一人暮らしで犬を飼うときに必要な条件

はじめに、一人暮らしをしながら犬を飼うための条件や、飼い主としての心構えについて確認しましょう。

自分自身の住環境について

そもそもペット入居不可の物件に住んでいる場合は、犬と暮らすことはできません。勝手に犬を連れ込むのはトラブルの元です。
犬を飼う前に、必ず大家や管理会社に確認しておきましょう。

また、単身用の部屋で生活をしている場合、犬を飼育するスペースを十分確保できるのかということにも注意してください。

さらに、近所の住民が犬を飼うことに理解を示してくれるかということも大切です。
十分な理解を得られないと、万が一、犬に吠え癖がついてしまった場合などには、ご近所トラブルに発展する可能性があります。

経済的負担

犬を迎え入れるためには、決して安くないお金がかかります。
犬を迎えるときの費用、毎月継続的にかかるエサ代やワクチン接種などの費用、犬が病気にかかったときの病院代など、経済的余裕がないと、犬を飼うことは難しくなります。

時間的負担

犬の飼育には時間がかかります。
散歩の時間はもちろん、しつけやトレーニングに費やす時間、犬のお手入れにかかる時間などを考慮しましょう。
特に大学生の場合、試験前や就活で多忙な時期や、就職のタイミングで生活環境が変わる時期があります。どんなに忙しいときでも、犬のための時間を確保する心構えが必要です。

もしものときの受け入れ先の確保

急な出張や入院、遠方への就職など、もしものときにお世話をしてくれる人の確保も飼い主の義務です。
実家や近くに住んでいる知り合いのなかで、万が一のお願いを受け入れてくれる人を探しておきましょう。

一人暮らしにおすすめの犬種

犬を飼うための環境や心構えができたところで、次に考えておきたいのはどんな犬種を迎え入れるか、ということです。
「こんな犬を飼いたいな」という夢は広がりますが、実際問題として一人暮らしに適する犬種、適さない犬種がいます。
もちろん犬の個体差もありますが、一人暮らしに適した犬種を選ぶようにすると、トラブルの可能性を減らすことができるのです。

比較的一人暮らしに向いているとされる犬種の特徴は、下記の通りです。

・広いスペースを必要としない小型犬
・毛が抜けにくく楽にお手入れできる
・性格的に無駄吠えが少ない
・運度量が多くない
・性格が穏やか
・しつけがしやすい

一人暮らしに適した犬の条件をまとめると、「飼育する上でかかる時間・空間・費用が比較的少なく済む犬種」ということになります。
大型犬を飼うためには、体格に合った広いスペースが必要です。
さらに大型犬は運動量が多く毎日30分~1時間程度の散歩が必要になることからも、やはり忙しい単身者には向きません。

また、気難しい性格でしつけが大変とされる犬種や、日々のお手入れや部屋の掃除に時間がかかる毛が抜けやすい犬種も、飼い主への時間的負担が大きく、一人暮らしには適しません。

抜け毛が少なく、性格が温和かつ運動量も少ない小型犬のシーズーは、一人暮らしでも飼いやすい犬種の条件に当てはまります。
そのほかにも毛が抜けにくくしつけがしやすい、トイプードルマルチーズも飼いやすいでしょう。
性格が温和で無駄吠えが少ないキャバリアパグフレンチブルドッグも、一人暮らしに人気です。
性格的に無駄吠えが多い心配はあるものの、小型でお世話がしやすいヨークシャーテリア、チワワなども、比較的一人暮らし向きであるとされています。

一人暮らしで飼う犬の入手方法

一人暮らしの場合、どこから犬を迎え入れるのか、ということも重要なポイントです。
3つの入手方法それぞれのメリット、デメリットを確認しておきましょう。

ペットショップから購入する

○メリット
いろんな種類の犬を、気軽に見ることができる。
また、飼育に必要なグッズをまとめて購入できる便利さがある。

○デメリット
専門店でも、店員の知識にばらつきがある。
場合によっては、飼い方のアドバイスをもらえないことがある。

里親になる

○メリット
生体にかかる費用は無料の場合が多く、費用負担が軽い。
保護犬などの飼い主がいない犬を助けるボランティアになる。
成犬の場合、体の大きさが決まっている。

