犬の鑑札・注射済票・迷子札の違いって?

保健所や動物愛護センターに犬が収容されたと聞くと、愛犬家の皆さんは憤りを感じたり、心配したりしますよね。環境省によると、年間に収容される犬は、平成27年度の1年間で約4万7000頭もいます。そのうち、飼い主から持ち込まれるのは約6500頭。実は8割以上を占める、4万頭が「所有者不明」で持ち込まれる迷子の犬なのです。

もしも愛犬が迷子になってしまったとき。あなたと愛犬をつなぐのが「鑑札」「注射済票」「迷子札」です。

犬の鑑札って?

犬の「鑑札」は市区町村に畜犬登録すると、登録番号とともに交付される小さな金属のプレートです。登録は基本的に犬の生涯に1回で、鑑札が交付されるのも1回だけ(有料で再交付は可能)。鑑札には登録番号や都道府県名、市区町村名が記載されています。
市区町村によって多少違いますが、登録する内容は飼い主(所有者)の住所・氏名・電話番号、犬の名前・生年月日・性別・毛色・特徴など。変更があった場合は届け出なくてはなりません。
法律によって、犬の飼い主には畜犬登録と鑑札の装着が義務づけられています。

注射済票って?

「注射済票」は、飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせた証明としてもらえるものです。ドッグランやドッグカフェなどの犬用施設では、注射済票がなければ利用できない場合も。鑑札と同じくらいのプレートですが、注射済票は毎年予防注射を受けさせるたびに交付されます。
鑑札とともに、注射済票も常に身につけることが法で定められています。

迷子札って?

鑑札や注射済票と違い、迷子札は装着が義務化されたものではありません。記載内容も自由です。デザインもさまざまで、愛犬のおしゃれの一環として迷子札を選ぶ飼い主も多いです。

鑑札・迷子札はどんなときに役に立つ?

犬が迷子になってしまったとき、鑑札と注射済票が役立ちます。犬と楽しく暮らしていると、迷子になることを考えられる人は少ないもの。しかし、どんなタイミングで迷子になってしまうかはわかりません。

地震や雷などでパニックを起こし、逃げ出した。
散歩中に首輪が抜けた。
動物病院やペットホテルから脱走した。


迷子の犬が保健所や動物愛護センターなどに保護された場合、場所によって違うものの、3~7日で殺処分されてしまうことがあります。悲しいことですが、飼い主の情報がわからなければ保護した側でもどうしようもありません……。
そんなとき、鑑札があれば登録番号から飼い主の情報を照会してもらえます。また、登録情報は行政でしか確認できませんが、迷子札があれば飼い主の情報がすぐにわかるため、保護してくれた人がすぐに連絡をくれる可能性があります。

犬の迷子札にはどんなことを書いたらいいの?

鑑札や注射済票には、市区町村などに登録された飼い主につながる番号が記載されています。では、迷子札にはどんなことを記せばいいのでしょうか。
まずは、飼い主と連絡が取りやすい電話番号。日中に家を留守にすることが多い場合は携帯電話のほうがおすすめです。保護してくれた人が連絡を取りやすくなるよう、飼い主の名前(名字)と犬の名前は記載しておきましょう。犬のアレルゲンを書いておくという飼い主もいますよ。

迷子札はさまざまなデザインがあり、鑑札や注射済票を挟み込めるものもあります。首輪やハーネスと一体型だったり、印刷や彫金のサービスをしてくれたりする店も多いです。情報が読めなければ意味がありませんから、濡れたり時間がたったりしても見えるかよく考えてください。

また、取れてしまう可能性のある迷子札に「個人情報を書くのはちょっと……」という方のために、IDやQRコードで個人情報を隠して飼い主の情報を入れられるサービスもあるようです。

もしも犬が迷子になってしまったら

もし、愛犬が迷子になってしまった場合、初めに連絡するのは保健所・動物愛護センターです。迷子の犬が持ち込まれやすいということもありますが、飼い主が見つからなかったら処分の危険性があるため、すぐに連絡しましょう。
ペットショップや動物病院も迷子の犬が連れて来られやすいので、声をかけておきたいですね。意外と警察署も迷子の犬が収容されるところです。24時間365日連絡できるので、保健所などが閉まっている時間でも対応してくれます。

ネットの迷子犬掲示板やSNS、アプリも利用しましょう。愛犬の名前や毛色、身につけているものや特徴を記載しておけば、誰かが気づいて連絡をくれるかもしれません。

まとめ

愛犬が迷子になるなんてあまり考えたくありませんが、まさかの事態は突然起こるもの。なにかあってからでは遅いのです。できるだけ迷子にしないような予防策をとるのはもちろん、愛犬には必ず鑑札と注射済票をつけ、迷子札も用意しましょう。
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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