猫の多頭飼いは難しい! 成功と失敗の違いって何?

(左)しろっぷ (右)くりっぷ

「脅威の新猫がやってきた!」と思っているかも?

飼い主なら、飼い猫が1匹の場合、「寂しそうだから新たに猫を迎えたら喜ぶんじゃないかな?」なんて考えることもありますよね。しかし、猫は単独行動をする生き物。縄張り意識の強い猫にとって、新たな猫は縄張りを侵す不審者でしかないこともあります。

そんな猫を多頭飼いするのは結構大変! 先住猫が新入りを受け入れられないことも多いのです。受け入れられるパターンと、拒絶されるパターン。いったい何が違うのでしょう?

相性まるわかり! 猫まる家の猫相関図

先住猫
・くりっぷ(オス、大らかでボス的存在)
・しろっぷ(オス、繊細。くりっぷの実弟)
・ふらっぷ(メス、女王様気質)

新入り猫
・にゃん太(オス、空気が読めないKYで怖がり)
・チビ(オス、空気が読めないKYで怖いもの知らず)

成功例~にゃん太の場合

さかのぼること4年。ある日、くりっぷ、しろっぷ、ふらっぷ3匹の猫が仲良く暮らす我が家に、新たに2才(推定)のにゃん太がやってきました。

新入り猫の受け入れを成功させるには、先住猫にいかに受け入れてもらえるかが大切です。ここで、我が家の3匹の性格をチェックしてみましょう。

ボス的存在のくりっぷは猫にしてはかなり大らかな性格で、過去もふらっぷや一時預かりの保護猫たちをなんなく受け入れてきた懐の深~い猫です。

しろっぷはくりっぷほど寛容ではありませんが、「まあ、仕方ない」という感じで受け入れてくれます。

問題は第3の猫、ふらっぷでした。この猫は女王様気質で予測不能。ましてや、ふらっぷにとって新入りが来るのも初めてです。「プライドも高いし、受け入れてくれるかなあ……」と不安に思いつつも、私としては一度拾ってしまったからには家に入れるしかない状況でした。

左からしろっぷ、くりっぷ、ふらっぷ

にゃん太の初顔合わせは2カ月お預け

初日は、先住猫には会わせずに隔離部屋へ直行。猫の多頭飼いにおいて、いきなりの顔合わせは禁物です。段階的に慣らしていくというのがセオリーですが、いずれにせよにゃん太のお腹には何種類もの寄生虫がいて、駆除が完全に終わるまで隔離せざるを得ない状況でした。

駆除終了まではかかった期間は2カ月。にゃん太との対面はお預けでしたが、おそらく他の子たちは臭いや気配で新入りの存在をわかっていたはずです。

「これだけ長い準備期間があったから、顔合わせしても大丈夫かな」と見ていたのですが、初顔合わせを迎え、ふと不安がよぎりました。なぜなら、にゃん太は猫ルールがほとんど身についていなさそうな、いわゆるかなりのKY(空気が読めない)だったからです。

「うーん、あまりにKYだと、大らかなくりっぷでも拒否するかもしれない……」

KYが功を奏す? 思いのほかスムーズだった初顔合わせ

(左)にゃん太 (右)くりっぷ

◇先輩による新入りの品定め
にゃん太のKYっぷりに不安はあるものの、まずは隔離部屋のすき間から顔合わせをしてみることに。部屋のすき間を数cmほど開けると、新入りがどんな猫か調べたくてうずうずしていた先輩猫たちがすぐに集まってきてチェックをはじめました。3匹ともにゃん太を威嚇することもなく、どうやら問題なさそうな様子です。

◇ケージ越しの対面では威嚇の洗礼も

次のステップは、ケージ越しの対面です。にゃん太をケージに入れた状態で、部屋のドアを全開にして、3匹を呼び込みました。
ここでくりっぷはボスらしく先導を切ってにゃん太にご挨拶。後に続くしろっぷとふらっぷは、はじめこそ「シャー」と威嚇したものの、くりっぷの落ち着いている様子を確認すると大丈夫だと確信したのかやがて威嚇をやめました。3匹とも問題なさそうでひと安心です。

次は直接のご対面ですが、猫はとっても繊細。念には念を入れたほうがベターです。直接対面は、ケージ越しの対面を1週間繰り返した後に行うことにしました。

◇ドキドキの直接対面。新入りが早々にボスを攻略?
初の直接対面では、しろっぷ先輩とふらっぷ先輩が「シャー!」と威嚇の先制攻撃。
さぞかし新入りのにゃん太は怯えるだろうと思いきや、先輩たちの威嚇もどこ吹く風。一瞬ひるみこそしたものの、反撃するそぶりも見せず、面倒見の良いくりっぷに寄ってベタベタ甘えるではないですか。
天性の処世術なのか、くりっぷの影に隠れて、意外とすんなり受け入れられてしまいました。にゃん太持ち前のKYが良い方に働きましたね。

女王様気質のふらっぷも「兄ちゃん(くりっぷ)がいいなら、まあいいわ」という感じで特に問題もなさそう。飼い主の心配は取り越し苦労で、拍子抜けするぐらいスムーズに直接対面は成功となったのです!

