犬にブラッシングが必要な理由

そもそも、どうして犬にはブラッシングが必要なのでしょうか。ブラッシングには、犬の健康や美容面のほか、飼い主とのコミュニケーションや飼育環境のケアという面でも、大きな意味があります。

ふけ、抜け毛、皮膚疾患、寄生虫対策

犬には自分の毛を舐めて清潔を保とうとする習慣がありますが、それでも全身をきれいにするのは困難です。しかし、飼い主によるブラッシングがあれば、毛についた汚れや抜け毛、ふけなどを払い落し、犬の体を清潔に保つことができます。
全身を丁寧にブラッシングすることで皮膚の異常にも気付きやすく、またノミやダニといった寄生虫の予防にも繋がります。

美容面での効果

トイプードルシーズー、ヨークシャーテリアといった長毛種の見た目を美しく保つためには、ブラッシングが欠かせません。
毛のもつれを解いて流れを整え、同時に毛玉のケアも行います。

コミュニケーション

犬の体を触ることで、犬同士がグルーミングするようなスキンシップの効果があります。定期的にケアをすることは、愛犬の体調管理だけではなく信頼関係を築くためのコミュニケーションにも繋がるのです。

掃除の手間を軽減

抜け毛が部屋に落ちる前にブラッシングで除去すると、掃除の手間が軽減されます。

ブラッシングに必要な道具の準備

犬のブラッシングには、専用の道具が必要です。愛犬の毛の長さや、毛質にあったブラシやブラッシング用品を準備しましょう。

主なブラシの種類

■コーム
細長い歯が一直線に並んだくし。主に毛流れを整えるために使用する。

■ピンブラシ
面に細い歯が並んだブラシ。歯の先端が球状になっており、犬の皮膚を傷めにくい。

■獣毛ブラシ
豚毛やいのしし毛を植え込んだブラシ。ブラッシングの仕上げに使うと毛並みにツヤが出る。

■ラバーブラシ
ゴム製の歯(スパイク)が並んだブラシで、抜け毛除去の効果が非常に高く、短毛種に使うと皮膚のマッサージ効果もある。

■スリッカーブラシ
平たい面に、くの字に曲がった非常に細かい歯が並んだブラシ。長毛種の毛のもつれを解く効果がある。

あると便利なアイテム

柴犬など抜け毛の多い犬種は、換毛期に抜け毛対策用品を利用したり、代謝の落ちてくるシニア期にはマッサージ効果のあるラバーブラシを使用したりと、犬に合わせた道具があると便利です。

■抜け毛用のブラシ
不要な毛をごっそり取るのに便利。毛の長さや体のサイズに合わせたバリエーション展開がある。

■ノミとりくし
目の細かい金属製のくしで、ノミやシラミなどの寄生虫を取るのに使う。

■ブラッシングスプレー
静電気の発生を押さえ、コームやブラシの通りをよくする。

ブラッシングが必要な頻度

犬のブラッシングの頻度は、できれば毎日やるのが理想です。特にトイプードルビションフリーゼのようなカーリーヘアの長毛種は、ブラッシングをおサボりすることであっという間に毛玉ができてしまいます。
短毛種で毛が絡まりにくい犬種の場合でも、最低週に2~3回を目安にブラッシングしましょう。

ブラッシングのタイミングは、お散歩後に行うのが効果的です。外で付着した汚れをブラッシングで落せるのと同時に、ノミやダニといった寄生虫の防止にも繋がります。

犬のブラッシングのやり方

犬種によってブラッシングのやり方は異なります。長毛種、短毛種ごとの効果的なブラッシング方法について解説します。

長毛種

■主な犬種
ヨークシャテリア、ミニチュアシュナウザーキャバリアミニチュアダックスフンドチワワのロングコートタイプなど

■おすすめのブラシ
ピンブラシ、コーム、スリッカーブラシ

■手順
はじめにピンブラシを使って全身の汚れを取ります。仕上げにコームで毛並みを整えて完成です。耳や胸元の飾り毛も、毛を強く引っ張らないように優しく毛流れを解いてあげましょう。

■毛玉ができた時の対処法
足の付け根は特に毛玉ができやすい部分です。いきなりコームで解こうとすると犬が痛がるため、まずはスリッカーブラシなどを使ってやさしく毛玉を解きほぐします。専用のブラッシングスプレーを使うと、よりスムーズに毛玉を解くことができます。

短毛種

■主な犬種
柴犬、パグフレンチブルドッグコーギーミニチュアピンシャー、ミニチュアダックスフンドやチワワのスムースコートタイプなど

■おすすめのブラシ
ラバーブラシ(ピンブラシ)、獣毛ブラシ

■手順
ラバーブラシを使用して、毛に絡まる汚れや抜け毛を取り去ります。柴犬のような毛量の多い犬種には、ピンブラシを使用するのがおすすめです。仕上げに獣毛ブラシで毛並みを整え、毛ヅヤを出して完成です。

毛が絡まりやすい犬種

■主な犬種
トイプードル、ポメラニアン、シーズー、シェットランドシープドッグ、ビションフリーゼなど

■おすすめのブラシ
コーム、スリッカーブラシ

■手順
はじめにスリッカーブラシを使って毛のもつれを解いていきます。
毛をかき分けて根元からブラシを入れて毛束をほぐすのが基本ですが、もつれが酷い場合は毛先の方から徐々に根元に向かってブラッシングしましょう。スリッカーブラシは犬の皮膚を痛めないように、鉛筆もちでやさしく使います。
仕上げにコームを使って毛並みを滑らかに整えて完成です。
関節部分や、お尻、おなかなどのすれやすい場所、毛玉ができやすい足、耳の生え際、おなかなどの皮膚の薄い部分は、スリッカーブラシを痛がることがあります。より優しく、丁寧にを心掛けましょう。

■毛玉ができた時の対処法
スリッカーブラシを使い、表面に近い方から優しく解きほぐします。肌を引っかいたり、生えている毛を引っ張ったりしないように注意してください。
毛玉が悪化してフェルト状になってしまうと、ブラッシングで解くのは困難です。トリミングサロンにお願いするか、はさみで切ることをおすすめします。

ブラッシング時に気を付けたいポイント

力を入れ過ぎない

犬の毛や皮膚はとてもデリケートです。ブラシやコームで力いっぱい毛を引っ張ってしまうと、犬に痛い思いをさせてしまうどころか、ブラッシング嫌いにしてしまうことも。
犬のブラッシングは「優しく、丁寧に」が基本です。自分の腕をコームやブラシで撫でてみて、痛くない力加減でやりましょう。

嫌がる場合は、人の手で触られることからはじめる

ブラッシング中に、愛犬が怒る、噛むなどの行為が見られたら、嫌がっているサインです。無理やりブラッシングを続けると、道具を見ただけで逃げ出すようになってしまう可能性もあります。
パピーや人慣れしていない犬の場合は、まず人の手で撫でることからはじめ、徐々に短時間のブラッシングから慣らしていきましょう。

愛犬にあわせたブラシを使用する

ハードタイプのブラシで皮膚を傷付けられたり、プラスチック製のくしで静電気が起こったりすると、犬も痛い思いをします。長毛種、短毛種、カーリーヘアと、犬の毛質に合った道具を使用しましょう。

まとめ

犬にとってブラッシングは非常に大切ですが、コツさえつかめば、初心者でも簡単にできるお手入れです。
愛犬とのコミュニケーションを楽しみながら、日々のブラッシングタイムを有意義なものにしてみてはいかがでしょうか。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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