いっぱい寝るのが子犬の仕事！ 子犬の睡眠時間はこんなに長いんです

犬は、長い時間を睡眠に費やしています。成犬は、1日当たり12～15時間程度。子犬と老犬はさらに長く、1日に18～20時間もの間寝ています。

老犬の場合は、体力の衰えによって活動時間が短くなるため、寝ていることが多くなります。では、子犬はどうして睡眠時間が長いのでしょうか。
これには、子犬ならではの理由がありました。

子犬の時期は、見るものすべてが新鮮。豊かな好奇心を発揮して、自ら興味のある場所に向かい、臭いを嗅いだり触ったりして、遊びながらいろいろなことを学習します。興味は尽きることなく、あっちに行ったりこっちに行ったり。せわしなく動きます。

遊んでいるときは、たくさんのエネルギーが消費されるので、子犬は長い睡眠時間を取って体力を回復させます。人間の子どもも遊んだ後は疲れて寝てしまいますが、子犬でも同じなのですね。

やんちゃで遊びが大好きな子犬は、20時間以上寝ていることも。遊んでいるか寝ているかのどちらか、といった極端な生活リズムになることも珍しくはありません。

その昔群れで生活していた犬は、飼い主や家族と同じ場所で過ごすのを好むため、飼い主と同じ寝室を寝る場所にするのがいいそうです。
しかし、家庭によって事情があるので、犬と寝室で寝るのは無理ということもあるでしょう。その場合は、なるべく静かで暗くできる場所を選んであげてください。

昼間は平気で寝ていたのに、夜になると夜泣きする子犬もいます。その場合は、ケージやハウスの上からタオルケットなどをかけ、光を遮断します。鳴き声に反応して様子を見に行ったり声をかけたりすると、犬はかまってもらえたと思ってしまうので、心を鬼にして無視してください。

犬に添い寝することにあこがれのある飼い主もいますね。
「上下関係が崩れるから同じベッドで寝てはいけない」という説もありますが、「リーダーと寝るのは安心できる行為だから構わない」という説もあります。
ただし、愛犬と同じ布団で寝る場合、特に小型犬だと、人間の寝返りなどで犬を押しつぶしてしまう危険性があります。また、飼い主と離れると問題行動を起こす「分離不安」になるなどの可能性もあります。

人間の睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠をくり返していますが、犬も同じです。長い睡眠時間の中で、レム睡眠とノンレム睡眠をくり返しています。

子犬の時期は、ノンレム睡眠が多いのが特徴。体力を回復させているほか、自分で動いて学習したことを頭の中で整理していると考えられています。また、睡眠中は、子犬の成長に欠かせない成長ホルモンが分泌されています。「寝る子は育つ」と言いますから、子犬がぐっすり寝ているときは、そっと見守ってあげましょう。

ちなみに、レム睡眠のときは、いつでも動けるように伏せのポーズのまま寝ていることが多く、ノンレム睡眠のときは、体を横に倒したりお腹を見せたりと、リラックスしたポーズで寝ています。

成長につれ、だんだんとノンレム睡眠が少なくなっていきます。成犬になると、睡眠の約8割がレム睡眠に移行します。

子犬のうちは睡眠時間が長いのが普通なので、たくさん寝ていても心配はありません。しかし、あまりにも長い時間寝ている場合は要注意。ホルモンバランスの崩れ、過度のストレス、病気で体を動かすのが辛くて寝ている、などが考えられます。

関節や体の一部が痛くてぐったりしていることもあるので、体を触って子犬が嫌がったり痛がったりしないか、確認してみましょう。そのほか、「いつもと様子が違うな」と感じたら、自己判断はせず早めに動物病院を受診することをおすすめします。

子犬の平均睡眠時間は、18～20時間。たくさん遊んでたくさん寝る、をくり返して成長します。子犬の頃の睡眠は、眠りが深いノンレム睡眠が多いのが特徴で、体力回復のほか学習したことを頭の中で整理している時間と考えられています。

子犬のころの良質な睡眠時間は、健康な成犬になるために欠かせないものです。子犬が安心して眠れる場所を用意し、成長を見守ってあげましょう。