犬を飼う前の心構え ①犬を飼える環境?

まずチェックしたいポイントが、犬を飼える環境を整えられるかということです。
人間と犬が共に暮らすために、必ず押さえておきたい基本の心構えがいくつかあります。

犬が育てられる住宅環境か?

犬を飼う場所は、家の敷地内で飼う「外飼い」か、屋内で飼う「室内飼い」に分かれます。いずれの場合でも、そもそもペットの飼育が可能な家に住んでいることが大前提となります。
特にアパートやマンションのような集合住宅の場合には、ペット可の物件かどうか事前確認が必要です。また、ペット可であっても、「小型犬に限る」などといった条件付きの場合もあるので注意しましょう。

さらに犬種に応じた飼育スペースの確保も大事な条件です。
いざ犬を飼うとなると、飼育スペースに加え、ケージやトイレを置いたりグッズを収納したりする場所も必要になります。十分な広さを確保できるか、事前に確認しておきましょう。

同居する家族全員の同意は得られたか?

一人暮らしの場合は別ですが、同居している家族に断りなく犬を飼うのは重大なトラブルの元です。また、万が一飼い主である自分が病気やケガで動けなくなったとき、家族に犬の世話を頼むこともあるでしょう。
犬嫌いの家族はいないか? 犬アレルギーを持った家族はいないか? 事前に確認しておきましょう。
どんな犬種を飼うのか、どの部屋で飼うのか、犬を飼うことでどんなメリットやデメリットがあるのかといったことについても分かりやすく説明し、理解を得るようにしましょう。

犬を飼う前の心構え ②経済的余裕はある?

犬を飼うことは、少なからずお金がかかります。
下記を参考に、犬を飼ううえで、どのような費用がどのくらいかかるのかを確認しておきましょう。

犬の飼いはじめにかかる初期費用

・登録費: 3,000円程度
・ワクチン接種費: 5,000~8,000円程度
・生活用品の準備費: 6,000~10,000円程度

犬の生体以外にかかる費用としては、畜犬登録費や子犬のワクチン接種費、そのほか家にお迎えするためのグッズ準備費などが主な項目です。
お迎えするペットショップによっては、別途数万円~の生体保証費がかかる場合もあります。

定期的にかかる費用

・フード代: 5,000円程度
・おやつ代: 1,000円程度
・おもちゃ代: 1,000円程度
・消耗品費: 1,000~2,000円程度
・ワクチン接種費: 7,000円程度
・フィラリア診察費+予防薬代: 10,000円程度
・トリミング代: 5,000~10,000円程度
・定期検診費: 5,000~15,000円程度

毎月かかる費用は、平均すると10,000円前後となっています。フード代やおやつ代はホームセンターなどで販売されている一般的なものから無添加の高級フードまでどんなものを与えるかによって変動します。
また、フィラリア予防薬やトリミングにかかる費用は犬種により変わる部分が大きいため、自分が飼いたい犬はどれぐらいかかるのかを事前に調べておくとよいでしょう。

臨時でかかる費用

・訓練所代: 数千~10,000円程度
・去勢/避妊の手術費: 20,000~40,000円程度
・治療費/病院代: 内容によって変わる
・ペットホテル代: 3,000円~6,000円程度

訓練所代は1回2,500円程度が相場のパピー教室から、5,000円以上かかる大型犬向けのトレーニング教室までさまざまです。

去勢・避妊は通常1回のみかかる費用で、オスが20,000円~、メスが30,000円~といったように性別により相場が変わります。また、大型犬の場合、手術費用がやや高くなる傾向があります。

臨時費で一番大きいのは、犬のケガや病気の治療、または手術にかかる費用でしょう。症状によっては高額の費用が必要になる可能性もあるので、万が一に備えて、ペット保険について調べておくと安心です。月々数百円から加入できるものもあります。

犬を飼う前の心構え ③飼育時間を確保できる?

