問題行動1 トイレの失敗(粗相)

◇猫プロフィール
にゃん太/4才のシャムトラ(オス)。お喋りで甘ったれ、頭の中身は永遠の2才。元野良猫

にゃん太は元・保護猫。トイレでおしっこする習慣がついていなかったのか、迎えてからしばらくはトイレ以外でおしっこすることが続きました。ソファー、ベッド、洗濯物、ありとあらゆる場所におしっこをされ、和室の畳は全とっかえ、廃棄した布団は数知れず。しかも臭いも量も半端ないのが辛かった。

粗相の理由

にゃん太のケースは、縄張り意識によるものと思われます。きっと慣れない新居を「自分色」に染めたかったのでしょう。

猫は一般的に縄張りを主張する行為として「スプレー尿※」によるマーキングをしますが、マーキングの代わりにおしっこをすることもあります。ほか、トイレへの不満(汚いなど)や、飼い主が旅行で不在だったなどストレスを感じるとこのような行動に出ることもあります。

ただし、体調不良によって失敗することもあるので、粗相をされたときは、念のため尿の量も観察してみましょう。腎臓が悪いと我慢できないことも多いものです。普段よりも尿の量が少ない、頻尿、多飲多尿など異常が感じられる場合は病院で一度診てもらいましょう。

※スプレー…濃いおしっこを少しずつ勢いよくスプレーのように引っ掛ける行為

粗相対策

・トイレを変える
 例:大きさを変える、フード(蓋)つきにしてみるなど
・猫砂の種類を変える、もしくはトイレシーツにする
・清潔な状態を保てるようこまめに掃除する


上記対策を行っても改善しない場合は、トイレを追加して粗相されそうな場所にあらかじめ設置しておきましょう。お気に入りのトイレが見つかれば粗相も減っていきます。(使わなくなったトイレは片づけましょう)

◇ソファーカバーをペットシーツでDIY?
粗相のたびベッドやソファが汚され、困り果てていた我が家。思いついた苦肉の策が「使い捨てできる手づくりカバー」でした。ペットシーツをテープでつないで巨大なカバーにして、ベッドやソファに被せておくのです。見た目は悪いものの、粗相されたらその場所だけペットシーツを変えればよいのでラクでした。やがてにゃん太も家に馴染んで粗相が減り、問題なくトイレできるようになりました。

問題行動2 爪とぎで家中がボロボロに!

◇猫プロフィール
ふらっぷ/6才のメス。良くも悪くも女王様気質。キジトラの元野良猫

ふらっぷの爪とぎ場所は、和室のふすま。爪とぎ器には目もくれず、日々ふすまのリフォームに勤しんでいます(頼んだ覚えはありません!) 新築早々に爪とぎされて、心が折れそうになったものです。

爪とぎする理由

猫にとって爪とぎは本能的なものです。マーキングのほか、鋭い爪をキープするために古い層をはがす「お手入れ」の目的があります。ソファ、カーペット、壁、カーテンなど部屋のあちこちでとぎたくなるのは当然のことなのです。

対策

無理に止めさせようとすると猫にとってストレスになりますので、次のような対策を打ちましょう。

①爪とぎ器で爪とぎする習慣をつけさせる
まずは、爪とぎ器で爪とぎできるように、猫が気に入るものを探してあげましょう。ダンボール、麻巻き、木製、マタタビ付きなどさまざまな爪とぎ器がありますよ。猫が出入りする部屋ごとに複数個あると理想的です。

②爪とぎされたら困る場所はガードする
定番は爪とぎ防止シートを貼ること。少し大がかりですが、ペット用の壁紙や腰壁を貼ってもよいでしょう。

問題行動3 なぜ? イタ~い猫の噛みつき

◇猫プロフィール
チビ/わが家の新入り候補だった子猫。

チビは大変な噛みつき猫。じゃれついては噛み、なめては噛み、四六時中噛まれるので私の手足はボロボロ(泣) 手加減なしなので、子猫といえどもかなり痛かったです。
先住猫と折り合いが合わず、2週間ほどで泣く泣く保護主さんにお戻しすることに。しつけられないままのお別れとなってしまいました。

噛みつく原因

この場合、チビが親兄弟を知らずに育ったため、社会化されていなかったことが原因です。猫は生後3カ月頃までに親きょうだいと遊びながら猫社会のルールを学びます。噛みつき、噛みつかれ、じゃれるなかで噛む力加減を覚えるもの。チビにはその経験がないため、手加減することを覚えず、なにかと噛んで確かめる癖がついたのだと思います。

