部屋で犬を飼うメリット・デメリット

犬を室内で飼うことは、具体的にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか? まずは簡単にポイントを押さえておきましょう。

<メリット>
・コミュニケーションやスキンシップがたくさんとれる
・接する時間が長い分、しつけがしやすい
・体調管理がしやすい
・異変に気付きやすい
・脱走の危険が少ない
・被毛や手足が汚れにくく、お手入れが楽

<デメリット>
・室内に犬の臭いがついたり、抜け毛が落ちたりして掃除に手間がかかる
・部屋で粗相をしないためのトイレトレーニングが必要
・家具の配置に気を配ったり、犬用の柵を付けたりする必要がある
・部屋の物を壊されたり、汚されたりすることがある
・甘やかしすぎによる問題行動が引き起こされる可能性がある

室内飼いのメリットは、外飼いと比べて犬とのコミュニケーションが密になることです。
家族の一員である愛犬との触れ合いの時間を増やせることに加え、体調管理なども行いやすくなります。

逆にデメリットは、犬と暮らすために家の中を整理しなくてはいけないことや、犬と接する時間が長いためについ甘やかしがちになることです。
室内飼いの場合でも、必要なしつけはしっかりと行い、節度を持って犬を接する必要があります。

室内犬のための部屋づくり ①誤飲・事故への対策

犬を室内で飼うとき、最も気配りたいのは誤飲や事故への対策です。
人間にとっては何気ない日用品でも、犬の命を脅かす危険物になってしまうこともあり得るのです。

犬が誤飲しやすいものや危険なものは片付ける

誤飲の恐れがあるものは、犬の居住スペースには絶対に置かないようにしてください。また、床だけではなく犬が届く高さの机や棚の上も注意しましょう。
クリップ、輪ゴム、アクセサリー、布切れなどの小物類は、犬が誤飲しやすいとされています。
タバコ、薬、観葉植物、プラスチック片、金属片などは、犬にとっての危険物です。誤飲によって犬が体調に異変をきたしたり、痛みを訴えたりする場合があります。

人間の食べ物を犬の側に置かない

人間が好んで食べる物のなかには、犬が食べると中毒症状を起こす危険がある食品があります。
代表的なものは、チョコレート、キシリトール類、タマネギ、ぶどう、ナッツ類などです。
また、人間のスナック菓子などは、犬にとって塩分や糖分が高すぎるため、口に入らないように注意してください。

電気コード、ストーブ、段差などの危険箇所への対策

電気コードは、カバーやコードボックスを活用して、犬に触れられないような対策が必要です。
ストーブは、犬が近付き過ぎないようペット用の柵を設置するのがおすすめ。
ベッドと床の段差など、犬が飛び降りる危険性がある箇所には、スロープを設置してあげるとよいでしょう。

犬に立ち入ってほしくないエリアには仕切り柵を設置する

キッチンや階段など、犬が入ってはいけないスペースとの間には、しっかり仕切りをつけておきましょう。
市販の犬用の柵を使うほか、犬のサイズによっては人間の子ども用の柵でも代用できます。
犬がぶつかって倒してしまうことがないよう、柵は床や壁に固定、または半固定できるものが望ましいです。

犬を常時放し飼いにしない

室内飼いとはいえ、犬を完全フリーにすることは誤飲などのトラブルに発展する原因となるため、おすすめできません。
飼い主の入浴時や留守中はサークルやクレートの中でおとなしくできるよう、日頃からしつけておきましょう。

室内犬のための部屋づくり ②安全な床材を使用する

部屋づくりで気を配りたいのは、犬が過ごすスペースの床材です。
滑りやすい床材は、犬の足腰に負担をかけたり、転倒事故に繋がったりする危険性があります。

犬の足腰に負担が少なく、安全なのは、毛足が短いカーペットやコルクマットです。
洋室によくある一般的なフローリングは、犬の肉球回りの毛が伸びていたり、肉球が乾いていたりするときは特に滑りやすくなります。
犬が通るフローリングの上にはコルクマットを貼る、カーペットを設置する、滑り止めのワックスを塗るなどの対策をしておきましょう。