飼育環境やお金と並んで重要なのが、飼育時間の確保です。犬を1匹飼うことは、子どもが1人増えるようなものだとも言われるぐらい手間がかかることです。
どんなに忙しいときでも、最低限犬を飼うための時間が取れるか? どのように時間を確保するのか? あらかじめ考えておきましょう。

毎日の世話をする時間は確保できる?

・しつけ、トレーニング(主に1歳までのパピー期)
・1日2回程度のご飯の世話
・1日2~3回の排泄の世話
・1日1~2回のお散歩
・1日1回程度のブラッシングケア
・毎日のスキンシップ、遊び
・犬が汚れたときのシャンプーなどのケア

犬のお世話にはかかる時間は、少なく見積もっても1日に1時間以上はかかるでしょう。さらに、犬が散らかした部屋の掃除など、間接的にかかってくる時間もあります。

家を空ける時間が多くないか?

・出勤時間/帰宅時間はどれくらいか
・残業が続くことがないか
・買い物や用事で長時間家を空けることはあるか
・突発的な泊りや出張などは多くないか

1日のうち大半が留守になる場合は、犬を飼うには厳しいと言えるかもしれません。
犬がどのぐらいの時間1匹でお留守番できるのかは、犬種や犬の性格によっても変わります。多くの飼い主さんは、1回のお留守番を5時間程度まで、長くても10時間程度に留めている場合が多いようです。

いつでも犬を優先する覚悟があるか?

・プライベートを犠牲にできるか
・頻繁に長期間の旅行に行くことが難しくなってもよいか
・犬が急病やケガをしたときにすぐ病院に連れていけるか

ペットである犬は、飼い主なしでは生きていけない存在です。毎日の世話のためにというのももちろんですが、緊急事態に備えて可能な限り犬と離れる時間を減らす必要があります。
飼い主はいつでも犬を優先する覚悟を持たなくてはなりません。

犬を飼う前の心構え ④最期まで責任を持って育てられる?

最も重要な心構えが、飼い主として犬の最期まで責任を持って育てられるかということです。
例えば、以下のようなケースでも途中で投げ出さずに飼うことができるでしょうか。

・犬が希望通りの性格にならなかった
・思っていたよりも大きく、または小さく成長した
・聞き分けが悪くしつけが難しい
・部屋を排泄物で汚された
・お気に入りの服や家具を壊された
・病気やケガ、老化により付きっきりで介護が必要になった

どれも犬を飼っていれば一般的に起こりうる問題です。
犬と一緒に暮らすことが与えてくれる喜びや楽しみは非常に大きいものですが、反面毎日の世話やしつけ、自分の時間が減ることなど、苦労も多いものです。そして最期には必ず辛い別れが待っています。

犬を幸せにするために、飼い主としての責任を全うできるのか? 何よりも大切な心構えとして覚えておきましょう。

犬を飼う前の心構え ④もしものときの後見人は?

突然の引っ越しや飼い主の入院、その他さまざまな事情で、犬を飼えなくなる場合はどうすればよいのでしょうか。
もしものときのために、愛犬を引き取って代わりにお世話してくれる後見人を探しておくことも飼い主の務めです。

後見人としては、離れて暮らす家族や知人など、犬を飼うことに理解があり、十分な飼育環境を整えられる人が適任です。

お住まいの地域によっては、どうしても引き取り手が見つからないという人のために里親を探すサポートをしてくれる互助団体や支援団体も存在します。
また、代わりにペットのお世話をしてくれる「ペットホーム」も存在しますが、高額の飼育料がかかるケースもあるようです。
飼い主としての義務を果たす意味でも、愛犬のための情報収集は欠かさず行っておきましょう。

まとめ

以上が犬を飼うときに必要な心構えや条件に関する解説でした。
記事を読んでみて、「思っていたよりも厳しいな」と思った方もいるかもしれません。
お金や時間の確保等、1人では少し難しいことも、家族の理解や協力によりクリアできる場合もあります。困ったときはまず周囲に相談してみましょう。

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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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