犬も寝言を言うの?

犬も、私たち人間と同じように、寝言を言ったり、寝返りをうったり、いびきをかいたりします。
犬の睡眠や寝言については多くの調査が行われています。結果をまとめてみると、少なくとも飼い主さんの半分以上が、愛犬の寝言を聞いたことがあると返答しているようです。
寝言は言うのは、犬の習性によるものだという見方もあります。頻度はさまざまで、たまに言う子もいれば毎日言う子もいるようですが、いずれのケースも心配いらないといっていいでしょう。

犬が寝言を言う理由

犬の睡眠

犬の睡眠も、人間の睡眠と同じように、浅い眠りと深い眠りを繰り返していることが分かっています。

浅い眠り(レム睡眠): 体は眠っているが、脳は起きていて、眼球が動いている(レム)状態。夢を見るのはこのレム睡眠中がほとんどだといわれています。
深い眠り(ノンレム睡眠): ぐっすり眠っていて、眼球が動かない(ノンレム)状態。体も脳も眠っています。

私たち人間は、レム睡眠とノンレム睡眠を約90分サイクルで繰り返しています。
犬の場合もレムとノンレムを繰り返すのですが、犬のノンレム睡眠は短く、合計しても、全睡眠時間の2割程度しかないといわれています。つまり、愛犬が1日の半分眠っていても、体も脳も眠っているノンレム状態の時間は、わずか2~3時間ほどということになります。
これは睡眠中でも常に外敵を警戒する必要がある、多くの野生動物に備わった本能と同じものです。そのため犬は、眠っているように見えても、ちょっとした物音に反応したり、名前を呼ばれたことに気付いたりします。

犬も夢を見る?

犬の睡眠については多くの調査が行われていますが、夢を見ているかどうかは証明できたわけではない、というのが本当のところです。
実験によりラットは夢を見ることが分かっています。ラットが夢を見るのだから、犬も見ると断定して問題ないだろう、という見解です。さらに、さまざまな睡眠調査で分かった結果から推察して、犬も夢を見ているだろうといわれています。

寝言は犬によってさまざま

犬も寝言を言います。寝言は犬によって全く違い、個性的です。唸ったり、キュンキュン悲しそうに鳴いたり、悲鳴をあげたりする犬もいますし、まるで起きているようにはっきりとワンワン鳴いたり、遠吠えをしたりする犬もいます。
寝言だけでなく、お散歩をしているかのように足を動かしたり、ピクピクと痙攣したり、白目をむいたりと、体に反応があらわれることも多くあります。フンフンと鼻息を荒くする犬もいれば、なかには「うふふふ」と笑ったり、尻尾を激しく振ったりする犬もいます。
実にさまざまですが、これらすべて夢と連動している行動で、犬の習性ともいえるものであり、正常な反応ですので心配はいりません。

犬が寝言を言っているときはどうする?

愛犬がしょっちゅう寝言を言っているから心配だ、という飼い主さんは少なくないようですが、寝言をやめさせるのは難しいことです。私たちが、寝言を言わないよう気を付けなさいと注意をうけても、治すのが難しいのと同じです。寝言は、睡眠中の無意識下で行われるものだからです。

愛犬が寝言を言っているときに起こすのもNGです。
英語のことわざで「Let sleeping dogs lie.(寝ている犬は起こすな。)」というものがあります。日本語では「さわらぬ神にたたりなし」が最も近い意味のことわざになるでしょう。犬の眠りを妨げるのは良くないということです。愛犬がちょっと心配になるくらいの寝言を言っても、ことわざの通り、起こさずそのまま寝かせておいてあげましょう。

犬が自分の寝言に驚いて飛び起き、寝ぼけてパニックになることがありますので注意しましょう。愛犬が寝ぼけて目を覚ましたときでも、飼い主さんがそばにいるのが分かれば、すぐに落ち着くはずです。

寝ているときにあまりに不自然な様子があったら、それは何かの病気の症状化もしれません。病院に相談しましょう。できれば動画を撮り、獣医さんにみてもらうことをおすすめします。

実は危ない? 寝言よりも心配な犬のいびき

犬のいびきが危険な理由

みなさんは、愛犬のいびきを聞いたことがありますか?寝言は、多くの飼い主さんが「聞いたことがある」と答えるのに対し、いびきはそれほど多くないのではないでしょうか。

いびきは、口や鼻から空気が取り込まれる際に、その通り道が何らかの原因で振動するために起こります。
寝言と違い、危険な病気の症状である可能性があり、出来ればいびきをかかないよう対処したほうが良い場合もあります。
ここでは、いびきの原因3つと、それぞれの対処法を解説します。

1. 犬種

愛犬のいびきを「聞いたことがある」と答えた飼い主さんに、さらに愛犬の犬種について尋ねてみると、ブルドッグパグシーズーなど、短頭種と呼ばれる犬種が多いことが分かります。
愛らしい鼻ぺちゃ顔は、呼吸がしづらい構造をしており、先天的に呼吸器系疾患を持っている個体が多くみられます。いびきをかくだけでなく、睡眠中に口呼吸になったり、呼吸のしづらさから目を覚ましたり、また、普段の呼吸で「ゼーゼー」という雑音が聞こえる場合は、短頭種に多いとされる先天性疾患の症状かもしれません。

2. 肥満

肥満のため空気の通り道が狭くなり、いびきをかいているケースもあります。肥満が原因であれば、食事を見直し、運動量を増やすなどをして、ダイエットをしましょう。

3. 病気

アレルギー性鼻炎: タバコの煙や花粉、ハウスダストなどに反応し、粘膜炎症や鼻詰まりを起こしている場合は、口呼吸になりいびきをかきやすくなります。
清潔な生活空間を保つよう心がけ、空気清浄機を使用するなどをして、できるだけアレルギー物質を排除しましょう。
鼻腔狭窄症: 短頭種によくみられる先天性疾患のひとつです。鼻腔が狭くなり呼吸がしづらくなる病気で、いびきをかいたり、起きているときでもいびきのように鼻が「グーグー」鳴ったりします。
重度になると少しの運動で酸欠になることもあり深刻な病です。しかし、悪性疾患ではないので、正しい処置を行うことで大きな改善も見込めるようです。気になる症状がみられた場合には、病院で相談されることをおすすめします。
軟口蓋過長症: 軟口蓋とは、喉の手前上にある柔らかい部分のことで、これが呼吸器を圧迫するほどに長くなり、呼吸を妨げてしまう病気をいいます。
症状はいびきの他に、普段の呼吸で聞こえる雑音、飲んだり食べたりした後の咳込みなどがあります。
また、肥満が症状を悪化させる可能性がありますので、体重管理に注意しましょう。予防が難しい先天性疾患ですが、肥満予防は効果的といえます。

まとめ

犬が夢を見ているかについては、まだ証明されていませんが、愛犬が目や足をピクピクさせながら寝言を言っている姿を見ている飼い主さんなら、間違いなく夢は見ていると信じているでしょう。また、その夢が楽しいものであってほしいと、願っていることでしょう。
いびきについてはシリアスな原因が潜んでいる可能性もありますので、愛犬の様子をしっかり観察してください。
 執筆者プロフィール
No dog No life

特に牧羊犬が大好きです。
一番の関心事は「シニアわんことの暮らし」。
「人と動物の共生」「ワンヘルス」にも関心があり勉強中です。

動物愛護フェスティバル実行委員。
某県の災害時動物救護ボランティアチームに所属。
某県の動物愛護センターの登録ボランティア(おうちに帰れなかった犬たちの保護と譲渡のお手伝い)もしています。

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