○デメリット
希望する犬種が手に入るとは限らない。
成犬を引き取る場合、しつけがしにくかったり、健康面に問題があったりする可能性がある。
子犬の場合、将来どのくらいの大きさになるのか予想できない。

ブリーダーから譲り受ける

○メリット
特定の犬種を専門的に繁殖しているケースがほとんどのため、犬種の特徴や飼い方、注意点について詳しいブリーダーが多い。
長年の経験があり安定したブリーディングを行うブリーダーの元であれば、育てやすく落ち着いた性格の子犬を選べる可能性が高い。
親犬、子犬の健康管理をしっかりと行っているブリーダーを選ぶことで、健康上の問題が少ない子犬を迎えられる。

○デメリット
見学には事前予約をしなければならない。
近場によいブリーダーがいない場合は、遠くの地域までお迎えに行く、もしくは出張販売や空輸などで犬を送ってもらう必要があり、お迎えの時間・空輸の運賃・空輸による子犬への負担等を考慮しないといけない。また、対面販売が義務付けられているため、空輸の場合もお迎え前に一度ブリーダーの元に出向き、子犬の確認と子犬に関する説明を受けなくてはなりません。

おすすめの入手先方法は……

特に注意したいのは迎え入れる子犬の健康状態です。
一人暮らしの場合、子犬の通院にかかる時間や費用は自分自身で工面しなければならず、負担は決して軽いものではありません。

したがって、一人暮らしの場合は比較的健康状態が安定した子犬が手に入る可能性が高く、飼育について詳しいブリーダーから迎え入れることをおすすめします。

一人暮らしで犬を飼うときの注意点

最後に、一人暮らしで犬を飼うとき具体的にどんなことに注意すればいいのか、単身者が押さえておきたいポイントをご紹介します。

留守番中のしつけはしっかりと

飼い主が留守の間、犬は長時間を1匹で過ごすことになります。徐々に留守番に慣らすしつけやトレーニングを行い、犬が負担なく過ごせるようにしましょう。
具体的には、おとなしくクレートに入る訓練やトイレトレーニング、生活音に対して無駄吠えしないためのしつけなどが必要です。

毎日決まった時間に餌を与える

子犬のときは成長に合わせて複数回、成犬になってからは1日2回のタイミングでの餌やりが基本になります。
朝出勤する前と、夕方帰宅してからなど、毎日決まった時刻で餌を与えることが理想です。
 
出張や残業で決まった時間の餌やりが難しい場合は、自動給餌器を活用します。あらかじめ自動給餌器にフードを入れておくと、タイマーでセットした時間に合わせて餌が食べられるようになります。

近年ではスマートフォンで遠隔操作ができるものなど、高性能な自動給餌器も販売されるようになりました。
急に使っても犬が餌を食べない場合もあるため、事前に慣らしておく必要があるでしょう。

室内の温度管理

夏季や冬季、寒暖差が激しい時期は、犬も体調を崩しやすくなります。犬が過ごす室内は、暑すぎず、寒すぎず、犬に合った室温に保つようにしてください。
犬種によっても異なりますが、室温の大まかな目安は下記の通りです。

シングルコートの犬種: 夏季22~25℃、冬季20~25℃
ダブルコートの犬種: 夏季23~26℃、冬季19~23℃

転倒事故などの危険がある石油ヒーター、ファンヒーターの使用は避け、クーラーやペット用のヒーターや、湯たんぽの使用がおすすめです。
こたつの中を好む犬もいますが、長時間の使用は脱水症状の恐れがあるため、留守番中の使用は避けましょう。

まとめ

いかがでしたか? 一人暮らしでも犬を飼うことは可能です。ただ、留守番中のケアについてはしっかりと考えてあげて、愛犬のストレスにならないようにしなくてはなりません。
また、犬は本来人間が大好きで、一匹でいることを得意としない愛情深い動物です。外出先から帰ってきたら、たっぷりかわいがってあげることを忘れないでくださいね。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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