犬の椎間板ヘルニアってどんな病気?

腰や首のあたりで、骨と骨のあいだにあるクッションのような役割を果たす軟膏組織を「椎間板」と言います。椎間板ヘルニアは、この軟骨が何らかの原因で変性し、組織の一部が飛び出してしまうこと。飛び出した椎間板が近くにある神経を圧迫して、脚や腰に痛みやしびれといった症状が現れます。悪化すれば歩行困難や排泄障害などを起こす、恐ろしい病気です。

椎間板ヘルニアは基本的にはどの犬種にも起こりえる病気。しかし、なかには椎間板ヘルニアになりやすい犬種というものがあり、さらなる注意が必要です。

注意したい、椎間板ヘルニアになりやすい犬種

ダックスフンド(ミニチュアダックスカニンヘンダックススタンダードダックス)
チワワ
ヨークシャーテリア(ヨーキー)
ビーグル
ペキニーズ
バセットハウンド
シーズー
コーギー
フレンチブルドッグ
ラサアプソ


椎間板に異常を起こしやすい犬の特徴に「軟骨異栄養性犬種」というものがあります。
このタイプの犬種は軟骨異栄養症という疾患の遺伝子を持っているため、成長期に軟骨がうまく発育せず、骨自体も形成不全の傾向があります。クッションの役割を担う椎間板がうまく発育しないため、日常生活での背骨に負担がかかり、椎間板ヘルニアになりやすいのです。

軟骨異栄養性犬種の代表がダックスフンドで、脚が短いのはこの遺伝子を持っているからだとされています。発育不全の椎間板と体型と相まって、椎間板ヘルニアを発症しやすいため、子犬のころから気を付けてあげましょう。

ちなみに「胴長」と言われるダックスフンドですが、脚が短いので相対的に見えるだけで、胴の長さはほかの犬とあまり変わりありません。

ココを見て!犬のヘルニアを早期発見する方法

犬の椎間板ヘルニアは自然治癒することはなく、放置すれば悪化する一方。しかし、初期であれば治療で90%程度の症状が軽快するため、なるべく早く治療を始めることが重要です。

・抱っこを嫌がる
・散歩中に立ち止まって動かない
・ソファや階段に登らない
・脚を引きずっている


愛犬にこのような症状が見られたら要注意。椎間板ヘルニアの症状は急に現れます。ほかの原因の可能性もありますが、まずは動物病院で医師に判断してもらいましょう。

もしも椎間板ヘルニアになったら治療法は

椎間板ヘルニアには内科的治療と外科的治療があり、どちらを選ぶかは進行の具合によります。初期なら内科的治療でも外科的治療でも回復する割合はあまり変化なく、90%のが軽快します。

内科的療法は痛み止めや消炎剤などの薬を投与し、安静にさせる方法です。場合によってはケージレストといって、トイレ以外はケージで安静にさせることもあります。ケージレストの期間は4~6週間で、犬にとっては苦痛ですし、飼い主もかわいそうに思ってなかなか難しいようです。レーザー治療を組み合わせることもありますが、外科的療法より回復が遅く、再発率も高いのが難点です。

外科的療法は手術を指しています。原因となっている椎間板を取り出し、骨を固定させます。その後はリハビリを経て回復に向かいます。内科的療法に比べて再発率は低いものの、ゼロではありません。原因となっている椎間板を取り出しても、椎間板は背骨の椎骨と椎骨のあいだにあるので、一か所手術してもほかの場所がまたヘルニアになる可能性があります。麻酔や痛みといったリスクも気になるところですね。

再発が多く、どちらの療法もそれなりにリスクや負担があるため、やはり予防することが重要でしょう。

椎間板ヘルニアの予防は「腰に負担をかけない」!

犬の椎間板ヘルニアは、遺伝的になりやすい要因なども関係しますが、多くは生活習慣が原因となります。
予防するために、まず大切なのは肥満防止。体重が増えすぎると腰に負担がかかり、さらに動くのがおっくうになって運動不足になるなど、椎間板ヘルニアにどんどん近づいてしまいます。ほかの病気にもかかりやすくなるため、愛犬の食事や運動は飼い主がしっかり管理しましょう。

フローリングは滑りやすく、犬の関節に負担がかかります。カーペットやマットを敷いたり、滑り止めワックスを塗ったりと、犬が歩くときに滑らない工夫をしてください。肉球まわりの毛をこまめにカットすることも大事ですね。
段差にも対処が必要です。犬にとって後ろ足で立ち上がるのは腰に負担をかけることです。ベッドやソファ、階段などは最初から登らないようにしつけるか、スロープや踏台などを用意して、愛犬が負担なく登れるようにしましょう。抱っこするときに縦ではなく横向きにしてあげると、愛犬の腰に負担がかかりませんよ。

適度に運動させて筋肉を鍛え、成長期に十分な栄養素をとらせることも椎間板ヘルニアの予防につながります。

まとめ

椎間板ヘルニアは、日常生活の工夫でリスクを減らすことができます。愛犬の腰に負担をかけないようにするにはどうしたらいいか、しっかり考えましょう。また、早期の椎間板ヘルニアは90%程度が改善できるため、早期発見・早期治療が重要です。愛犬のちょっとしたサインを見逃さず、異変があればすぐに動物病院に連れて行きましょう。