子犬のしつけは迎えたその日から!

愛くるしい子犬の表情を見ていると、つい「しつけはまだ先かな」なんて思ってしまうかもしれません。しかし、犬は人間より成長スピードが速い生きものです。子犬を迎える時期はだいたい生後2~3カ月ですが、人間に換算すると3~5歳くらい。あいさつや片付けなど、社会で暮らすルールを教えるのに早すぎる年齢ではないですよね。

人間同様、犬も年を追うごとに物事を習慣化するのが難しくなります。また、子犬のころは許されていたのに、ある日急に叱られては犬も困惑するでしょう。なにより、しつけができていないことで周囲に迷惑をかければ、犬も飼い主もつらい思いをする可能性があります。

しつけは人間社会で暮らすルールを教えること。犬にとってストレスになることを、無理に強要することではありません。愛犬が楽しく暮らすためにも、しつけを始めるのは迎えたその日ベストタイミングです。

子犬のしつけのコツ・その1 ルールの統一

できれば子犬を迎える前に、家族間でルールを決定しておきましょう。犬が入っていい部屋とだめな部屋を分けるか、食事を与える場所をどこにするか、叱るときは「こら!」なのか「だめ!」なのか、話し合うことはたくさんあります。誰かが叱るのに誰かが許す、というような状態では、犬は何を覚えていいのかわかりません。

実際に子犬を目の前にすると、あまりの愛らしさにすべてのことがどうでもよくなってしまうもの。また、噛まれてものしかかられても痛みが強くないので、つい許してしまいがちです。
しかし、子犬のころに許していたことを成犬になってから禁止するのは、今まで覚えていたことを忘れさせ、改めて違うことを教えるということです。絶対に無理ではありませんが、難しいのは確か。子犬のためにも、犬とどう暮らしていくかを事前に考えておきましょう。

また、気分でしつけの内容を変えないことも重要です。時と場合によって厳しくしたり甘くしたりするのは禁物。気分に波があるのは人間なら仕方のないことですが、できるだけ同じ態度で犬に接しましょう

子犬のしつけのコツ・その2 アイコンタクト

しつけの前段階として、アイコンタクトできるようになりましょう。ここでのアイコンタクトは「目と目でわかりあう」というようなことではなく、飼い主に注目させることです。飼い主の呼びかけに反応して目を合わせることで、飼い主の言うことを聞く姿勢ができます。逆に考えると、アイコンタクトができない状態で、犬に何か教えるのは難しいのです。

まずは犬に自分の名前を覚えさせます。ご飯をあげるときや遊ぶとき、犬がうれしく思うときに積極的に名前を呼び、「名前=うれしいこと」と認識させてください。

犬が名前を覚えたら、突然犬の名前を呼びます。犬が反応して目を合わせたら、すかさずご褒美をあげましょう。カロリーを考えつつ、小さなおやつをあげると効果的。離れた場所で、うるさい場所で、犬がほかのことに気を取られているとき、さまざまな状況で名前を呼び、反応したら褒めるを繰り返します。

最終的にはご褒美がなくてもアイコンタクトできるようになります。目を見たら犬が何を考えているかわかるようになるかもしれませんよ。

子犬のしつけのコツ・その3 体を触る

体を触られることに慣らすのも、犬と暮らすうえで重要なしつけです。敏感な場所を触られるのは嫌がりますし、スキンシップが苦手な犬もいます。しかし、爪切りや耳そうじ、病院に連れて行くときや災害で避難するときなど、触られることに慣れていないと不都合が起きることはたくさんあります。

子犬のうちは警戒心が弱いので、毎日遊びながら体をあちこち触りましょう。
頭や背中など、触られて平気な場所から始め、耳・鼻・歯・おなか・足・おしり・しっぽなど、「犬が触られて危険を感じる場所」に範囲を広げます。急に掴んだり引っ張ったりするのではなく、周囲から徐々に触り、おとなしくしていられたらご褒美をあげます。

同時に、飼い主が座った状態でひざに乗せる、抱き上げてみる、その状態から立つなどして抱っこに慣らします。犬の体を横に倒してみたり仰向けにしてみたり、体のどこを触られても嫌がらないようにしましょう。

子犬のしつけで最も大切なこととは?

犬を飼うとき、よく「飼い主がリーダーに」「上下関係が重要」などといわれることがありますが、犬種によって違います。確かに、一部の猟犬のような飼い主に忠誠を誓う「ワンマンズ・ドッグ」と呼ばれる犬種の場合は大切。そうでなければ信頼関係を築くことを第一に考えましょう。無理に威厳ある態度で接しなくてもいいんですよ。

叩いたり怒ってばかりいる人を、犬は信頼しません。過度に甘やかすのはいけませんが、むやみに怒鳴ったり無視したりするのはもっといけません。また、体罰は犬を委縮させて信頼関係を崩すだけと考え、絶対にやめましょう。叱るときは目を合わせて厳しく一声、です。また、叱るのと同じくらいほめることも大事です。「きちんと叱ってできたらほめる」を意識しましょう。

では信頼関係を築くためにどうしたらいいかというと、犬にとって安心できる存在であること。愛情をもって毎日きちんと世話をし、声をかけてスキンシップすることです。

しつけというと難しく考えてしまう人もいますが、できれば楽しんで行いましょう。しつけはもともと一生続くものですし、根気が必要なものです。ほかの犬と比べる必要もありません。トイレの失敗が多いならペットシーツを広めに敷いておく、甘噛みの癖があるなら噛むのが楽しそうなおもちゃを探すなど、できるだけ「大変じゃない」方法を考えましょう

まとめ

犬にしつけが必要だということはほとんどの人が理解していますが、いつから?どうやって?ということになると、悩んでしまう場合があるようです。
子犬のしつけは迎えたその日から始まり、その犬が生きている間は続くもの。いつから始めても早すぎることはありません。基本的なルールは決めておく必要がありますが、あまり思いつめず、楽しんでゆったり行ってください。子犬も飼い主もストレスを感じず、お互いが大好きな信頼関係を築けるといいですね。
関連する記事
子犬をシャンプーをする方法と10のポイント

お迎えした愛らしい子犬。できることなら、清潔でいてほしいという思いがあるのではないでしょうか? 体の汚れを落とすにはシャンプーが有効です。いつからはじめたらいいか、どんな風にすればよいか……ポイント...

 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

犬のブリーダーについて

魅力たっぷりの犬をあなたも迎えてみませんか? 

おすすめは、ブリーダーとお客様を直接つなぐマッチングサイトです。国内最大のブリーダーズサイト「みんなのブリーダー」なら、優良ブリーダーから健康的な子犬を迎えることができます。

いつでもどこでも自分のペースで探せるのがインターネットの魅力。「みんなのブリーダー」では写真や動画、地域などさまざまな条件で理想の犬を探せるほか、多数の成約者の口コミが揃っています。気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

※みんなのブリーダーに移動します