意外と知らない犬の散歩の重要性

犬の散歩には、どんな効果があるでしょうか。運動やストレス解消のためとよく言われますが、小型犬などは家のなかで走りまわるだけで運動量は足りますし、ストレス解消なら飼い主が遊んであげたりマッサージしたりするだけで十分かもしれません。

犬との散歩をより効果的なものにするためには、散歩の意義を知って、基礎を押さえておく必要があります。

基本的に犬はみんな散歩が大好きで、飼い主がどんなに忙しくても、外がどんな悪天候でも散歩に行きたがります。犬にとっての散歩は、運動や気分転換のほかに、家族以外の犬や人と交流したりする機会。たとえほかの犬や人に会わなくても、犬はそこに残ったにおいを嗅ぐだけでコミュニケーションできます。

何より、散歩は犬にとって大好きな飼い主と一緒になわばりを確認する重要な機会です。
無理をする必要はありませんが、できるだけ毎日散歩に連れ出してください。犬との絆を深める絶好の機会になるでしょう。

散歩はどれくらいしたらいい?

犬種によって、必要な運動量は違います。目安として、大型犬・中型犬は1回30分以上を1日2回、小型犬は10~15分程度と1日2回ほどと言われていますが、その犬に合わせて決めましょう。
散歩から帰ったときにはしゃぎまわっているようなら運動量が足らず、ばててへたり込んでいるようなら長すぎます。

また、犬に必要な運動は歩いているだけでは得られないという説があります。犬に本来必要なのは走ることで、歩くだけで満たされることはないそうです。
週に1回程度はドッグランなどで思い切り走る機会を持たせてあげたいですね。

ただし、成長期の子犬や関節の弱い犬、短吻種などで呼吸器の弱い犬種の場合は運動のしすぎに注意してください。

犬が散歩デビューする時期

子犬を飼い始めたら、いつから散歩に連れて行くかというのは飼い主の悩みどころですね。散歩デビューの時期にはさまざまな説がありますが、その根底にあるのは、ワクチン接種が終わる前に他の犬と触れ合わせるべきではないということです。

子犬のワクチン接種が終わるのは、生後14週ごろです。では、このあとに散歩デビューすればいいかといえば、それでは遅すぎるかもしれません。

犬は生後3~12週に社会化期を迎えます。社会化期は、どんな経験をするかでその犬の一生が決まると言っても過言ではない、とても重要な時期。この時期にさまざまなものを見たり聞いたり、においを嗅いだりして、犬は世の中に何があるのかを知ります。

12週を過ぎると、犬は少しずつ警戒心が強くなり、新しいものを受け入れることが苦手になります。ワクチン接種が完了してから外に連れ出しても、警戒心でいっぱいの犬は外の世界に慣れるまで時間がかかってしまう可能性があるのです。

ワクチン接種が終わる前の犬は、抱っこやキャリーに入れて外に連れ出すのがおすすめ。
感染源に近づかないよう他の犬と触れ合わせたり、地面を歩かせたりしないようにしましょう。マーキングされている可能性がある電柱なども、近寄らないほうが無難です。

地面を歩かせなくても、外に連れていくだけで子犬はたくさんの経験ができますよ。

リードと首輪

犬を散歩に連れて行くなら、まず用意したいのが首輪とリードです。どちらもホームセンターやペットショップなどで購入できます。

さまざまな種類がありますが、デザインのみで選ぶのは危険。対応する体重や犬種などが表示されているので、愛犬に合わせたものを購入しましょう。サイズはつけたときに指2本分くらい入る余裕があるものがいいとされています。

首輪の代わりにハーネスを使ってもいいですが、散歩を始めたばかりの犬にはおすすめしません。散歩中に犬に指示を出すとき、リードを軽く引っ張って合図します。ハーネスだとそれが伝わりにくいのです。
始めは首輪を使い、散歩に慣れたらハーネスを検討するのがいいでしょう。

