犬のしつけの目的ってなに?

犬をしつける大きな目的は人間社会で暮らせる犬にすることです。飼い主や犬はもちろん、周囲の人も快適に生活するためには、犬が「人間社会のルール」を知り、従う必要があります。

では、社会のルールを守れる犬とはどんな犬でしょうか?

ボディケアを嫌がらない犬

汚れた犬を見たら人はどう感じるでしょう? 不快に感じる人がほとんどではないでしょうか。人がマナーとして身だしなみを整えるように、犬を清潔にすることは社会で暮らすうえの大切なマナーです。

また、不衛生なまま犬を放っておくと、病気のリスクを高めることになります。日頃からボディをケアして清潔を保つことはとても大切なことなのです。犬に触れることで体の変化にも気づくことができるので、健康チェックにも役立ちますよ。

ボディケアを嫌がる犬にならないよう、子犬の頃から慣れさせておきましょう。

人のことが好きな犬

人の性格がひとりひとり違うように、犬の性格も個体差があります。もちろん、すべての犬が社交的で陽気な性格ではありません。

それぞれの個性を大事にしたいものですが、攻撃的な犬に育つと来客や通行人を威嚇したり、飛びかかったりするなどトラブルを招く可能性があります。また、犬自身も緊張状態が続きストレスを抱えやすくなるなど良いことがありません。

犬には、人は「一緒にいると楽しい存在」「犬に危害を加える存在ではない」と覚えさせたいものです。

人間社会に慣れた犬

家の中なら、基本的に家族だけのルールを守ればOKです。しかし、一歩外に出れば社会のルールに従う必要があります。
子犬のうちから人間社会に慣らし、外でも堂々と振る舞える成熟した精神を持つ犬に育てていきましょう。

家の中しか知らない犬は、人ごみ、騒音、サイレン、自転車や自動車など、未知のあらゆる刺激に対して敏感になります。そして、驚きや不安を感じ、場合によってはパニックを起こすこともあります。

そこで犬が攻撃的になっては大変です。このようなトラブルを未然に防ぐためにも、子犬の頃から社会勉強として積極的に外へ出ましょう。

基本の5つのしつけ

それでは実際に、どのようなしつけをしていけばいいのか、基本となる5つのしつけをご紹介します。子犬の好奇心旺盛な性格をうまく生かして、「楽しく」「たくさん褒めて」「遊びながら」しつけをしましょう。

【しつけ1】アイコンタクト

アイコンタクトは意思疎通を図るために不可欠です。人も話をする時はお互いの目を見ますよね。

アイコンタクトができていないと飼い主の意志が犬に伝わらず、しつけやトレーニングもうまくいきません。必ずアイコンタクトは練習しましょう。

①飼い主は片手にオモチャを持ったら愛犬の名前を呼ぶ
②愛犬の視線がオモチャに集まっていることを確認したら、そのままオモチャを飼い主の顔の方に近付ける
③犬の視線を飼い主の顔に誘導し、目が合ったら「ヨシ!」と言って褒める

ポイントは、目が合った時に必ずしっかり褒めること。嬉しい体験をすれば、犬は再び褒められるよう、積極的に行動するようになります。「目が合う→褒める」をしっかり繰り返してくださいね。

【しつけ2】トイレ

決められた場所で排泄できない犬は、人とは共存し難いものです。逆に、きちんとトイレができれば室内飼いもしやすく、衛生的な住環境を保てるというもの。

そうはいっても、最初からトイレで排泄できるわけではありません。段階的に少しずつ練習していきましょう。

◇ペットシーツの上で排泄できるようにする
①しつけ用トイレをつくる。トイレの場所を決めたら、その場所をサークルで囲い、全面にペットシーツを敷き詰めておく。
②犬がトイレに行きたくなるタイミング(寝起き、食後など)を見計らって観察する。ソワソワしながら床の臭いをかぎはじめたらトイレの合図。犬を①に入れる。
③「チー」など、排泄を促す声がけをしながら、犬が排泄するまで待つ。
④排泄できたら①から犬を出してたっぷり褒める。

①~④を繰り返して「排泄はペットシーツの上でするもの」と教えます。また、「チー」という声がけで「チー=排泄」と覚えさせましょう。合図となる言葉を覚えてくれれば、おでかけ前などに排泄を促すことができますよ。

◇トイレトレイの上で排泄できるようにする
犬が自分からサークルの中で排泄できるようになったら次のステップに進みましょう。
ペットシーツの面積を少しずつ減らして、最終的には1枚のペットシーツの上で排泄できるようにします。トイレトレイにペットシーツを敷いて、その上で排泄できるようになればOKです。

ただし、覚えるスピードは犬それぞれ。なかなか覚えなくても焦らずに、犬に合わせて練習を繰り返してください。もし、失敗した時は、犬を叱らず無言ですみやかに掃除してしまいましょう。必ず消臭剤を使って排泄物の臭いを消してください。
排泄物の臭いが残っていると、犬は繰り返し同じ場所で排泄する習性があります。

【しつけ3】クレートに入る

お出かけする時や病院に連れて行く時に便利なクレート。しかし、病院に行くときだけクレートを使っていると「クレートに入れられたら、病院で痛い目にあった」など犬にマイナスイメージをもたれてしまう可能性があります。
犬にとってクレートが嫌なものになってしまっては、飼い主としても後々不便です。マイナスイメージがつく前に、クレートに入ることを教えてしまいましょう。

