相談内容:トリロスタンとプレドニンの併用について
飼い主からの相談
お世話になります。
先日、急性膵炎の疑いで愛犬が治療を開始したのですが、愛犬はクッシング症候群でトリロスタンを服用しております。今回膵炎を発症してからコルチゾールの値がこれまでの10倍近くに上がりました。体が炎症を抑えるために出していると思われますが、もともと高かったコルチゾールで既に慢性肝炎があり、それが悪化したのか肝数値も一気にあがりました。
ブレンダと肝保護剤(チオラ、グリチルリチン、グルタチオン)の使用でリパーゼと肝数値は落ち着いてきましたが、黄疸とビリルビン血症、GGTの値が急上昇し、CRPも測定範囲を超えている状況です。
そこでご提案があったのが、経歴を考慮すると内因性コルチゾールが増えすぎているせいで胆汁がうっ滞し、胆嚢炎を起こしている可能性が高い。それをどうにか抑えるため、トリロスタンを増量し、NSAIDが使えない状況なのでブレンダとプレドニンを炎症抑制量(1mg/kg sid)で開始しようというお話でした。
担当医の方のお話では、クッシング症候群で内因性コルチゾールが高い子でも、理由はよく分からないが、外から薬としてステロイドを入れると炎症が一気に引き、状態がよくなることもあるからということです。
これについて、私が疑問に思ったのは
・実際上記のようなケースを他の獣医様もご経験されているのか(もしくは聞いたことがあったり、レポートがあったりするのか)
・プレドニンを入れることで肝炎、胆汁うっ滞が悪化し、ビリルビン血症や黄疸も悪化するリスクが高いのではないか
・そもそもプレドニンとトリロスタンを併用するということはどうなのか
ということです。
ブレンダは抗炎症薬というよりは、これ以上炎症を進行させないようにするための薬だということで、ブレンダだけでは炎症は引かないから、何かしらの抗炎症薬を入れないといけないが、ステロイドとNSAIDが併用できない以上、プレドニンしか選択肢がない。しかし、内因性コルチゾールが胆汁うっ滞の元凶なのであればそれも下げないといけない。というお話を伺っております。
プレドニンが内因性コルチゾールと比較して何か違うのか、1mg/kgというのはどれくらいの強さなのか(内因性コルチゾールのどれくらいに相当するのか)、ということが素人の私はわからないため、飼い主としてはこの治療に関して少々不安を感じております。
もしご意見やお考え、アドバイスなどいただけましたら、大変助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
浅川雅清先生(フリーランス獣医師)からの回答

こんにちは。
かなり病状が重たく、とても心配な状況ですね。
詳細に経過もありがとうございます。
ご質問がかなりコアなので、一部お答えできない部分があり、申し訳ございません。
まず、内因性コルチゾールとプレドニン(プレドニゾロン)の違いについてですが、プレドニゾロンはコルチゾールの1種であり、内因性コルチゾールはプレドニゾロンを含めた多種類のステロイドの総称だと思って頂ればと思います。
ですので、トリロスタンとして内因性のコルチゾールを抑え、抗炎症薬としてプレドニゾロン単体を使うことは、理論上可能であり、私自身も慎重に使用したことはあります。
1mg/kgというのは、ある程度しっかりした抗炎症作用を期待した量だと思って頂ければよいかと思います。
また、病状としてもプレドニゾロンに賭けるしか、内科治療は方法がなさそうに思えます。
個人的な予想としては、膵炎から肝外胆管閉塞になっているのではないか?と思えるような経過です。
プレドニゾロンで反応が無い場合は、外科的な対応が必要となるかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
相談内容:痙攣と内蔵疾患
飼い主からの相談
10歳 チワワ(女の子)1.2キロです。
皮膚疾患で通院中、アポキルを服用してます
今年の4月に初めて痙攣をおこしました。薬は皮膚の状態が酷くなったので アポキルと抗真菌薬を服用してました。
救急病院に行き、採血した時は薬の影響もあって 肝機能の数値が異常に高くなっていました(3000台)
主治医の先生に相談して抗真菌薬は服用中止、 ウルソを処方してもらい 肝機能の数値も戻ったのでウルソもやめました。
その後 痙攣はなかったのですが、11月21日深夜 再び痙攣
その時は3回痙攣がおこってしまいました
今回の採血結果で高値だったのが、グルコースが212、BUNが33、ALTが735、GGTが61でした
胸部レントゲンは肺が少し白くなっていると言われました
脳疾患を疑われたのですが 前回、今回とも内蔵の数値が異常に高かったのでそれが原因じゃないかと思ってます
MRIやCTを撮らないと脳疾患の確定病名がつかないとのことですが 麻酔は呼吸器の心配があるのでやりたくないので 痙攣の原因が何とかわかればと思ってます
つたない文章で申し訳ありませんが 肝機能低下で痙攣が起こる可能性があるかご教授頂ければと思います 宜しくお願い致します
浅川雅清先生(フリーランス獣医師)からの回答

