ニオイがきつくなった？犬のおしっこからわかる病気のサインとチェックのポイント

犬のおしっこを注意して観察したことがない、という飼い主は多いかもしれません。外で排泄する習慣のある家庭ならなおさらですね。

おしっこには血液中の水分や老廃物、不要物を体外に排出するという役割があり、腎臓で作られ、尿管を通ってぼうこうに蓄積され、尿道を通って排泄されます。
腎臓や尿管といった尿路の情報はもちろん、全身の情報がたくさん詰まっているため、おしっこを調べれば犬の体の状態がわかります。

定期的に健康診断などで尿検査を受けることは重要。しかし、普段から犬と触れ合っている飼い主だからこそ、毎日チェックしていればわかることがあります。

犬は人間と違ってあまり汗をかかないので、飲んだ水の量とおしっこの量はだいたい同じ。もしも、愛犬のおしっこの回数が増えたと感じたら、水を飲む量をチェックしてください。

水を飲む量が増えておしっこの回数も増えたときは、糖尿病やクッシング症候群、尿崩症といったホルモンの異常が疑われます。メスの場合は子宮蓄膿症が原因でおしっこの量が増えることもあります。

水を飲む量が増えていないのにおしっこの回数が増えている場合、腎臓の機能の低下や慢性の腎不全が疑われます。

愛犬のおしっこが出ないとき、楽天的に考えてはいけません。うんちは2～3日出なくてもすぐに命に関わる状態にはなりませんが、おしっこの場合は尿毒症に陥り、死に至ることさえあります。

尿毒症は腎不全の進行によって起こる病気。本来おしっことして排出されるはずの老廃物が体に蓄積され、全身の臓器に深刻な影響を及ぼします。おしっこが出なくなってから48時間で症状が表れ、72時間で半数が死に至ると言われていますが、これには個体差があり、もっと早く症状が出るケースがあります。

おしっこの色が、茶褐色や赤っぽい色をしていたら、それは血尿です。尿路結石や、前立腺炎などが疑われます。また、ネギ中毒による赤血球の破壊でも、血尿が出ることがあります。

次におしっこの濃さですが、山吹色のような濃い黄色のおしっこが出た場合は、水分不足や肝臓の異常などが考えられます。加えて、目に黄疸が出ているときは、病状がかなり進んでいるサインです。一刻も早く、動物病院を受診してください。

また、色の薄いおしっこは、水分の摂り過ぎや腎不全、ホルモンの病気などが考えられます。水分が充分に摂れている、と安心しないようにしましょう。

健康な犬のおしっこのニオイは、多少のアンモニア臭がする程度です。しかし、体内に何かしらの異常があるときは、そのニオイが変化します。例えば、犬が糖尿病にかかっている場合、おしっこから甘ったるい独特のニオイがします。

また、きついアンモニア臭がするときは、水分不足になっている可能性があります。ドライのドッグフードが食事のメインの場合は、水分量が足りないことがあるので、ときどきフードにお湯をかけたものを与え、水分を補うのがおすすめです。水分不足は、膀胱炎を招くほか全身の不調に関わるので、日頃から注意しましょう。

犬がおしっこをするときの仕草でも、犬の体調に関わる情報をキャッチできます。

例えば、おしっこをするときの姿勢が辛そうだったり、お尻を地べたに着けて用を足す場合は、腰や後ろ足の骨や筋肉に異常がある可能性が。今までとおしっこの体勢がちがうと感じたら、動物病院で診てもらうことをおすすめします。

犬のおしっこは、健康のバロメーター。量や回数、ニオイや色だけでなく、おしっこをするときの仕草も含めて、毎日チェックしましょう。

愛犬の健やかな毎日のために、飼い主は健康管理をしっかりと行いたいですね。