万が一のために、鑑札や迷子札をつけておくのもお忘れなく。
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リードと首輪に慣らす

急にリードや首輪をつけて、すぐにうまく歩ける犬はまれです。それまで首輪をつけたことのない犬は、違和感で動かなくなったり暴れたりするかもしれません。

まずは、家の中で短い時間だけ首輪をはめてみましょう。嫌がる場合はリボンやバンダナなどを巻いてみることから始めます。
遊ぶときやご飯を食べるときに首輪をつけ、「首輪をつけたらいいことがある」と犬に思わせるとともに、首輪に意識が集中しないようにします。毎日少しずつ時間を延ばしましょう。

首輪に慣れたらリードをつけてみます。犬と遊ぶときやご飯を食べるとき、リードをつけっぱなしにして、リードに慣らします。犬がリードを噛んでおもちゃにしないよう、注意してください。

リードにも慣れたら、室内や庭で散歩の練習をします。リーダウォークのトレーニングも始めましょう。
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散歩で飼い主に必須のグッズ

・散歩用バッグ
犬の散歩グッズをまとめておけば、いちいち準備する手間が省けます。汚れてもいい丈夫なものを準備してください。

・ビニール袋
犬が排泄したときはそのままにせず、持ち帰って処理するのがマナーです。必ずビニール袋は持ち歩きましょう。

・ティッシュ
排泄物をビニール袋に入れるとき、犬のおしりが汚れているときなどに使います。排泄物を処理するときのことを考えて、水に流せるものがいいですね。

・水
飲み水も必要ですが、犬が排泄してその場を汚したときなど、流せる水があると安心です。犬の排泄のあとは必ず水を流すのがマナーという人もいるので、準備しておきたいですね。

散歩中にあると便利なグッズ

・ロングリード
広場で犬を遊ばせるときや、呼び戻しの訓練をするときなど、ロングリードが便利です。周囲の状況を確かめたうえで使いましょう。

・おやつ
散歩中にトレーニングするとき、ご褒美用におやつがあるといいですね。トラブルにならないよう、近くに他の犬がいるときはあげないようにしてください。よその犬にあげるときは、必ず飼い主に確認しましょう。

・おもちゃ
愛犬と散歩中に遊べるような広場などがあれば、おもちゃが役立つでしょう。

雨の日の散歩は注意して

外で排泄するようにしつけている犬は、どんな天候だろうと散歩に行かなければなりませんね。そうならないよう、家の中でも排泄できるようにトレーニングしておいたほうがいいですよ。
排泄が関係なくても、雨でも散歩に行きたがる犬は多いです。飼い主がよければもちろん雨でも散歩は可能ですが、注意したいポイントがあります。

・被毛
濡れた毛並みを放置すると体温が下がって体調を崩したり、蒸れて皮膚病を起こしたりすることがあります。犬用のレインコートなども活用し、毛はきちんと乾かしましょう。

・肉球
濡れた地面を歩いていると、犬の肉球もふやけます。ふやけた肉球は傷つきやすいので注意してください。指の間に汚れが入り込むこともあるので、帰ってきたら拭くだけでなく水で流すといいですね。

・感染
他の犬や動物の糞尿が雨で流れ、ふだんは接しない菌などがいる可能性があります。犬が水たまりの水などを飲まないように気をつけましょう。

雨の日は無理に散歩に行かず、室内で遊んで運動するという手もあります。

まとめ

犬の散歩は「朝晩2回」がベストですが、飼い主のライフスタイルやそのときの状況に応じて変更してください。

散歩は飼い主も楽しんで行けるのがペストです。飼い主が楽しそうであれば、犬も喜ぶでしょう。
朝にどうしても時間が取れなければ夕方の散歩を長めにしたり、忙しい時期や悪天候のときは1日お休みしたり、臨機応変に対応して犬との散歩を楽しみましょう。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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