相談内容:散歩中に爪から出血
飼い主からの相談
深爪で一度出血後止血していたのですが、気が付くと散歩中に出血していました。知らずに川の水や土で足は汚れ放題の状態でした。帰宅後は消毒などしましたが、爪にまだ土がこびりついている状態で、爪から肉が見えていて止血はしましたが、また外を歩くと出血しそうです。破傷風や他の感染症などが心配なのですが、病院にいけば(血液検査などすれば)感染の有無はすぐにわかり、治療できるのでしょうか?よいアドバイスをお願いします。
井上 平太先生(井上動物病院 動物取扱業登録第56-104号)からの回答

細菌感染から炎症がスタートし化膿が始まりますと血液検査の結果にある程度反映されます。しかし通常は傷の具合から抗生物質が必要なのか局所の消毒で十分なのか、あるいは通院か自宅での毎日の処置が必要なのかを判断いたします。
あまり深刻に考えずに動物病院で一度怪我の具合を診て頂くと良いでしょう。
相談内容:マンソン裂頭条虫
飼い主からの相談
マンソン裂頭条虫に寄生された犬に噛まれて少し血が出てしまいました。
処置は必要でしょうか?
また何科に行けばいいのでしょうか?
伊東 彰仁先生(イトウペットクリニック)からの回答

傷に対する処置は必要ですし、破傷風なども警戒すべきです。
しかし、今回はマンソン裂頭条虫に関してのみ書きます。
マンソン裂頭条虫は咬傷による感染はありませんし、また何らかの方法で直接虫卵や体節を摂取しても、感染は成立しません。というのは成長過程で2回の中間宿主を取るために、人体内では孵化しないからです。最初の中間宿主はケンミジンコで、それを摂取して次の中間宿主である、ヘビ、カエルなどの爬虫類で育ちます。さいごにイヌ、ネコ、キツネなどに食べられてこの体内で成虫になります。人に寄生するのは、幼虫が寄生する場合がほとんどです。幼虫が寄生(マンソン弧虫症)場合は移動性で無痛の性の腫瘤ができたり、また腫瘤の他にも寄生部位により症状が多岐にわたります。ごくまれに人体内で成虫になり、成虫による障害を受けることがあります。
感染ですが、犬や猫からではなく、ヘビ、カエルの血液、胆嚢、筋肉などを生で食べたり、幼虫が寄生しているケンミジンコがいる恐れのある水を飲んだりすることで感染します。またヘビやカエルの血液を傷口に貼る民間療法による感染も報告されています。
二本松 昭宏先生(にほんまつ動物病院)からの回答

橋本さん こんにちは。
マンソン裂頭条虫は、咬まれることによってはうつりません。
咬まれたとき、まず起こりえる可能性として高いのは、
傷口の化膿です。
傷を洗ったりしないといけないので、
まずは外科に行けばいいのではないでしょうか。
相談内容:クロストリジウムについて
飼い主からの相談
先日は、ご回答いただき有難うございます。
過去の掲示内容を書くと長くなってしまいますので手短に省略させて頂きます。
昨年末より頻繁に嘔吐し倒れて病院に連れて行きました。その際、吐き止めの薬を頂きしばらく様子を見ておりましたが、3日前、本日と再び嘔吐し再度、病院へ連れて行きました。
病院に連れて行く際、排泄(下痢)をしたので排泄物を持参し排泄物検査を行いました。
検査結果、クロストリジウムの値が非常に高いと診断され、粉薬を頂き1週間様子を見て下さいと指示されました。
クロストリジウムの値が高いとどの様な症状が出るのですか?
クロストリジウムって菌はどの様な感染経路があるのでしょうか?
今後、どの様な対処方法が必要なのでしょうか?
対処方法等は違うと思いますので、ご意見をお聞かせいただけないでしょうか?
伊東 彰仁先生(イトウペットクリニック)からの回答

クロストリジウムは、嫌気性細菌ですから、空気のあるところでは増殖できません。ガス壊疽菌や破傷風菌などがこの仲間です。
菌の同定ができているのでしたら、感受性検査をして、効果のある抗生物質を選択すれば問題ないと思いますが。
しかしながら、この一連の症状が、この菌によるものだったらの話です。
クロストリジウムは通常土壌細菌です。菌の種類によりますが、土壌からの感染ではないでしょうか。
井上 平太先生(井上動物病院 動物取扱業登録第56-104号)からの回答

クロストリジウム属の菌には有名人が結構おります。代表格はClostridium tetani(破傷風菌)とClostridium perfringensです。前者は土壌中に住んでいます。後者は少量ながら色々な動物の消化管内にすんでいます。クロストリジウムの値が高かったとは、おそらく便中からクロストリジウム毒素が検出されたと言う事ではないでしょうか。
犬の感染性結腸炎は、Clostridium perfringensが筆頭の原因菌とされ、その菌が産生するクロストリジウム毒素により出血性カタール性腸炎や強い吐き気を起こさせます。
ただし、この症状は毒素に体が侵されるのを防ぐための体の防御反応で、毒素を一刻も早く下痢で排泄するか嘔吐で吐き出させるか、体ががんばっているのです。以前人間でO-157大腸菌感染症で下痢止めを使わない子どもの方が重症化せずにすんだのと同じ理屈です。
ただし正直申しまして私の病院ではクロストリジウム毒素は測っておりません。毒素の同定をせずに抗生剤を使い正常細菌叢(乳酸菌など)を補充して善玉菌のバランスを整えて治療していきます。もちろん治癒しなければ北里研究所に便を細菌検査に出しますが。
一般外来患者でこの検査をしている病院の存在にびっくり致しました。中村様は皆に誇れる進んだ医療を提供している動物病院にかかっておられるのだと思います。
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