追加のご質問ありがとうございます。
そうですね、血液検査的には内臓からの可能性は低いと思われます。
他、お話頂いた範囲で痙攣発作に関係がありうるものとしては、血糖値が軽度に高いのは、発作によるアドレナリンの放出によるところと推察されます。
胸部レントゲンでの肺の白さも、もしかしたら神経原性の肺水腫に近いものかもしれません。
あとは、痙攣発作の「型」が脳神経学的な発作のような感じがすれば、ほぼ脳の疾患だと思われます。
ご参考になれば幸いです。
浅川雅清先生(フリーランス獣医師)からの回答

こんばんは。
繰り返す痙攣で、とても心配ですね。
仰る通り、痙攣には脳神経から来るもの内臓から来るものと、二パターンあります。
脳神経に関しては、MRIを撮らないと判断がつきにくいです。
原因としては、年齢的には脳腫瘍・脳炎が挙げられます。
内臓から来るものに関しては、尿毒症、アジソン病、低血糖、電解質異常などがあり、肝臓でいうと「高アンモニア血症」で痙攣が起こります。
ATL,GGTは肝酵素値であり、実際の機能は示しておりません。
肝機能を推察する数値は、BUN、ALB、GLU、T-chol、T-Bil、HN3(アンモニア)、TBA(総胆汁酸)です。
これらの項目はすべて測定していますでしょうか?
そこに異常がある場合、慢性肝炎などによる「後天性門脈シャント」が形成され、痙攣をおこしている可能性があります。
追加のご質問があれば宜しくお願い致します。
ご参考になれば幸いです。
相談内容:肝臓数値の悪化
飼い主からの相談
ジャックラッセルテリア 9歳 メスです。
田んぼや畑が多い環境で暮らしています。
2年半前に腸リンパ管拡張症の疑いで投薬治療を続けています。
ワクチンは腸リンパ管拡張症になってからは打っていません。
ステロイド半錠とアトピーの薬を交互に、ウルソは毎日投薬し
サプリなども使用してアルブミン値は安定していました。
最近は中性脂肪の値が高くダイエット中でしたが・・・
定期血液検査で肝臓の数値が上昇していることがわかりました。
8/20 GPT 314 ALP 49 好中球 8.61k crp 0.6
9/17 GPT 659 ALP 93 好中球 8.94k crp 0.3
他はすべて正常値でした。8/20時点で強肝剤を使用しましたが
改善しませんでした。
画像診断(CT レントゲン エコー)では肝臓が若干小さいが
門脈シャントや腫瘍は見つかりませんでした。
(胆泥はあり)
原因が特定できず、今は周辺の除草剤や殺虫剤などを疑い
散歩禁止になています。強肝剤も2種類に増えました。
10日間ほど様子をみてみることになり、肝生検もするかもしれません。
本人は食欲も旺盛で散歩も行きたがる為辛いところですが。
考えられる病気としてなにかありますでしょうか。
浅川雅清先生(フリーランス獣医師)からの回答

追加の経過の情報ありがとうございます。
胆嚢粘液嚢腫に関しましては、むしろ基本外科疾患です。
今まで経験してきた症例も、基本手術を行い予後は良好です。
もしかかりつけの先生が手術に積極的でない場合は、大きな病院にご紹介頂くことも検討しましょう。
ご参考になれば幸いです。
浅川雅清先生(フリーランス獣医師)からの回答

追加のご質問ありがとうございます。
感染性の疾患ということに関しては、可能性は低いかと思われます。
感染性の疾患の場合は、概ね急性の経過を取ることが多く、今回のようにじわじわ上がることは少ないと思われます。
が、こと胆嚢に関しては、慢性の胆嚢炎もありますので、そこは肝臓ではなく胆汁の細菌培養が必要になりますね。
また経過を是非お聞かせ頂けたら幸いです。
ご参考になれば幸いです。
浅川雅清先生(フリーランス獣医師)からの回答

