成犬から飼う場合、考えられる3つの疑問

新たに犬を飼うとき、どんな方法で迎え入れるでしょう。さまざまなルートがありますが、「成犬を迎える」ということが初めから選択肢に入っている人は多くないようです。

動物愛護センターなどに保護された犬の里親になったり、ブリーダーから繁殖引退した犬を有償譲渡してもらったり、成犬を家族に迎え入れる方法は実はたくさんあります。しかし、犬を飼ったことがない場合、子犬から飼い始めたことしかない場合、成犬を飼うことに不安がある人もいるのではないでしょうか。
では、成犬から飼い始める場合に挙げられる疑問を見てみましょう。

疑問1 成犬ってしつけはできる?

しつけは子犬のときからでないと、という意見は多いです。確かに子犬のころからトレーニングを始めると覚えやすいですが、成長したらもう覚えるのは無理なのでしょうか。

犬の展示販売が禁止の国が多いという事情もあり、海外では成犬を飼うことは特に珍しくありません。だからといって、しつけや家族との関係は特に問題になっていないようです。成犬のほうがしつけやすいので、初心者には成犬がおすすめという声さえあります。

成犬の場合、これまでにしつけされている可能性がありますし、そうでなくても一から覚えることが可能です。子犬と比べて排泄回数が少ないのでトイレトレーニングが難しいなど、時間がかかることはあるかもしれませんが、どちらにせよ、しつけは一度覚えたら終わりではなく一生もの。子犬と同様に飼い主が犬と向き合う覚悟があれば、十分しつけは可能ですよ。

成犬のしつけは服従訓練から始め、関係性を築きながら行いましょう。

疑問2 成犬って懐くの?

もちろん、成犬でも飼い主に懐きます。

猟犬のなかには「ワンマンズドッグ」といって、生涯ひとりの主人に忠誠を誓う犬種もいますが、それはまれな例。犬の性格や過去の経験によって差はあるとしても、犬は一緒に暮らして愛情を寄せてくれる人のことをきちんと理解します。

無理に距離を詰めようとせず、まずは犬にとって身近な存在になってください。子犬の場合は「ごはんをくれる!」「遊んでくれる!」と無邪気に懐いてくれ、とてもかわいいもの。しかし、おずおずと様子をうかがっていた成犬と心が通じた瞬間は、ほかに代えがたいうれしさがありますよ。

疑問3 成犬ってかわいく思える?

ほ乳類の子どもは、より多く世話をしてもらうためにまるい顔や大きな目、低い鼻などのかわいい容姿を身に付けたと言われています。もちろん犬も例外ではなく、子犬がかわいいのは当然のこと。

犬をかわいいと思うポイントは人それぞれです。安心しきっておなかを出して寝ている姿がかわいいと思う人もいれば、健気に自分を待って留守番しているところがかわいいと言う人もいます。言うまでもなく、容姿が整っていることだけが「かわいい」の条件ではありません。

成犬は子犬と違って体が大きかったり、牙が見えていたりとたくましい印象のことが多いですが、愛おしく感じる部分は必ずあるもの。例えば子犬のように飼い主に甘える姿や楽しそうな表情、子どものいたずらに付き合ってあげる姿などは、子犬とはまた違う愛おしさを感じることでしょう。

子犬を飼うのは大忙し

犬種によって多少の違いはありますが、犬はだいたい生後1年で成犬になります。犬の1歳は人間に換算すると18~20歳くらい。つまり、人間がそれくらいの時間をかけて覚えることを、犬は1年で習得するのです。

ブリーダーやペットショップから子犬を迎える場合、家に来るのは生後50~80日程度。そのころの犬は、人間でいうと約3歳です。そう考えると、どれだけ子犬の世話が大変か、しつけが重要かわかりますね。

子犬の消化器官は未発達なので、フードは1日3~5回に分けて与えなければいけません。免疫力や抵抗力が弱いのでさまざまなワクチン接種を行います。頻繁に体調を崩し、トイレトレーニングにも根気が必要です。

とてもかわいい時期ですが、体調面でもしつけの面でも気の抜けない時期でもあります。子犬は家を空ける時間が長い家で飼うのは難しいですし、成長としっかり向き合う覚悟が必要。その時間が確保できるでしょうか?

成犬を迎えたらすべきこと

健康診断
子犬を迎えたときも同様ですが、健康状態を確認しましょう。確認できないときは、動物病院で健康診断を受けるのがおすすめです。ワクチン接種やフィラリア予防の状況も知っておきたいですね。

お気に入りのグッズ
迎える前から使っていたお気に入りのおもちゃや毛布などは、そのまま使えるようにしてください。好奇心旺盛で順応力の高い子犬と違い、成犬は環境の変化が苦手。新たな家族や家に戸惑っている場合、以前からお気に入りのグッズがあると安心してくれますよ。

戸締りと迷子札
しばらくは「ここが自分の家」と認識できず、元いた場所に戻ろうとする可能性があります。戸締りや窓の開閉に気を付け、ケージやサークルも利用しましょう。迷子札や鑑札、念のためマイクロチップの準備も忘れずに。
その犬がなにに興奮するのか、なにを怖がるのかすぐにはわかりません。もしものために、家に慣れるまでの間、ケージから出すときはリードをつけることも検討しましょう。

食べ慣れたフード
フードは最初はずっと食べていたものをあげましょう。環境が変わって不安を感じている成犬は、食べ慣れないフードを受け付けなかったり、消化不良を起こしたりする可能性があります。新しいフードを与えるときは、以前から食べているフードに少しずつ混ぜるのがおすすめです。

根気よくしつけ
しつけについては、教室に参加したり、訓練士に預けたりするのも手。訓練用の本やDVDなどを参考にするのもおすすめです。犬はリーダーに従う動物なので、まずは服従訓練から。叱るより、なにかいいことをしたときにしっかり褒めます。
甘やかすのとかわいがるのは別だと認識し、犬のリーダーになることを心がけてください。

まとめ

犬の一生のなかで、子犬と呼ばれる時期はたったの1年足らず。「かわいいからなんでも許せる」という人も多いでしょうが、エネルギーがあり余っている子犬時代は、少なからず飼い主も振り回されてしまいます。また、かわいくてもきちんとしつけなければ、問題を起こす犬に育ってしまうこともあります。

子犬の愛らしさにはかなわないかもしれませんが、成犬にもかわいいところは絶対にあります。体の大きさや基本的な性格がすでにわかっているため、相性やライフスタイルを考えて犬が選べたり、子犬と比べて丈夫なので医療費が少なく済んだりといったこともメリットでしょう。

子犬でも成犬でも、一緒に暮らす犬の愛しさは変わりません。どちらにもメリット・デメリットがあることをよく理解し、費用や時間などの現実的なことを考えてから飼いましょう。
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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