犬の平均睡眠時間

みなさんは、自分の犬が毎日どれぐらい寝ているのか、睡眠時間は適切かどうかを把握していますでしょうか。
基本的に犬は人間よりも長時間の睡眠を必要としているのです。

成犬の睡眠時間

犬の平均睡眠時間は、10~11時間程度です。人間よりも2~3時間は多く眠っている計算です。
一般的に、成犬が必要とする睡眠時間は12~15時間程度と言われています。実に1日の半分以上、眠っていることになりますね。
この長い睡眠時間が、犬の体をしっかり休め、活動のためのエネルギーを蓄えることにつながるのです。

子犬の睡眠時間

生まれたばかりの子犬は、成犬よりもさらに長い時間の睡眠を必要とします。時間にすると、18~19時間とも言われ、1日のほとんどを寝て過ごすことになります。
好奇心旺盛で活発に動き回り、さまざまなことを学習する子犬の期間は、成犬やシニア犬と比べてかなり多くのエネルギーを消費します。体力を回復するためには、より多くの睡眠が必要となるのです。
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人間の平均的な睡眠時間は、6~8時間と言われていますが、子犬の場合はどうなのでしょうか。たくさん遊んで、たくさん寝るのが子犬の1日。睡眠は、健康な成犬になるために大切なものです。

シニア犬の睡眠時間

シニア犬も、成犬より長めの睡眠が必要です。睡眠時間は、成犬時の10~12時間から、歳を重ねるごとに長くなっていきます。やがては1日のほとんどを横になって過ごすようになります。
元気いっぱいに動き回る子犬時代とは対照的に、シニア犬は散歩の歩調も遅くなり、徐々に活動時間が少なくなっていきます。
活動時間が少なるとともに、体力はどんどん衰えていき、より多くの休息(=睡眠)が必要となります。

このように、犬の年齢によって必要な睡眠時間は変化していきます。
子犬は長く深い睡眠をとり、成犬は外部刺激に敏感で必然的に睡眠が短くなり、逆にシニア犬は、外部刺激への反応が鈍くなるぶん睡眠時間が長くなるという変化があります。

犬種での違い

さらに、犬種の違いでも必要な睡眠時間に違いがあります。
犬のなかでも比較的長い時間の睡眠を必要とするのは、セントバーナードマスティフなどの超大型犬です。身体のつくりが大きいことに比例して、活動に必要なエネルギーの消費量も大きく、回復までにかかる時間も長くなります。
逆に睡眠時間が短くなるのは、シベリアンハスキーボーダーコリーといった作業犬(人間を手伝うために改良されてきた犬)です。作業犬たちは仕事をこなすための長時間の活動に適応するため、睡眠時間は短い傾向にあると言われています。

犬の睡眠時間が長い理由

なぜ、犬は1日の半分以上もの長い睡眠が必要になるのでしょうか。それらは犬の野生時代の習性・習慣によるところが大きいのです。

野生で生活していた頃の名残

野生の時代、犬は夜行性でした。狩りで獲物を捕まえるためには、見つかりにくい夜中に活動したほうが好都合だったのです。
やがて人間と生活するようになった犬は、狩りをする必要がなくなったため、睡眠のリズムも人間に合わせたものへと変化していきました。ただし、野性時代の昼間に眠る習慣は残ったまま、昼夜問わず長い睡眠をとる生活スタイルになったのです。

眠りのほとんどがレム睡眠

犬の睡眠時間が長いもう一つの理由として、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)のバランスがあります。
人間の場合は、約90分のサイクルで1晩に4~5回レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。
一方、犬の睡眠はほとんどがレム睡眠です。割合でいうと約8割が浅い眠りとも言われています。これも野生時代の名残で、外敵から襲われる危険に備えてすぐ起きられるように浅い眠りが多くなっているのです。
オーストラリアの大学のとある実験結果として、犬が夜間に寝ている8時間の間、約20分周期という短いサイクルで、レム睡眠とノンレム睡眠が起こっていたという報告も上がっています。

犬の睡眠時間が不足した場合

人間よりも長い時間の睡眠を必要とする犬ですが、慣れない環境や何らかの要因で寝不足になるとどうでしょうか。

大きなストレスがかかる

第一に、必要な睡眠時間を確保できないと、犬に大きなストレスがかかります。
特にお迎えしたばかりの子犬などは環境の変化に適応できず、しっかり眠れない日々が続きます。その結果、しつけがうまくいかなくなったり、問題行動を起こす原因になったりするのです。

寿命が縮まってしまうことも

次に、睡眠不足は犬の肉体と精神に悪影響を及ぼし、結果として寿命を縮めてしまう可能性があります。外部からの刺激が多かったり、不快な環境におかれたりすることは、犬の睡眠にも多大な影響を及ぼす場合も。
人間と同様、睡眠は犬にとっても必要な休息です。犬の場合も、体と脳、そして心をしっかり休めることで、健康を維持することができるのです。

犬の快適な睡眠のためにできること

飼い主として、安心して犬を眠らせてあげるためには何ができるでしょうか。
下記のようなポイントを押さえて、犬の睡眠時間を確保してあげましょう。

犬が安心して眠れるようなベッド、寝床の確保

まずは犬がぐっすり眠れる場所を用意してあげることです。
専用のベッドがあるとよいですが、フカフカ、ふわふわしているものは不安定で犬にとって快適な寝床ではありません。
犬が安心して静かに眠れる場所に、ちょうどよい固さとサイズのベッドを用意します。床からある程度距離がとれる高床や底が厚いベッドがあるとベストです。直接床に寝てしまうと、人間の生活音や振動が伝わり、寝不足の原因になります。

また、あごを乗せて眠れるまくらもオススメのグッズです。体のなかで一番重いパーツである頭を支えている首回りは疲労しやすいと言われています。
安定したまくらにあごを乗せられると、首の疲れを軽減が期待できます。犬のサイズに合わせてちょうどよい高さのものを用意しましょう。
へりの部分が高くなっているタイプのベッドも、あごのせに最適です。

また、寝床は家族集まるリビングなどに用意してあげるのがおすすめです。家族と一緒に過ごすのが好きな犬が多いので、家族が見れる位置に用意すると犬が安心してくれるでしょう。

犬にとって快適な温度管理

快適な睡眠のためには、適切な室温管理も重要なポイントです。
犬にとっての適温は、犬の年齢や犬種によって多少のバラつきがあります。子犬やシニア犬は体温調節がうまくできないので、夏場の冬場の冷えに注意しましょう。

<犬が快適に過ごせる室温>
シングルコートの犬種: 夏季22~25℃、冬季20~25℃
ダブルコートの犬種: 夏季23~26℃、冬季19~23℃
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適度な運動をさせる

運動不足でエネルギーの発散ができないと、睡眠にも悪影響を及ぼしてしまいます。
良質な睡眠のためには、犬の運動量に合わせて日中に適切な散歩時間をとることが大事です。
運動量が足りないときは、ドッグランなどの施設を活用したり、おもちゃを使って一緒に遊んだりすることで不足分を解消させてあげましょう。
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まとめ

今回は犬の睡眠について詳しく解説しました。犬の睡眠時間が長い理由が分かれば、たくさん寝かせてあげたいという気になりますね。
飼い主として、良質な睡眠を取れる心地よい環境を整えてあげましょう。

現代人の睡眠不足が社会問題化している今日、たまには愛犬と一緒にゆっくり休んでみるのもいいかもしれませんね。

参考文献 Sleep-wake cycles and other night-time behaviours of the domestic dog Canis familiaris http://researchrepository.murdoch.edu.au/id/eprint/34244/

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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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