室内飼いの猫にも首輪は必要?

リードをつける必要のある犬と違い、猫は必ずしも首輪をつけなくてはならないわけではありません。さらに、完全に室内で飼っている場合は特に首輪が役立つ場面はなさそうです。
かわいいデザインは魅力的ですが、そのほかに猫に首輪をつけることにどんな意味があるのでしょうか。メリットとデメリットを調べてみました。

メリット

① 迷子になったときの身元確認に

子猫のころから完全室内飼いでも、何かのタイミングで猫が脱走してしまうことがあります。野良だった猫を保護して飼っている場合などはなおさらですね。

外で迷子になってしまうと、首輪がなければ猫の身元がわかるものはありません。
すぐに飼い主が見つけてあげられれば問題ありませんが、誤って保健所などに捕獲されてしまったり、殺処分されたり、と思うと気が気ではないですよね。

マイクロチップを埋め込む方法もありますが、チップがあるかどうか外から見ただけではわかりませんし、保健所や病院などマイクロチップのリーダーがあるところに連れて行かなければ照会できません。

首輪に猫の名前や連絡先などを書き込んだり、迷子札をつけたりすれば、迷子になったときに連絡をもらえる可能性が高まります。

② 鈴をつければ猫の居場所がわかる

家のなかで猫がどこにいるのかわからなくなることはありませんか? 猫がいることに気付かず部屋に閉じ込めてしまったり、うっかり踏んでしまったり。

怖がりの猫だと、動物病院に連れて行かれる気配を察したり、来客があったりすると隠れてしまうことがありますが、しばらく姿が見えないと心配になりますよね。そんなとき、猫に首輪をつけていれば、鈴をつけることができます。
また、多頭飼いで一方の猫が一方の猫にちょっかいを出しすぎるという場合に、活発なほうの猫の首輪に鈴をつけておく、という飼い主もいます。

デメリット

① ストレスがたまる

首輪の一番のデメリットは猫のストレスになる可能性があるということでしょう。
きれい好きな猫は、首輪をしていることで毛づくろいできずにフラストレーションがたまることがあるようです。首になにかつけられているという状態そのものがストレスになる可能性もあります。

鈴やチャームがついている場合はなおさら。基本的に猫は大きな音を嫌うので、動くたびに近くで鳴る鈴やえさ皿に当たって音がするチャームを不快に感じるかもしれません。大雑把な性格の猫ならすぐ慣れてくれるでしょうが、神経質な猫ならストレスを感じてしまうでしょう。
なるべく飾りが少ない首輪を選び、鈴のない首輪から試すといいですね。

② 引っかかり事故

首輪がなにかに引っかかって首吊り状態になり、それで窒息してしまうことがあります。また、首輪から抜けようとしてあごが引っかかって猿ぐつわのようになったり、肩を通したところで止まってたすき掛けになったりしてしまうこともあります。最悪の場合、命を落とすこともあり、首輪をつけることの大きなリスクです。

一定以上の力が加わると外れる「セーフティバックル」がついた首輪や、一部がゴムになっている首輪を選ぶと、万が一のときに事故になりにくいでしょう。

③ ハゲや皮膚炎

首輪をつけている部分の毛が擦れて切れ毛になり、薄くなってしまうことがあります。毛根がダメージを受けると毛が生えてこなくなる危険性も。首輪の素材が刺激になったり、長年同じ首輪をつけ続けることで雑菌が繁殖したりして皮膚炎を発症することもあります。

首輪は交換用を用意してたまに洗うようにしてください。首の部分はまめにブラッシングしてあげましょう。毛が擦れにくいよう適正なサイズをしっかり選んでください。長毛種の場合は細めの首輪を選ぶといいですよ。

猫に首輪をつけるときの選び方

猫に首輪をつけることにはメリットもデメリットもあります。そのうえで、首輪をつけることに決めたなら猫にぴったりのものを選んであげたいですね。

まずは、猫の首のサイズを測りましょう。首輪をつける位置をメジャーで測ります。
首輪のサイズはつけたときに指1~2本入るように調節してください。短毛種であれば測った長さに1~2cm程度、長毛種なら2~3cm足した長さが適正サイズです。サイベリアンなど毛量が多い猫でもゆとりは最大で4cm程度にとどめましょう。

さまざまなデザインがありますが、初めは軽く装飾の少ないシンプルな布製を選びましょう。猫は革製だとにおいや重さを嫌がることがあり、リボンやチャームなどの装飾は首輪自体に慣れない猫にとって邪魔になるかもしれません。少しずつ慣らしてかわいらしいデザインに挑戦しましょう。

首輪をつけてみて、暴れたり元気がなくなってしまったりする場合は首輪をゆるめるか外すかしてください。猫が嫌がる場合は、急に長時間つけっぱなしにするのではなく、毎日少しずつ首輪をつける時間を延ばして慣らしていくのもいいですね。

まとめ

猫に首輪をつけることには、メリットもデメリットもあります。どちらを優先するかは飼い主と猫次第。安全面を最優先によく検討して、猫に首輪をつけるかどうか決めましょう。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。
 監修者プロフィール
獣医師・トリマー・ドッグトレーナー / ペットスペース&アニマルクリニックまりも病院長
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています。

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