失敗例~チビの場合

いいことだけではありません。失敗した苦い思い出もあります。

生後4か月の保護猫のチビのお話をしましょう。チビが来た時は、ふらっぷとにゃん太しかいませんでした。(くりっぷとしろっぷはこの世を去っていたのです)
保護主さんから提示されたトライアル(お試し)期間は2週間。飼えるかどうかの判断をするには少し短く感じましたが、「ふらっぷはにゃん太を受け入れられたし、にゃん太はKYな性格だから新入りが来ても気にもしないだろう」と私は高をくくってしまったのです。

今思えば、甘かった……。

隔離期間を1週間に設定

にゃん太の時は、寄生虫の駆除もあって2カ月隔離しましたが、チビの隔離期間はかなり短い1週間に設定しました。トライアル期間が2週間しかなかったことも理由のひとつですが、チビは健康上問題ないことも決め手でした。

さらに、チビはやんちゃ坊主で、マイペース(まるでにゃん太のようなKYっぷり)。見知らぬ私にも1日目から懐き、新しい家を怖がる様子もありません。
「大物だなあ、これなら大丈夫だろう!」と安心していました。

初顔合わせはうまくいったのに……

成功例をふまえ、チビもにゃん太の時と同じ段取りで対面を行うことに。ケージ越しの対面もなんなくクリアしたので、直接対面に進めることにしました。

◇いざご対面。
ふらっぷは最初こそ威嚇こそしたものの、特に強い拒否反応も見せません。チビが近くに寄って来た時に追い払うくらいです。対するチビもふらっぷを気にするようなこともなく、なかなかに順調な様子。私は「想定どおり。これならいけそうだぞ」と一安心していました。

しかし、対面を繰り返すうちに雲行きが怪しくなってきました。ふらっぷがチビを追いかけまわすようになったのです。しかも、チビがへこたれずにふらっぷに寄っていくものだから余計にムカッとしたのでしょう、ふらっぷの行動はどんどん激しさを増すという悪循環。ついにはチビを本気で噛んでしまい、私は慌てて対面を中止しました。

その後、トライアル期間を1週間延長してもらい、遊ばせながら対面させるなど、方法を変えて工夫してみたのですが、何をしても関係は悪くなるばかり。このまま無理に引き取ったら、ケガどころかチビの命が危ないと思い、泣く泣く保護主さんにお返しすることとなりました。

成功例と失敗例、何が違ったのか?

結局チビはふらっぷと合わず、お迎えを断念することとなりましたが、ふらっぷはにゃん太の時は受け入れることができました。いったい何が違ったのでしょう。

1.段取りは同じでもかけた時間が違った

にゃん太とチビ、どちらも段取りは同じでしたが、かけた時間が全く違います。
・隔離期間を設ける
・ドア越しの対面
・ケージ越しの対面
・直接対面
チビの時は、それぞれの時間が少なかったことが大きな原因と考えられます。

私自身、ふらっぷがにゃん太を受け入れた過去があることから「短期間でも大丈夫だろう」とと多少油断してしまったところがありました。また、トライアル期間が短いことから「なんとか期間中に仲良くさせなければ」という焦りもあって、見切り発車してしまいました。

今思えば、トライアル期間だけでなんとかしようとせずとも、私が飼うと決めて、じっくり取り組めばよかったのです。ふらっぷのように気の強い猫が先住猫の場合はことさら慎重に進めるべきでした。

2.ボス的存在のくりっぷがいなかった

これも私の油断ですが、ボス的役割を果たしていたくりっぷの不在が、猫たちの意識を変えてしまっていたことに気づいていませんでした。

もしくりっぷがいれば、おそらくチビは受け入れられていたでしょう。くりっぷがいなくなった今は、ふらっぷが猫まる家の猫たちを取り仕切っています。女王様気質の彼女を抑える存在がいなくなったことで縄張り意識が強くなったと考えられます。

3.チビのイケイケな性格とふらっぷの女王様気質が合わなかった

私はチビの性格を見誤っていました。にゃん太と同じ「KY気質」と一緒くたにして考えていましたが、KYはKYでも、にゃん太とチビの性格は微妙に違います。考えてみれば人間も同じですよね。

にゃん太は怖がりなところがあって、ふらっぷに逆らうことはほとんどありません。ふらっぷに追いかけられるととことん逃げるくらいです。
チビはむしろ逆。大胆な性格で、追いかけられても自分からグイグイ近づいてしまうのです。それがふらっぷを煽る結果になってしまいました。ふらっぷは、そのような行動を絶対に許すタイプではないので本気噛みまでエスカレートしてしまったのです。

多頭飼いを成功させるための心がまえ

多頭飼いを成功させるコツは「焦らずじっくり」
それこそ1年かけてでも慣らそうという心づもりが大切です。対面させるうえで、少しでも不穏な空気が流れたら、すぐに前の段階に戻ってやり直し、何度も繰り返しましょう。

新入り猫を選べる場合は、先住猫との相性を考慮する
先住猫が大らかな性格であれば、受け入れやすいと思いますが、神経質で気の強い先住猫の場合、新入り猫が押しが強いと仲良くなるのは難しいようです。

環境次第で猫の受け入れ態勢は変わる
性格の不一致があるにせよ、ふらっぷがチビを受け入れられなかったのは、信頼できるボスの不在によって己の縄張り意識が強まったことも要因です。新入り猫を受け入れた過去があっても、取り巻くメンバーに変化があれば、過去と同じように受け入れられないこともある。そのことを念頭に置いて取り組まなければいけないと痛感しました。

まとめ

猫好きの人間にはたまらない多頭飼いですが、新入りの登場は先住猫にとってはかなりの一大事。人間だって、ある日突然家族が増えると言われたら驚くし、多少なりとも身構えますよね。だからこそ、対面はゆっくり少しずつが鉄則です。先住猫の気持ちをできるかぎり優先しつつ、お互いのストレスがかからないよう、猫同士の距離を近づけていきましょう。

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