本来、犬は薄暗く狭い洞穴などで体を休めていた動物なので、狭い場所は嫌がらないものです。楽しいこと、嬉しいことと連動させて教えるとすぐ覚えてくれますよ。

◇クレートトレーニングの方法
①飼い主は粒タイプのフードを手に持ち、犬を誘う
②クレートの中にフードを数粒入れて中に入るのを促す
③犬がクレートに入った瞬間「ハウス」と声をかける

①~③を繰り返し、「ハウス」の声かけでクレートに入れるように練習してください。「ハウス」の声を聞いて自分からクレートに入れるようになったら、次のステップに進み、「クレートの中に入れば楽しいことがある」と繰り返し教えていきます。

④犬がクレートの中で長く過ごせるよう、クレートの中にオモチャを入れておき、クレートの中で遊ばせる
⑤クレートのドアを閉めたままでも過ごせるように慣らしていく

もし、⑤のドアを閉める訓練をしている時に鳴いたり吠えたりしてもドアは開けないでください。「吠えればドアが開く」と覚えると、吠え癖がついてしまいます。

また、クレートを寝床にするのもおすすめです。家族として迎えた日からクレートを寝床として教えておくといいですよ。

【しつけ4】体を飼い主に委ねることができる

スキンシップの一環ですが、「飼い主に抵抗することなく、完全に身を委ねてリラックスすることができる」犬にしつけることも大切です。
歯磨き、耳掃除、爪切りをするときも、犬が「触られても抵抗しない」「ケアが終わるまで静かに待てること」が基本になります。

毎日の触れあいのなかで次の5つを行い、犬が抵抗なくスキンシップを受け入れられるようにしていきましょう。

①膝の上で仰向けにして撫でる
②口を掴む
③唇をめくる(歯磨きの第一歩になります)
④耳の内側を触る(耳掃除の第一歩になります。垂れ耳の犬は、耳をめくることからはじめましょう)
⑤足を掴む(爪切りの第一歩になります)

ポイントは、意識的に一カ所ずつを触っていくというよりは、軽いタッチで触ることからはじめること。短時間でよいので遊びながらランダムにタッチし、犬が慣れてきたらだんだんと触れる時間を長くしていきましょう。

◇犬が極端に嫌がる場合
犬が触られることを嫌がる場合は、ご褒美を使ってみましょう。例えば、口に触れられることを許したら粒タイプのフードを1粒あげるなど、犬にとってポジティブな体験を結びつけることがポイントです。

万が一、犬が抵抗したり、噛みつく仕草をしてきたときは次のようなしつけが有効といわれています。
・一瞬だけ、犬の口(マズル)を強く掴む
・「ダメ!」と言いながら、一瞬、犬をあおむけの状態にして動きを封じる(手で犬の前足をおさえて逃れられないようにする)

犬の口を掴むのは、マズルコントロールと言われるしつけのひとつであり、「立場が上のものがとる行動」です。

もともと、母犬は子犬にしてはいけないことを教える時、子犬の口先を口に含んだり、組み伏せたりします。体で直接教えることで、母犬が子犬を守れるくらい強い存在であり、リーダーであることを示しているのです。犬は立場が上のものに従う動物です。日々の触れあいのなかで口を触り、飼い主が上の立場であるとさりげなく教えておきましょう。

また、犬をあおむけにすることには、飼い主がリーダーであることを誇示する意味があります。自らあおむけになる犬がいますが、それはリーダーに対しての信頼の証でもあり「あなたに従います」という意思表示なのです。

※マズルコントロールは上手に使えばしつけに役立つ方法ですが、さまざまな意見があり、怖がりや警戒心が強い犬には逆効果という声もあります。試してみて犬が怖がるようであれば、無理強いせず、他のしつけ方法を探りましょう。

【しつけ5】社会化訓練をする

家の中など限られた空間で生活していた子犬は、外出すれば未知の音、人、ものなどに出会うことになります。

未知のものを警戒して怖がることは自然なことですが、場合によっては威嚇したり攻撃的な態度を取ることもあります。しかし、逆に言えば「未知」が「知」になれば、警戒することも減るので自ずと攻撃的な態度に出る可能性も減るということ。
人間社会に慣れさせ、順応させることを「社会化」といいますが、子犬の頃からぜひ積極的に取り組んでみてください。

◇社会化の方法
・ラジオやテレビを使って、さまざまな音を聞かせる
・友人や近所の人、親戚などの力を借り、老若男女さまざまな人に合わせる
・外へ出て、車や自転車、他の動物などを見せる

身近なこと、できることからで大丈夫です。少しずつ、活動範囲を広げていきましょう。経験を積むことで、外へ出てもオドオドしない堂々と振る舞える犬になりますよ。

犬にとって「楽しい経験」を積んでいこう

人間社会に順応できている犬は飼いやすく、人からも愛されやすいものです。あなたの犬を飼いやすい犬に育てるために、吸収が早い子犬の頃からしつけをはじめましょう。

しつけは継続する根気が必要です。飼い主に忍耐が求められることもあるでしょう。しかし、犬のしつけは「犬を褒め、犬にとって楽しい経験を繰り返す」ことが基本です。「チャレンジ→できたら褒める」を繰り返して、飼い主も犬も楽しみながらステップアップを目指しましょう。

執筆者プロフィール
ドッグシッター/小動物看護士です。二人の娘に振り回されながら、記事を書いています。ミシンで子供達の服や布雑貨を作るのが趣味。ダルメシアンを多頭飼いするのが夢です。

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