こんばんは。
肝臓の数値が改善無く心配ですね。
肝臓の数値は、なかなか難解ですよね。
わたくしもいつも迷います。
まずは、この肝臓の数値がいつから高かったか?が大事です。
幼少の頃から既に高ければ、門脈微小血管異形成みたいなものを想像します。
腸リンパ管拡張症の治療を始めてから高くなったのならステロイドが原因かと想像します。
高齢になって高くなっているのなら、例えばホルモンの疾患があると、二次的に肝臓の数値が高くなります。
CTまで撮られているので、その辺はしっかり除外されていると思いますが。
となると、後は肝臓そのもののトラブルとなります。
そうなると、肝臓の生検しか方法はないと思われます。
残る疾患は、肝臓が小さいことから慢性肝炎/肝硬変が第一に考えられ、アミロイドーシス、銅の蓄積といったマイナーなものが鑑別に挙げられるでしょう。
治療に関しては、生検を経ても、肝臓のお薬を複数飲むしか方法は無いかも分かりません。
ご参考になれば幸いです。
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相談内容:肝数値異常
飼い主からの相談
3月の血液検査にて、肝数値が上昇していることが判明し、現在も通院しております。
AST約400、ALT、ALP2000越えのかなりの高値です。総コレステロール、GTPは少し下がってきましたがそれでもまだ高めです。ただ、元気はあります。
腎臓異常があると動く数値に関しては問題無いそうです。
半年ほど前より食べムラがありました。全く食べない訳ではなく、好きなものには喜びます。ですが、どことなく気持ち悪いのかな?とは見てて思います。
また、異常な口臭がありましたが現在は落ち着いています。
超音波検査では胆泥が少しあるとのことでしたが、これだけの数値になるとは考えにくいとのこと。
皮下点滴、筋肉注射、投薬(ウルソ)もしましたが、数値改善はありません。
元気は変わらずあります。
肝生検をすることになりましたが、4月上旬に引っ越しがあり環境変化によるストレスを感じているのが目に見えて分かるので、今の状態で全身麻酔と開腹、というのが少し不安です。
ただこの現状、肝生検が最善なのでしょうか。
食事に関してはこだわっておりましたので、添加物などは避けておりました。(K9トライプやグレインフリーフード)
現在はとにかく体重が落ち気味なので食べるものを食べさせています。それでもなるべく添加物系は避けていますが…。
おやつは日頃からほとんど与えておりません。
ご回答お待ちしております。
栗尾雄三先生(konomi動物病院)からの回答

ご連絡ありがとうございました。
少しでも参考になりましたでしょうか。
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栗尾雄三先生(konomi動物病院)からの回答

獣医師の栗尾と申します。
肝生検が最善かどうかは、結果がものを言う形となりそうです。
もちろん、全身麻酔や手術となりますので、絶対安全とは言えません。万が一のことがあれば、後悔することになるかもしれません。
一方で、検査することで解決の糸口がみつかればまた話は違ってくるかもしれません。
ただ、多くの場合、うまく解決することは少ないと思っておいていただいた方がよいかもしれません。
良くなる可能性があるとき:切除可能な腫瘍性疾患・寄生虫など
良くならないとき:微小血管の問題、浸潤性の腫瘍、慢性肝炎など
となります。
正直、寄生虫が問題となっているケースは今の時代ではほぼありません。生肉や生魚を食べていない限り対象とはなりにくいです。それでも可能性が全くないわけではないので、肝生検の意味はあります。(アデノウイルスなどのウイルス性疾患は基本的にワクチンで予防ができますが、肝生検でも見つかりにくそうです)
肝生検をやってよかったと思えるかどうかは、やってみないと分からないと思います。どうしても不安な場合は、もう少し内科的な治療を続けるという選択肢もあるかとは思います。3月からということであればまだ2ヵ月程度なので、半年くらいは試行錯誤しながら経過をみていくというのもありではあります。
どうぞよろしくお願いいたします。
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konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三
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どうぞよろしくお願いいたします。
相談内容:リンゲル液とブドウ糖液
飼い主からの相談
【既往病】
僧帽弁閉鎖不全症
洞不全症候群
徐脈頻脈性不整脈
【処方薬】
ベトメディン
エナカルド
スピロノラクトン
シロスタゾール
ウルソ
【二週前の血液検査】院内検査
総コレステロール 461
GPT 計測不能
GOT 418
CRP 2.7
ビリルビン4.1
ALP 1961
【一週前の血液検査】モノリス
総コレステロール 1000
GPT 2000over
GOT 235
CRP 1.7
ビリルビン 7.3
ALP 6837
リパーゼ 364
ここ数日食欲がなく、急性肝炎から慢性肝炎になった診断で、皮下点滴を自宅で行っています。
その皮下点滴の内容で質問です。
お世話になっている2人の獣医師さんで内容が異なり、どうしたものかと悩んでいます。
A医師はリンゲル液+ビタミン
B医師はブドウ糖液+ビタミン
どっちがご飯を食べなくなった子に良いのか、16歳と高齢なため悩んでいます。両方ともやっちゃってもいいんでしょうか?第三者の意見が聞きたいです。
井上 平太先生(井上動物病院 動物取扱業登録第56-104号)からの回答

どちらが良いかは血糖値や電解質を拝見しないと判りません。
ですので、ネットでどちらが良いかは相談に乗れないのです。
どちらせよ皮下補液は等張液しか注射出来ませんので、リンゲル液にさらにブドウ糖を足すわけにはいきません。
AとBを交互に行うか、ソルデム1号のようにリンゲルから塩分を少し減らしたものに等張になるようにブドウ糖を入れたものを使用したり、さらに低カリウムになっていればカリウム液を足したりします。カリウムは高値になると危険ですので量は慎重に決めていきます。
ただ、当院でも毎回血液検査をするのは現実的ではないので、飼い主の訴えや視診聴診から判断して決めることもままございます。
回答できず、申し訳ございません。お大事にして下さい。
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