対策

理想は、社会化期である生後3カ月までは親きょうだいと引き離さないこと。しかし、保護猫は社会化されていないケースも多く、人間が親きょうだいの代わりにしつける必要があります。

まず、しつけの基本として飼い主の手で遊ばせないようにしましょう。猫が手を獲物と認識してしまいます。

◇噛まれたら「無視」
もし手を噛まれたら、噛まれた手を猫の口から外して、静かにその場を立ち去りましょう。「噛んだら無視された」と思わせることがコツです。反撃したり、叱ったりすると興奮させて逆効果です。

子猫の噛み癖は、子猫期特有の興奮しやすさによるところもあり、通常なら成猫になるにつれて落ち着いていきます。また、歯の生え変わり時期に生じる痒みをごまかすために何かを噛んでいるケースも多々ありますので、歯が生え変われば噛み癖も自然と落ち着きます。

成猫になっても治らない場合、問題行動を専門とする獣医さんなど、専門家への相談をおすすめします。

問題行動4.棚の上のものをなんでも落とす

◇猫プロフィール
くりっぷ/8才のオス。兄貴肌でのんびり大らか。ブラウンクラシックタビー

毎朝、私の顔を舐めて起こしてくれるくりっぷ。なかなか私が起きないと、棚の上のもの(化粧水の瓶など)を片っ端から落としていくという暴挙にでます。瓶が割れたことはないもののものすごい音なので、私も思わず起きてしまいます。

ものを落とす理由

単純に楽しくてそうすることもありますが、「構われたい」など、何らかの要求があるときに飼い主の気を引きたくて行動していることもあります。猫は意外としつこい生き物なので、なかなかあきらめることはありません。

対策

要求が原因の場合、飼い主は要求にこたえずに無視することが定石です。しかし、猫の性格によっては逆効果になることも。あきらめの悪い子はどんどんエスカレートすることもあります。

一番の解決策は、棚の上のものを片づけてしまうこと。わが家では、小物はすべてかごの中にまとめ、猫の手が届かないような場所に遠ざけました。

問題行動5.真夜中の運動会

◇猫プロフィール
くりっぷ/8才のオス。兄貴肌でのんびり大らか。ブラウンクラシックタビー
しろっぷ/8才のオス。くりっぷと同腹の兄弟で繊細なオトメン。ソリッドホワイト

二匹は血を分けた兄弟。普段からとても仲良しなのですが、夜中になると決まって運動会を始めます。興奮して大声で鳴くものだから、起こされることもしばしば。寝不足はもちろんのこと、どちらも5kg以上ある大きな猫。マンション住まいなので、階下から苦情がこないかとヒヤヒヤする毎日でした。

運動会をはじめる理由

夜に運動会を始めるのは、猫の「狩猟本能」によるものです。

夕暮れから明け方は猫が活動的になる時間です。薄明薄暮性※の動物である猫は、その時間帯に狩りをする習性があります。野生時代の名残りで、イエネコとなった今も狩りの練習を日々行っているわけです。

特に、昼間寝てばかりいる子や運動不足の猫は注意が必要です。体力があり余っているのはもちろん、本能を発散できずストレスも感じているため、運動会を始める傾向があります。

※薄明薄暮性…明け方と薄暮の時間帯に活発になること。夜行性と言われる動物は、実際は薄明薄暮性であることが多い

対策

「昼間に寝すぎて夜寝付けなくなった!」なんてことは人間もありますよね。猫も同じで、ぐっすり眠らせるためには、体を動かすことがいちばんです。

飼い主が寝る前に、おもちゃなどを使って猫をひと運動させ、運動不足を解消させるとともに狩猟本能を満たしてあげましょう。体力を使うジャンプを取り入れた遊びもおすすめです。

マンションなど集合住宅にお住まいで、上下階への影響も気になる方は、ベッドやソファーの上で遊ばせると音が響きにくいですよ。

まとめ

「問題行動」といっても、猫にその自覚はありません。問題と思っていないので、たとえ叱られても、猫はその理由がわからず混乱してしまいます。となると、「よかれと思って叱ったのに、猫からの信頼を失ってしまった」なんてこともなきにしもあらず……。

猫の問題行動に特効薬はないので、基本は飼い主側が対策を打ちましょう。くれぐれも叱らないようにしてくださいね。何度も繰り返すことで少しずつ改善していきます。気を長くして根気よく続けることが大切なのです。

参考文献 「イラストでわかる!ネコ学大図鑑」服部幸著 宝島社

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