずっとこの数値を維持しているわけではなく、ごはんを食べたり、運動したりすることによって変動する場合がほとんどです。

なんらかの原因で注射が効かなかったのか、効きにくい体質なのかもしれないと言われ、前回と同じ抗生剤の注射を再び打ってもらい、治療は終了。

↓覚醒の注射を打ってもらったときの様子。だんだん覚醒してきて、耳の近くを触ると反応するように。ちなみに鎮静剤が効いているときも、目は開いたままです。
抗生剤が効きにくいのかもしれないからと、抗生剤の錠剤を14日分いただきました。1日1回半錠をすっちに飲ませます。

抗生剤は苦い薬が多いらしく、そのなかでも苦くないのを持ってきたので、頑張って飲ませてくださいとのこと。


かかった費用は約10,000円
鎮静剤やエコー、尿検査をしてもらったので、もっと高くなることを覚悟していたのですが、良心的な値段で助かりました。

すっちは覚醒の注射のおかげでだんだんと目が覚め、10分ほど経つと「出してー」と鳴くように。まだ足元がふらふらしているので、完全に覚めるまでケージにいてもらいました。

往診を利用した感想

↑先生の到着を待つすっち
また機会があれば利用したいなと思っています。自宅にいながら検査や治療を受けられるのは、大変ありがたかったです。
また、治療の待ち時間も上の画像のように、自宅でリラックスして待つことができるのも大きなメリットだと思いました。

こんなときは往診がおすすめ
  • キャリーに入れるのが難しい
  • 大型犬で車に乗せるのが難しい
  • 動物病院までの移動手段がない
  • 移動のストレスが心配
  • 仕事で動物病院の受付時間まで間に合わない
など。

往診をスムーズに受けるために

今回、私が往診を利用してみて、感じたことはケージの重要性です。往診をスムーズに受けられたのは、ケージのおかげと言っても過言ではありません。

ケージがなければ逃げ回る猫を追いかけるだけで診察が終了していたかもしれないです。

とくに猫の場合は、部屋を縦横無尽に逃げ回り捕まえられず、だいだいの見立てで診察が終了してしまうこともあると、先生はおっしゃっていました。
鎮静剤を使うこともできるが、正直そこまでしなくてもという場合は、経験から薬を出すことが多いとのこと。

しっかり診察を受けるためにも、診察を受けさせたいペットをケージにいれたりリードを付けておいたりするのがおすすめです。

ペット保険

私はペット保険に加入していないので、詳しいことは聞きませんでした。しかし先生のほうから「ペット保険には入ってますか?」と聞かれたので、対応してくれるのかなと思います。

ホームページに記載がある場合もあるので、確認してみてくださいね。

まとめ

すっちの体調は薬の効果もあり、安定しています。今まで往診の利用を考えたことがなかったのですが、利用してみるととても便利で、ありがたいサービスだなと感じました。仕事で連れていけない、捕まえられないなどで病気が悪化しないよう、ペットの往診のことがもっと広まってほしいと思います。
 執筆者プロフィール
元ペットショップ店員。2匹の白猫と暮らしています。ペットのフードやおやつを試食するのが好きです。

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