畳張りの部屋は、犬が畳を掘ったりかじったりすることでボロボロになるため、犬を飼う部屋にはあまり適しません。
和室にはなるべく犬を入れないようにするのが無難でしょう。

室内犬のための部屋づくり ③グッズ置き場の工夫

続いてチェックするのは、犬のグッズの置き場です。

犬用のサークル、ハウス、クレート

犬の居場所となるサークルやハウス、クレートは、飼い主の目が届く場所に配置します。死角になる家具の影などに置くと、犬の異変にすぐ気付けないことがあるためです。
また、観葉植物や小物など、転倒や落下の危険があるものは、犬のすぐ側に置かないようにしてください。

さらに空調設備との位置関係にも気を配りましょう。エアコンやヒーターの風が直接当たる場所は、ハウスやクレートの置き場所として適しません。

犬用トイレ

犬の寝床となるベッドやクレートとは距離をおいて設置します。サークル内にトイレを設置する場合でも、できるだけ離れた場所に配置しましょう。
廊下や部屋の中央などの人通りが多い場所や、犬のベッドと近すぎる場所にトイレを置くと、粗相の原因にもなります。
また、所定の場所でトイレができるように訓練することも必要です。

犬のおもちゃ

お気に入りのおもちゃは、お留守番時の退屈防止にもなります。ペットサークル内に犬を入れているときは、一緒におもちゃも入れてあげるとよいでしょう。入れるおもちゃは飲み込めない大きさで、丈夫なものにしましょう。

犬のフードやおやつ

もちろん犬の手が届く場所に置いておくのはNGですが、保管方法にも気を配る必要があります。
フードは高温多湿になる場所を避けて保管します。チャック付きのビニール袋や、密閉できる容器に入れておいたりすると便利です。
一度開封したおやつは、口をしばって保存してください。夏場は風味を落とさないためにも、冷蔵庫の中にしまっておくといいでしょう。

室内犬のための部屋づくり ④快適な温度設定

最後のポイントは、室温設定です。
特に留守番などで長時間家を空けるときには、犬にとっての適温を保てるように環境を整える必要があります。

犬が快適に過ごせる室温

犬が快適に過ごせる温度は、被毛の種類によって変わるとされています。
シングルコートに比べて、換毛期のあるダブルコートの方が寒さに強い場合が多いです。

犬の適温(室温の目安)
シングルコートの犬種: 夏季22~25℃、冬季20~25℃
ダブルコートの犬種: 夏季23~26℃、冬季19~23℃

また、短毛種のなかでも、滑らかな被毛を持つイタリアングレーハウンドは、より寒さに弱い傾向があるなど、適温は犬種よっても多少変わることがあります。
自分の飼う犬にとって快適な温度はどのぐらいか、事前に調べておくと安心でしょう。

暑いとき・寒いときのサイン

いつもより犬の呼吸がハァハァと荒いとき、または冷たい床の上で伸びているときは、「暑がっている」のサインです。
犬が熱中症にならないよう、ペット用のクールマットやクール機能がある服を使用し、体温を下げてあげるようにします。
また、クーラーなどの空調設備を使用するときは、直接犬の身体に冷風が当たらないよう調整しましょう。

小さく丸まって動かないときは、反対に「寒すぎる」のサインです。
犬に服を着せたり、湯たんぽで寝床を温めたりしてあげることで、犬が寒すぎないように調整してあげましょう。
また、狭くて温かいこたつの中を好む犬は多いですが、長時間入っていると脱水症状を引き起こす危険性があります。犬がこたつに入ってしまったときは、適度に電源を切る、声をかけて中から出すなどして、体調に気を配る必要があります。

まとめ

今回は、室内飼いのメリットとデメリット、さらに室内で愛犬と快適に暮らすためのポイント4点をご紹介しました。
室内飼いのためには、部屋の準備と日々の生活での心配りが必要になります。しかし愛犬と身近に暮らせることは、人にとっても大きな癒しと喜びにつながるでしょう。

これから犬を飼おうと考えている方だけでなく、すでに飼っている方も、ぜひ今回紹介したポイントを押さえて室内飼いを楽しんでくださいね。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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